健康情報
2022.03.29
お腹の調子が悪いときの食事はどうしたらいい?消化の良い食べ物や調理方法のコツについて
- もくじ
お腹の調子が悪くなる原因
お腹の調子が悪くなったときは、なぜ調子が悪いのか原因を究明しましょう。理由がわからないとまたいつ同じことが起こるかわかりません。短期間で繰り返し調子が悪くなっている場合、食事内容や生活習慣など心当たりがないか考えてみましょう。
食べ方が良くなかった
ストレスによるやけ食いや忙しいときの早食いなど、急に普段しないような食べ方をしたことで胃がびっくりして調子が悪くなります。食事はゆっくりよく噛んで、腹八分が基本です。
また、食器に付着した雑菌が原因になることもあります。食事に使った食器をそのまま次の日に使い回したり洗浄が不十分なままだったりすると、雑菌が増えて食中毒の原因になります。お腹の調子が悪いときは、食材や食べ方のほかに食器の衛生状態もチェックしてみましょう。
傷んでいる食品を食べた
消費期限の過ぎた食品や、傷んだ食品を食べたことが原因で胃の調子が悪い可能性もあります。とくに夏場は温度が高いせいで、普段よりも食品が傷みやすくなります。臭いや感触で少しでも違和感があれば捨てるようにしましょう。
また、冷蔵庫内を清潔に保っておくことも大切です。隣に傷んだ食品が放置されていると、食品の腐敗を早くしてしまいます。冷蔵庫内に傷んだ食品が放置されていないか、液こぼれやしみがついてないかもチェックしましょう。
もともと体調が悪い
風邪や疲れがたまって体の調子が悪いのかもしれません。体調が悪くなると胃の調子も同時に悪くなるのはよくあることです。食事内容に心当たりがないときは、食事を軽くして少し休みましょう。
消化の良いものを食べよう
お腹の調子が悪いときは、胃へ負担をかけない消化に良いものを食べましょう。消化に悪い食べ物は、胃に長く留まって胃もたれや胸焼けの原因になります。揚げ物や硬い食品、味の濃いものは控えて、柔らかくてあっさりしたものがおすすめです。
胃に優しい食材
お腹の調子が悪いときには、おかゆがおすすめです。胃への負担が少ないので、弱った胃でも消化がスムーズに行えます。以下のような消化に悪い食品は避けるようにしましょう。
- 揚げ物
- インスタント食品
- レモンやオレンジなど酸味の強いフルーツ
- 食感が硬い食品(ごぼうや焼き菓子など)
これらは胃に長くとどまったり胃酸を変質させたりするので、胃への負担を大きくしてしまいます。胃の調子が悪いときは消化機能も低下しているので、うまく消化が行えません。胃への負担を少なくさせるには、以下のような条件に合った消化に良い食品を選びましょう。
- おかゆなどの柔らかく調理された食品
- 低脂質な食品
- 加熱処理された食品
- りんごやバナナなど酸味の少ないフルーツ
- 常温もしくは温かい食品
おすすめはおかゆや豆腐などです。大切なのは胃への刺激が少なくて消化が早いこと、機能が弱った胃腸でも消化できるような食品を選びましょう。
バターやマヨネーズは意外と胃に優しい
油分の多い食品はお腹の調子が悪いときには控えましょう。しかし、バターやマヨネーズのような乳化された油分は消化が早く、お腹に優しいのです。ただ、少量であればの話なので、食べ過ぎないように注意しましょう。
メニューを消化に良い調理方法で作る
メニューの調理方法も重要です。お腹の調子が悪いときは消化する力がないので、サラダや刺身などは避けないといけません。料理には消化に良い調理方法があります。お腹の調子が悪いときは、以下の調理方法がおすすめです。
- 茹でる・蒸すなど油分のいらない加熱調理
- 具材を細かく切る
- ミキサーでペーストにする
ポイントは「温かい」「柔らかい」「具材が小さい」です。スープ料理全般やスムージー、おかゆが代表的です。そのままでは胃に悪くても、調理することで消化しやすい形にできます。食事を取るときは、できるだけ生食は避けて加熱された温かい料理にしましょう。
食事中・食後にできること
お腹の調子が悪いときは、食事の取り方や食後の過ごし方にも気をつけましょう。大切なのは胃への負担を少なくして休ませてあげることです。食事中や食後は以下の点を守りましょう。
ゆっくり時間をかけて食べる
食事はゆっくり時間をかけて、よく噛むことが大切です。1回口に運んだものは、最低でも30回は噛むようにしましょう。噛むのが難しいときは、スープ料理やおかゆなどあまり噛まなくていい食事に変更するのもおすすめです。お腹の調子が悪いときは、無理せず食べられる範囲にしましょう。
冷たい飲み物よりも温かい飲み物にする
冷たいものが中心の食事は、胃をびっくりさせて負担をかけます。常温に戻すか、温かいものを中心とした食事にしましょう。また、食事中の飲み物にも注意が必要です。冷水や冷蔵庫で冷やしたアルコールなどは避けて、白湯やお茶を飲むようにしましょう。
食後は休んでおく
お腹の調子が悪いときは、食後もしばらく調子の悪い状態を引きずります。ひどい場合は胃の消化機能も低下している可能性があるので、食後は胃が消化に集中できるよう安静にしておきましょう。休むときも横になると消化に悪いので、椅子やソファに座るのがおすすめです。
お腹の痛みを繰り返さないための対策
お腹の調子が悪いときの原因は人によってさまざまですが、また繰り返さないためにも普段から対策しておきましょう。ここでは、お腹の調子を悪くしないためのポイントを紹介します。
3食きっちり栄養を摂って、規則正しい生活を送る
夜遅い時間の食事や朝食を抜きにする行為は、胃に負担をかけます。早寝早起きを心がけ、3食きっちり食べる健康的な生活を送っていれば大抵の病気は防げます。しっかりと栄養のあるメニューで不調のない丈夫な体を作りましょう。
暴飲暴食は胃に負担をかけるのでやめること
暴飲暴食は血糖値が急激に上がり、胃に大きな負担をかけます。ストレスがたまるとやけ食いするタイプの人は、とくに要注意です。
喫煙・飲酒量に注意する
喫煙は胃酸の分泌を異常に促してしまう効果があり、増えすぎた胃酸が胃に刺激を与えたり粘膜の血流を低下させたりする働きがあります。喫煙者に胃がんや胃潰瘍患者が多いのはそのためです。重大な疾患にかからないためにも、喫煙はやめましょう。
飲酒は適量なら問題ありませんが、飲み過ぎた場合はお酒の成分が胃の粘膜を攻撃して炎症を起こしてしまいます。また、飲酒は胃酸の分泌を促します。飲み過ぎで吐き気を起こすのは、増えすぎた胃酸が胃の粘膜を攻撃してしまうからです。お酒はほどほどにしておきましょう。
運動する習慣をつける
食前に運動すれば胃が活発になり、食事による胃への負担が少なくなります。ただ、急に激しい運動を始めると心臓に強い負担がかかります。ゆっくりと体を温める有酸素運動から行うようにしましょう。
お腹の調子が悪いときは胃に優しくしてあげよう
お腹の調子が悪いときは、休むのが1番です。食欲がないなら1食くらいは抜いても問題ありません。調子が徐々に戻ってきて食事を取る場合は、無理せずおかゆやスープなど胃に優しい料理を食べましょう。
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管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。