食事療法
2022.05.02
栄養成分表示に糖質が書いていない?見方や詳しい計算方法についてチェック!
栄養成分表示の基礎知識
食品を購入する際に、栄養成分表示を確認している人も多いでしょう。栄養成分表示にはカロリーや栄養素の量が記載されていますが、ただ漠然と記載されているのではなくルールが存在するのです。ここでは、栄養成分表示の見方や表示方法について解説します。
栄養成分表示とは
栄養成分表示について、詳しく見ていきましょう。
栄養成分表示の定義
栄養成分表示は、食品のカロリーや栄養素の量を示したものです。平成27年に施行された食品表示法にもとづき、栄養成分の表示が義務付けられました。この栄養成分表示を見ることで、カロリーや栄養素の量が分かるようになっています。
表示義務のある栄養成分と栄養成分表示の役割
表示が必須とされている栄養成分は、以下の5つです。
- 熱量(kcal)
- たんぱく質
- 脂質
- 炭水化物
- ナトリウム(食塩相当量)
これらは人間の体に不可欠な栄養素であるとともに、適切に摂取しなければ健康に関わることもある成分です。そのため、栄養成分表示を活用して食品を選ぶことで、健康づくりに役立つと考えられています。
栄養成分表示の見方
栄養成分表示は、基本的には以下のように記載されています。
- 食品単位(100gあたりなど)
- 熱量(kcal)
- たんぱく質(g)
- 脂質(g)
- 炭水化物(g)
- ナトリウム(mg)もしくは食塩相当量(g)
ナトリウムは食塩相当量として表示しますが、食塩(NaCl)として添加されていない場合は、ナトリウムの量が表示されていることがあります。
また、表示義務のある栄養成分以外にも、任意で表示される項目があります。任意の表示項目に該当する成分は、ビタミンやミネラル類、糖質、食物繊維、飽和脂肪酸などです。任意表示の栄養成分やその記載方法などについても、基準によって定められています。
栄養強調表示とは
「糖質オフ」や「カルシウム強化」のような表示を見かけることがあるでしょう。このように、不足や摂り過ぎが心配な栄養成分について、多く含んだり減らしたりしていることを特定の言葉を使って表現した表示が栄養強調表示です。
栄養素ごとに定められた基準値を満たしていれば、以下のような強調表示が可能です。
- 「高」たんぱく質、食物繊維「豊富」など(多く含まれていることを表す表示)
- 鉄30%「アップ」、ビタミンC「2倍」など(強化されていることを表す表示)
- カロリー「ゼロ」、「ノン」コレステロールなど(含まれていないことを表す表示)
- 「低」カロリー、脂質「控えめ」など(含有量が少ないことを表す表示)
- 糖質「オフ」、カロリー「ハーフ」など(低減させたことを表す表示)
ほかにも、糖類や食塩が加えられていないことを示す「砂糖不使用」や「食塩無添加」などを表示するための基準も定められています。
出典:消費者庁「栄養成分表示及び栄養強調表示とは(食品表示基準)」
糖質の計算方法
栄養成分表示において、炭水化物は必須項目ですが糖質は任意の項目です。そのため、炭水化物は必ず書いてありますが、糖質は書いていないこともあるのです。ここでは、糖質が栄養成分表示に書いていない場合の計算方法について紹介します。
糖質=炭水化物-食物繊維
糖質は炭水化物の一部です。炭水化物は、人間の消化酵素で分解できるものとできないものに大別されます。このうち分解できるものを糖質、できないものが食物繊維と呼ばれています。このことから、糖質の量は「炭水化物ー食物繊維」で計算できるのです。
糖質はエネルギー(カロリー)・たんぱく質・脂質から計算できる
計算方法
栄養成分表示に記載されているエネルギー(カロリー)とたんぱく質、脂質を栄養素1gあたりのカロリーをもとに糖質の量を計算します。
- 炭水化物(糖質):4kcal
- たんぱく質:4kcal
- 脂質:9kcal
計算式は以下の通りです。
糖質(g)={カロリー(kcal)-(たんぱく質量g×4kcal)-(脂質量g×9kcal)}÷4kcal
ここで算出された糖質を炭水化物から引いたものが、食物繊維の量です。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
表示をもとに実際に計算してみよう
以下は、スティックパン1本あたりの栄養成分表示です。これをもとに、糖質量を計算してみましょう。
- エネルギー:105kcal
- たんぱく質:1.8g
- 脂質:4.2g
- 炭水化物:15.0g
- 食塩相当量:0.2g
計算式にあてはめてみると、以下のようになります。
糖質(g)={105kcal-(1.8g×4kcal)-(4.2g×9kcal)}÷4kcal
この式から糖質の量は「15g」と算出できました。この食品は「炭水化物=糖質」となります。
糖質も食物繊維も炭水化物の一部です。そのため、食物繊維が含まれていない、もしくは含まれていても微量の食品は「炭水化物=糖質」と考えても差し支えないといえるでしょう。
計算が合わない場合もある
栄養成分表示に炭水化物や糖質、食物繊維が記載されていても、糖質と食物繊維の合計が炭水化物の量と合致しない場合があります。これは、炭水化物と食物繊維がそれぞれ異なる測定方法で数値を算出しているためです。
炭水化物の量は食品の重さから、たんぱく質や脂質、水分などを引いた数値を採用しています。一方、食物繊維は実際に測定した数値です。このような違いから、糖質と食物繊維の合計が炭水化物とはならない可能性もあることを覚えておきましょう。
栄養成分表示を見るときに気をつけたいこと
栄養成分表示の見方を誤ると、カロリーや糖質を思った以上に摂取してしまう可能性があります。ここでは、栄養成分表示を見る際に注意すべき点について解説します。
成分表示の示す単位を確認する
栄養成分表示を見るときに注意しておきたいのが、食品単位です。表示には「100gあたり」の数値が記載されていても、内容量が200gのことがあるでしょう。「1食あたり」や「1袋あたり」などと記載されていれば分かりやすいのですが、全てがそうとは限りません。栄養成分表示を正しく読み取るためには、食品単位を忘れずに確認しましょう。
「糖質ゼロ」や「カロリーゼロ」表示を過信しない
栄養強調表示では、栄養成分の含有量を「0g」と表示してよいとされる量が定められています。そのため「カロリーゼロ」や「糖質ゼロ」と表示されていても、全く入っていないわけではないのです。
カロリーと糖質の「0」と表示してよい量は、以下の通りです。
カロリーゼロ(100gあたり) | 糖質ゼロ(100gあたり) |
5kcal(飲み物など液状の食品の場合:100mlあたり5kcal) | 0.5g(飲み物など液状の食品の場合:100mlあたり0.5g) |
この量未満の数値であれば「0」と表示できます。例えば、100gあたり3kcalだったとしても「0kcal」と記載されていることになります。実際に含まれている量を栄養成分表示から知ることはできませんが、この数値を踏まえて摂取するようにしましょう。
栄養成分表示に糖質が書いていないときは計算しよう
栄養成分表示には、炭水化物の記載はあっても糖質が書いていないことがあります。糖質の量を知りたい場合は、栄養成分表示に記載されているエネルギー・たんぱく質・脂質の量からも計算できます。しかし、よほど食物繊維が豊富な食品でない限りは、概ね「糖質=炭水化物」と考えてもよいでしょう。
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管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。