健康情報
2022.06.07
冷凍野菜に栄養はあるの?生野菜との栄養素の比較や上手に保存・活用する方法
いろいろな市販の冷凍野菜
市販の冷凍野菜には、生のまま冷凍したものと加熱処理をしてから冷凍したもの、調理済みで解凍するとすぐに食べられるものなどの種類があります。冷凍野菜は、その野菜の栄養分や風味が最も充実している旬の時期に収穫され、新鮮なうちに冷凍加工されます。そのため、生のままで萎びてしまった野菜よりも栄養価は高いといえるでしょう。
生のまま冷凍
野菜を生のまま冷凍する方法を「ダイレクトフリージング」と呼びます。ブロッコリーやカボチャの他、ほうれん草などの葉物類も生のまま冷凍され市販されているものがあります。食べやすい一口大にカットされているため、必要な分だけ凍ったまますぐに調理に使える点が特徴です。
下処理済みの冷凍野菜
フリージングする前に加熱処理することを「ブランチング」と呼びます。野菜の酵素の働きを止めて、色が悪くなるのを防ぐことが特徴です。殺菌消毒もでき、サヤインゲンやオクラ、アスパラガスなど多くの冷凍野菜にブランチングが施されています。
自然解凍で食べられるもの
冷凍食品のコーナーにお弁当の一品として並んでいるのは、調理済みの冷凍野菜です。すぐに食べられるように味付けされているので、冷凍のままお弁当に入れておくと自然解凍で食べられます。
生野菜とは何が違う?比較してみよう
「冷凍すると野菜の栄養素が失われるのでは」と思う人も多いのではないでしょうか。ここでは、冷凍野菜と生野菜での栄養素や調理方法などの違いについて解説していきます。
栄養素
市販されている冷凍野菜は急速冷凍で温度管理が徹底されているため、栄養素の低下率は低いと考えてよいでしょう。
ブランチングされている野菜は、加熱する工程で酵素やビタミン類が減少します。生野菜も同様に、調理法によりビタミンや一部の食物繊維は失われます。
ビタミン
ビタミンが失われる最大の原因は、水に溶ける性質を持つことです。水溶性ビタミンであるビタミンCやB群は、生野菜でも茹でることによって湯に溶け出します。また、ビタミンA・Eは水に溶けにくいので、下茹でしても減少しにくい特徴があります。
水分
収穫したての野菜はみずみずしく、水分も多く含まれていることが特徴です。新鮮なうちに使いきれなくて生のまま保存した場合、水分が蒸発し、干からびてしまうことがあります。冷凍野菜は旬の時期に新鮮な野菜を急速冷凍しているので十分な水分を保持していますが、解凍すると流出し、食感が変わってしまうことがあります。
食感
新鮮な生野菜と比較すると冷凍野菜は歯ごたえに違いを感じます。ダイレクトに美味しさにつながる歯ごたえは食事を楽しむうえでの大切な要素です。冷凍野菜は凍ったまま加熱調理することで、食感が悪くなるのを防げます。
調理の方法
生野菜
生のままで食べるものから煮もの、炒めもの、揚げものなどさまざまな料理に使えます。調理するまでには洗う、皮を剥く、切るといった手間がかかります。また、皮や芯など捨てる部分も多く、生ゴミが増えることが難点です。
冷凍野菜
解凍すると食感が悪くなるので、凍ったまま煮ものや炒めもの、スープなどに使いましょう。冷凍により繊維が壊れるため、調理時間を短縮できる利点があります。また、市販の冷凍野菜は多くが食べやすい大きさにカットされているため、フリーザーから必要な分だけ取り出してそのまま使える手軽さがあります。
家庭でできる冷凍保存
家庭でも手軽に自家製冷凍野菜を作れます。使い残して悪くなってしまう前に、できるだけ新鮮な時期に冷凍しましょう。栄養素の減少を防ぐためにも急速に冷凍することをおすすめします。アルミホイルや金属製のパットを使用すると、熱伝導率が高いので速く冷凍できます。
生のまま冷凍
ほとんどの野菜は、生のままで冷凍保存できます。洗って皮を剥き、使いやすい大きさにカットしてからペーパータオルで水分を拭き取ります。フリーザーバックに入れたらできるだけ空気を押し出し、酸素に触れないようにしましょう。葉もの類は一回に使う分だけラップに包んで冷凍するのがおすすめです。
加熱してから冷凍
冷凍野菜のブランチングは茹でる方法が一般的ですが、茹でるより蒸した方が栄養素の流出を防げられます。ビタミンCや水溶性の食物繊維などをできるだけ多く残すためには、電子レンジでの加熱もおすすめです。生野菜が持つ酵素の活動が抑えられるので、色があせるのを防ぐ効果があります。
カットしてから冷凍
薬味に使用する生姜やニンニクなどはスライスや千切り、みじん切りなどにして一回分をラップに包んでから冷凍しましょう。料理に合わせて使い分けられます。同じように、ネギやパセリのみじん切りなどもストックしておくと便利です。
冷凍野菜の上手な活用方法
最後に冷凍野菜のおすすめの活用方法を紹介します。すぐに取り入れられる方法ばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
お弁当
お弁当の彩りに冷凍野菜はとても便利です。冷凍野菜をさっと炒め合わせるだけで色合いも華やかになり、栄養のバランスも取れます。
煮もの
おでんなどの煮ものにも、冷凍野菜が使用できます。大根は一度冷凍させることで味の染み込みがよくなり、早く煮上がるのです。また、カボチャは冷凍することで食物繊維やカルシウム、カリウムの量が多くなることがわかっています。調味して沸騰した煮汁に、凍ったまま入れて煮るのが美味しく出来上がるポイントです。
付け合わせ
メイン料理の付け合わせにも冷凍野菜が活躍します。じゃがいもなど冷凍には向かない野菜も、マッシュポテトやフライドポテトに加工すると冷凍保存ができます。また、ブロッコリーやほうれん草、スナップエンドウなどは加熱してから冷凍したものであれば、自然解凍でそのまま付け合わせにできるので便利です。
スープ
水に溶け出すビタミン類や食物繊維もスープなら無駄なく摂取でき、小さくカットすれば冷凍野菜の食感も気にならない範囲です。野菜の持つ栄養や美味しさを、冷凍野菜で十分に摂取してください。
冷凍野菜で作ったスープと相性抜群!
今日のご飯は冷凍野菜で作ったスープと…何にしよう?簡単なものにしたいな…。
そんな日に、ジョイントの冷凍お弁当が大活躍!
管理栄養士監修の健康管理食で、電子レンジで温めるだけで手軽に栄養が摂れる点や、メニュー数が豊富な点が魅力。
冷凍野菜を上手に活用して健康に暮らそう
野菜を冷凍する場合の大切なポイントは、調理するときの状況を見越して事前に準備しておくことです。炒めものや煮もの、スープの具材などあらかじめどう使うかを決めておくと準備がしやすくなります。使い勝手のよい冷凍野菜を上手に活用していきましょう。
管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。