食事療法
2022.07.14
間食するタイミングはいつが適切?血糖値を上げない食べ方やおやつの選び方
間食をすると太る?
間食とは、朝食、昼食、夕食といった食事以外から摂取する飲食物の総称です。おやつや嗜好品ともいわれ、エネルギーを補給する以外にも気分転換やリフレッシュなどの効果もあります。ここでは、間食を取るメリットとデメリット、また取る際の目安量やポイントなどについて解説します。
間食を取るメリット
間食を取るメリットは、以下のとおりです。
食事で不足している栄養素を補う
食欲低下で1回に摂取できる食事量が少ない場合、必要なエネルギーや栄養素を十分に補えていないことがあります。その場合は間食を補食としてとらえ、不足しているエネルギーや栄養素を補いましょう。
気分転換になり、ストレスが軽減される
仕事や勉強など集中して作業を行っていると、脳が疲労します。脳は糖質をエネルギー源とするため、間食を食べることで脳へのエネルギー補給ができるのです。また、甘いものを食べることで気分転換や気持ちがリフレッシュされ、生活の質(QOL)が向上します。
食べすぎを防ぐ
1日3食の食事では、食事と食事の間に時間が空きすぎてしまう場合があります。長時間空腹が続くと、次の食事を食べすぎる可能性が高まります。適度に間食を取ることで、次の食事での食べすぎを防げるのです。例えば12時に昼食を取り19時に夕食を取る場合は、15時頃に間食を摂るとよいでしょう。
間食を取るデメリット
間食を摂るデメリットは、以下のとおりです。
摂取カロリーが増えて太る
間食を摂ると1日の総摂取カロリーが増えます。この摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、余分なカロリーは体脂肪として蓄積されてしまいます。
栄養バランスが偏る
間食として食べられる食品は糖質や脂質を含み、ビタミンやミネラルを含んでいないものが多くあります。そのため、間食が増えると栄養のバランスが偏ってしまう可能性があります。
間食が習慣化する
間食に甘いものを食べると脳内に幸せホルモンが分泌されるため、空腹でないときでもつい間食を摂ってしまう可能性があります。間食が習慣化してしまうと将来的に生活習慣病のリスクも上がるため、空腹時以外の間食はやめましょう。
1日に取ってよい間食の目安量とカロリー
適度な間食は心身ともによい影響を与えますが、間食の摂りすぎは害を及ぼす場合があります。1日に摂ってもよい間食のカロリーは、約200kcalです。しかし、ダイエット中などエネルギー量を制限している際は、1日の総摂取カロリーが消費カロリー以上にならないように気を付けましょう。
間食の選び方と最適な食べるタイミング
間食は栄養補給を考慮して選択するとよいでしょう。その場合は、食事で不足しがちな乳製品や、ビタミン・ミネラルを中心に選びましょう。また、ダイエット中や糖質制限中は、糖質が低いものを選ぶことをおすすめします。
ダイエットにおすすめのおやつ
ダイエット中におすすめのおやつは以下のとおりです。
食物繊維を含むおやつ
食物繊維には血糖値の上昇を緩やかにする働きや、腸内環境を整え便秘の予防や改善に役立つ働きがあります。また、ヒトの体内では消化吸収ができないため、カロリーもほとんどないのが特徴です。1日あたりの目標量は成人男性が21g以上、成人女性で18g以上ですが、実際の平均摂取量は14gと目標量以下となっています。間食を取る場合は、食物繊維を多く含む食品を選ぶことをおすすめします。
食物繊維を多く含む、おすすめのおやつ(100gあたり)
水溶性食物繊維(g) | 不溶性食物繊維(g) | 食物繊維総量(g) | |
干し芋 | 2.4 | 3.5 | 5.9 |
ドライトマト | 6.4 | 15.3 | 21.7 |
アーモンド | 0.8 | 9.3 | 10.1 |
干し柿 | 1.3 | 12.7 | 14.0 |
干しブドウ(レーズン) | 1.2 | 2.9 | 4.1 |
ドライマンゴー | 2.8 | 3.6 | 6.4 |
出典:文部科学省「食品成分データベース」
糖質が低いおやつ
ダイエット中や糖質制限中は、低糖質のおやつを1日10g以下であれば、安心して間食を食べられます。食品に含まれる糖質量は、パッケージに記載されている栄養成分表示で確認できます。その際には「100gあたり」なのか「1食あたり」なのか表記に注意しましょう。もし、栄養成分表示に糖質量が記載されていない場合は、以下の式で算出できます。
炭水化物(g)ー食物繊維(g)=糖質(g)
間食を摂るタイミングと食べ方
間食は、摂取するタイミングや食べ方などで違いがあるのでしょうか。ここでは、間食を摂る際におすすめのタイミングと食べ方について解説します。
食後2時間後がベストタイミング
間食を摂る時間は、食後2時間後が最適です。食事を摂ると食品中の糖質がブドウ糖に分解され、血糖値が上昇します。その際、すい臓から分泌されるインスリンの働きにより、肝臓や筋肉組織に吸収されてエネルギーとして利用されます。食後2時間を経過すると消化吸収が終わるため上昇した血糖値が下がり、同時に小腹が空くのです。このタイミングで間食を摂ると下がった血糖値を安定させ、同時に小腹も満たせます。
次の食事までの間隔が大きく空く場合
食事と食事の間隔が大きく空くと、空腹状態が続いている身体は飢餓状態と勘違いしてしまいます。そのため、次の食事でエネルギー源となる糖質や脂質を必要以上に吸収してしまうのです。食事の間隔が大きく空く場合は、主食となるおにぎりやパンを間食で摂ることがおすすめです。間食で摂取した主食分を食事で調整することで、食べすぎやドカ食いを防げます。
血糖値と間食の関係
間食を取ると、血糖値にはどのような影響があるのでしょうか。
血糖値とは
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度です。食品に含まれている炭水化物は、体内で消化吸収される際にブドウ糖へ分解されて血液中に入り、血糖値が上がります。通常、血糖値が上がるとすい臓からインスリンが分泌され、血糖値を下げます。また、インスリンには脂肪を蓄積する作用もあるため、高血糖状態が続くとインスリンが分泌され続け、その結果体内に脂肪が蓄積されやすくなるのです。
血糖値の急激な上昇(血糖値スパイク)に注意する
食後上昇した血糖値も、時間が経つと自然と正常値へと戻ります。しかし、血糖値が下がりきらない状態のまま間食や次の食事を取ると血糖値が上昇し、その血糖値を下げようとインスリンが過剰分泌されるのです。1日のなかで血糖値の急激な上がり下がりを繰り返すことを、「血糖値スパイク」と呼びます。この血糖値スパイクは動脈硬化の原因となり、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすリスクが上がるため大変危険です。
血糖値スパイクを防ぐための方法
急激な血糖値上昇(血糖値スパイク)を防ぐための方法について解説します。
食事はベジファーストで食べる
食事をする際は、野菜から先に食べる「ベジファースト」を心掛けましょう。野菜には食物繊維が多く含まれるため、血糖値の急激な上昇を予防してくれます。
よく噛み、ゆっくりと時間をかけて食べる。
食べ方を変えるだけでも、血糖値の上昇は抑えられます。例えば、早食いは血糖値が急激に上昇してしまうため危険です。また、しっかりと噛むことで脳の満腹中枢が刺激され、食べすぎを抑えてくれます。3食の食事はもちろんですが、おやつを食べる際も、一気に食べることは控えましょう。
欠食せず、3食しっかりと食べる
間食に血糖値が上がりにくいおやつやダイエットによい食品を選んでも、欠食があっては元も子もありません。また、間食を取りすぎたからといって、食事を抜いてしまうのもよくありません。3食しっかりと食事で栄養を摂取し、不足した分を間食で補うようにしましょう。
糖質が低い食品やおやつを選ぶ
間食の選び方にも工夫が必要です。前述したように、糖質が低い食品を選びましょう。
適度な運動をする習慣をつける
適度な運動は、健康で痩せやすい身体づくりの基本となります。ウォーキングやストレッチなどの有酸素運動を行うことで筋肉への血流量が増えます。その結果、細胞へのブドウ糖吸収が高まり、インスリンの分泌が促進されて血糖値が下がりやすくなるのです。また、筋力トレーニングにも同様の効果があるため、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることで、より効果が期待できます。
間食を取るタイミングや目安量に気を付けながら、身体も心も満たされよう!
一見ダイエットの敵と思われがちな間食ですが、取るタイミングや食べる量、また食品を上手に選ぶことで安心して摂取できるのです。血糖値を上げにくいおやつの選び方を身に付けて、心身ともに満たされた生活を送りましょう。
ジョイント「糖質制限食」で無理のないダイエットがお勧め!!
ジョイントの「糖質制限食」は カロリー250kcal、糖質15g以下
で和洋中豊富な献立25メニューです。
バランスの良い食事、一定の糖質量で無理なくスローダイエットが
お勧めです。
是非1度ご賞味くださいませ!!
管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。