健康情報
2022.03.29
パイナップルの糖質やカロリーはどのくらい?栄養成分や血糖値を上げない食べ方とは
- もくじ
血糖値と果物
果物にはビタミンやミネラルのほかに、食物繊維やファイトケミカルスが豊富に含まれています。しかし、糖質が多いので食べ方によっては血糖値を上げてしまいます。血糖値が気になる人は果物の糖質量を知り、食べ方を工夫しましょう。
果物の糖質ランキング
果物の糖質量とカロリーをまとめました。血糖値が気になる人は、果物の糖質に気をつけましょう。
果物 | 糖質量(100g中) | カロリー(100g中) |
バナナ | 21.4g | 93kcal |
マンゴー | 15.6g | 68kcal |
ぶどう(皮なし) | 15.2g | 58kcal |
柿 | 15.9g | 63kcal |
さくらんぼ(国産) | 15.2g | 64kcal |
りんご | 15.5g | 53kcal |
パイナップル | 13.7g | 54kcal |
キウイフルーツ
(緑肉種) |
13.4g | 51kcal |
温州みかん(早生) | 11.3g | 47kcal |
ネーブルオレンジ | 11.8g | 48kcal |
梨 | 11.3g | 38kcal |
メロン | 10.3g | 40kcal |
ブルーベリー | 9.6g | 48kcal |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
血糖値が気になる人にもおすすめな果物5選
アボカド
糖質量は100gあたり約0.8gです。世界一栄養価の高い果物といわれ、ビタミンEをはじめ、健康や美容に効果的な栄養を含んでます。
糖質が少なく血糖値は上がりにくいのですが、脂肪分が多くカロリーが高いので食べ過ぎには注意しましょう。1日1/2〜1個が適量です。
いちご
糖質量は100gあたり約7.1gで血糖値の上がりにくい果物です。ビタミンCが豊富で抗酸化作用が高く、美肌作りや風邪の予防にも役立ちます。
桃
糖質量は100gあたり約8.9gです。甘い果肉のイメージがありますが、糖質量は少なめです。また、フルーツの中でもカロリーが低く、ダイエット中に食べる果物にも適しています。
グレープフルーツ
糖質量は100gあたり約9gです。血糖値が上がりにくく食べ応えのある食感であるため、満足感を得やすい果物です。酸味のある柑橘系の果物は、比較的血糖値が上がりにくいといわれています。
ブルーベリー
糖質量は100gあたり約9.6gです。ビタミンCやビタミンEのほかに、ポリフェノールの一種であるアントシアニンも豊富に含まれています。桃やグレープフルーツと違って1つ1つが小さいので、必要な分量を調整しやすい果物です。
1日に食べる果物の適量
WHOは、1日に200gの果物を食べることを推奨しています。血糖値の気になる人は一度に食べずに、分けて食べましょう。糖尿病の基準値、1単位の量を紹介しますので、参考にしてください。
バナナ | 中1本(100g) |
りんご | 1/2(150g) |
みかん | 2〜3個(200g) |
キウイフルーツ | 1〜1.5個(150g) |
梨 | 1/2個(200g) |
ぶどう | 10〜15粒(150g) |
グレープフルーツ | 1/2個(200g) |
柿 | 1個(150g) |
出典:文光堂「糖尿病食事療法のための食品交換表(第6版)」
パイナップルの栄養成分
果物の中では糖質量が高めのパイナップルですが、栄養成分も豊富に含んでいます。ここでは、パイナップルの栄養成分を詳しくみていきましょう。
糖質
パイナップル(100g)には、11.9gの糖質が含まれています。糖質は、脳と体を動かすエネルギーになります。集中力を保つ、疲労回復、筋肉量を保つ、肌を美しくするために必要な栄養素です。血糖値が気になる人は、パイナップルの食べ方を工夫しましょう。
カロリー
パイナップル(100g)のカロリーは51kcalです。これは8枚切りの食パン2/3枚に相当します。
食物繊維
パイナップル(100g)には、水溶性食物繊維(0.2g)と不溶性食物繊維(1.0g)が含まれています。水溶性食物繊維は腸で水分を吸収して便を柔らかくし、排泄を促したり糖やコレステロールの吸収を抑えたりする働きがあります。不溶性食物繊維には腸の中で不要なものを絡めとり、排泄を促す働きがあります。腸の中の善玉菌を増やす働きもあるので、腸内環境を整えてくれます。
出典:Dole「パイナップルに含まれる栄養について」
ビタミン
パイナップルにはビタミンも豊富に含まれていて、体の調子を整えてくれます。パイナップルに含まれる主なビタミンを紹介します。
ビタミンB1(0.09mg)
糖の代謝には欠かせないビタミンで、疲労回復のビタミンといわれています。
ビタミンC(35mg)
抗酸化力が強く健康に深く関わっているビタミンです。免疫力を高め、肌や血管の老化を防ぎます。コラーゲンの材料でもあり肌や筋肉、骨を強くし、メラニン色素の沈着防止、ストレスを緩和する作用もあります。パイナップルに含まれているビタミンCは、バナナの約2倍に相当します。
ビタミンA(35μg)
抗酸化作用が強く、目の粘膜の保護や肌の健康を保ちます。また、体の中に入った病原体に働く白血球細胞を作るためにも欠かせないビタミンです。
ミネラル
体の調子を整えるミネラルは、心と体の健康維持には欠かせません。ミネラルが不足すると疲れやすくなったり、体の機能が正常に働かなくなったりします。パイナップルには、鉄やマグネシウム、カリウムなどの大切なミネラルも含まれています。ミネラルには血糖値を下げる働きもあります。
カリウム(150mg)
野菜や果物に多く含まれるミネラルの1種です。心臓の働きや、血圧、神経、筋肉の働きを調整し、体液量のバランスを整えます。水に溶けやすいミネラルなので、生で食べるパイナップルからしっかりと摂取することができます。
出典:Dole「パイナップルに含まれる栄養について」
その他の栄養成分
プロメライン
パイナップル特有のたんぱく質分解酵素の1種で、消化を助ける働きがあります。また、腸の中の有害物質を分解する働きもあり、腸内環境を整えてくれます。プロメラインは熱に弱いので、パイナップルを加熱調理するときは短時間にしましょう。
クエン酸
エネルギーを作り出し回路を活発にする働きがあり、疲労回復に効果的です。また、ミネラルの吸収力を高めたり消化を促進させたりする働きもあります。パイナップルの酸味は主にクエン酸によるものです。
GI値
血糖値の上がり方を数値化したものです。高いと血糖値の上がる速度は早く、低ければ血糖値の上がり方はゆっくりになります。血糖値や糖化を考えたときに、GI値の低い食品を食事に取り入れていくとよいでしょう。
パイナップルのGI値
パイナップルのGI値は65で、果物の中でも高めです。しかし、パイナップルは栄養豊富な果物なので血糖値が気になる人は、量とタイミングに注意しましょう。
ダイエットにも良い!果物の血糖値をあげない食べ方
パイナップルをはじめ果物にはビタミンやミネラル、食物繊維、ファイトケミカルスが豊富です。しかし、糖質やカロリー、GI値が高めのものが多く、糖化や血糖値を気にすると避けてしまいがちです。果物は食べ方を工夫することでダイエットにも効果があり、血糖値の急上昇を防げます。ここでは、血糖値を上げない果物の食べ方を紹介します。
食べる時間
夕食のデザートや夜食に果物を食べると糖質が体内で使われにくく、血糖値が上がったり中性脂肪に変わったりしてしまいます。果物を食べるなら朝がおすすめです。
食べ方
血糖値を上げないためには、果物の食べ方も大切です。
- 皮ごと食べる
- 糖質量が多い果物は、1食の量を守りゆっくり食べる
- 酸味の多い果物と時期を選ぶ
- 缶詰やドライフルーツは避け、生食にする
また、パイナップルなどの糖質量が多い果物は、一度に食べずに分けて食べましょう。
食事の組み合わせに気をつける
菓子パンやおにぎりだけなどの食事に果物を加えると、全体的に糖質過多になり血糖値も上がってしまいます。パイナップルなどの果物を食べるときは、糖質の量に配慮したバランスの良い食事にプラスしてください。
糖質制限食の宅配弁当を活用する
毎食糖質の量を考えて食事を作るのは負担が多い人は、糖質制限食の宅配弁当を利用するとよいでしょう。ジョイントの糖質制限食の宅配弁当は、栄養バランスに優れているためおすすめです。糖質量を表記してあるので、果物を一緒に食べるときでも安心して食べられます。参考にしてください。
血糖値をあげない食べ方を知ってパイナップルを楽しもう
パイナップルは、体の機能を改善してくれる栄養素を豊富に含む果物です。血糖値を気にすると避けてしまいがちですが、量と食べ方を工夫すれば血糖値を上げずにパイナップルを食べられます。血糖値を上げない食べ方で、甘くて美味しいパイナップルを楽しみましょう。
糖質制限食の宅配弁当を活用しよう
毎食糖質の量を考えて食事を作るのは負担が多い人は、糖質制限食の宅配弁当を利用するとよいでしょう。ジョイントの糖質制限食の宅配弁当は、栄養バランスに優れているためおすすめです。糖質量を表記してあるので、果物を一緒に食べるときでも安心して食べられます。参考にしてください。
管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。