食事療法
2022.06.17
低GI値のおすすめ食品一覧。血糖値を緩やかに上げる食事のポイントと効果について
GI値とは
GIとは「グリセミック・インデックス」の略称で、食品がもたらす血糖値の上昇度を現した指標です。GI値が高いほど血糖値が上がりやすく、低いほど上がりにくい食品であることを意味します。
GI値は食品毎に数値で表され、それにより低GI・中GI・高GIの3つに分類されます。GI値を見るときは細かい数値ではなく、どれに分類されるかで判断するのがおすすめです。
低GI値 | 55以下 |
中GI値 | 56〜69 |
高GI値 | 70以上 |
血糖値の上昇度を示す指数
血糖値の上昇度とは、食品に含まれる炭水化物が体内で糖に分解されるまでのスピードを表します。GI値が高い食品は、摂取したときに糖として吸収されやすいです。ご飯やパンなどの炭水化物は、基本的に高GI値食品に分類されます。
GI値が高い食品ほど太りやすい
太る原因はカロリーの摂りすぎだけではなく、血糖値も関係しています。血糖値が上昇すると分泌される「インスリン」は、糖を脂肪として蓄える働きがある物質です。インスリンはGI値の高い食品を取ることで、たくさん分泌されます。
カロリーとGI値は関係ない
GI値はカロリーとは全く関係がないため、低GIが太らないとは限りません。カロリーは、食品に含まれる栄養全ての熱量を表したものです。たんぱく質や脂質が原因で肥満の可能性もあるので、ダイエットの際は注意しましょう。
低GI値食品がダイエットにおすすめな理由
糖質制限やダイエット、糖尿病予防に、低GI値食品はおすすめです。この章では、低GIがダイエットに効果的な理由を解説します。
血糖値を緩やかに上げる
低GI値食品は、血糖値の上昇が緩やかという特徴があります。ダイエット面で血糖値は単純な高い低いではなく、上がるスピードもとても重要です。血糖値の急激な上昇はインスリンを過剰に分泌し、肥満を招きます。一方上昇が緩やかだと、インスリンが正常に分泌されるのです。
腹持ちがいい
低GI値食品は消化に時間がかかるものが多いため、食べ過ぎを防いでくれます。空腹感に負けてついつい食べ過ぎてしまう人は、低GI値食品を積極的に食事に組み込んでみましょう。
食品のGI値一覧
ここでは、食品別のGI値を紹介します。代表的な炭水化物以外にもGI値の高い食品があるので、参考にしてください。
低GI値の食品
以下は、低GI値食品の一覧です。
穀物 | そば、スパゲティ、押し麦、春雨 |
果物 | りんご、いちご、メロン、グレープフルーツ、みかん |
野菜 | 葉物野菜、ブロッコリー、ピーマン、きのこ類 |
乳製品 | 牛乳、チーズ、ヨーグルト、バター |
これらの食品には、以下の特徴があります。
- 食物繊維が多い
- 酸味がある
- 精製されていない炭水化物
いずれの特徴も消化スピードを緩やかにする働きがあるので、自然とGI値が低いのです。ただし、GI値が低い食品は消化スピードが遅いという特性もあります。低GI値食品ばかり選ぶと消化器に悪影響を及ぼすため、注意しましょう。
中GI値の食品
以下は、中GI値食品の一覧です。
穀物 | 玄米、コーンフレーク |
果物 | パイナップル、柿、ぶどう |
野菜 | さつまいも |
乳製品 | アイスクリーム |
血糖値が気になる人は、GI値が60前後の中GI値食品をチョイスすれば基本的に問題ありません。低GI値食品だけだと食べられるものが大幅に制限されてしまうので、中GI値食品を上手に組み合わせましょう。
高GI値の食品
以下は、高GI値食品の一覧です。
穀類 | 白米、パン、餅、せんべい、粥、赤飯、バターライス |
果物 | 果物ジャム、缶詰 |
野菜 | 里芋、じゃがいも、長芋、人参 |
乳製品 | 練乳 |
これらの食品には、以下の傾向があります。
- 糖質が多い
- 消化しやすい形である
- 糖分が添加された加工食品
決して、GI値が高いことが悪いわけではありません。GI値が高いとすばやくエネルギーになるので、筋トレやスポーツ後の食事にはおすすめです。
血糖値を上げない方法
血糖値の上昇はGI値だけではなく、食事の取り方も大きく関係します。噛む回数と食事にかける時間、食べる順はとても大切な要素です。血糖値が気になる人は、以下の5つを意識しましょう。
炭水化物主体の献立にしない
白米や食パンなどの炭水化物は高GI値なものがほとんどのため、野菜や肉などを主体にするようにしましょう。また、カロリーやたんぱく質、脂質の量にも注目し、バランスのよい献立を組むのがおすすめです。
よく噛み時間をかけて食事する
いくら低GI値食品であっても早食いをすると血糖値が急激に上昇するため、食事は時間をかけてよく噛んで取るようにしましょう。時間をかけてよく噛めば満腹中枢を刺激するため、食べ過ぎも防止できます。
食物繊維を多く摂取する
水溶性食物繊維には、食後の血糖値を緩やかに上げる効果があります。玄米やライ麦のGI値が低いのは、食品に食物繊維が豊富に含まれているからです。食物繊維は以下のものに多く含まれており、高GI値の食品と組み合わせると血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。
- きのこ
- 海藻
- 野菜 など
酸っぱい食品を食事に組み込む
お酢のような酸味のある食品は、血糖値と血圧上昇の抑制や内臓脂肪の減少といった、さまざまな健康効果があります。どうしても高GI値の食品が食べたいときは、副菜に酢の物や酸味のあるドレッシングをかけたサラダなどを組み合わせましょう。
セカンドミール効果を利用する
セカンドミール効果とは「最初に食べた物が後に食べた物の血糖値の上昇に影響を与える」という概念です。食べる順番を変えるだけで血糖値を緩やかに上げるので、食べるものを制限する必要がありません。食事の最初に食物繊維の多い野菜料理から食べるだけで、セカンドミール効果を得られます。
株式会社ジョイントの糖質制限食を利用する
株式会社ジョイントでは、糖質制限食という商品を取り扱っております。糖質15g以下、カロリー平均250㎉に設定されているので、糖質やカロリーを制限している方におすすめ。無理なくスローダイエットすることが可能です。
血糖値を下げるために低GI値食品を活用しよう!
血糖値を下げるのに便利なのが、低GI値食品です。食事の内容と食べ方に気をつけながら今回紹介した食品を取り入れて、血糖値の上昇を抑えましょう。また、偏った食事は体に負担をかけることもあります。中GI値食品も取り入れ、バランスの整った献立を意識してみてください。
管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。