タピオカとは？

タピオカとは、キャッサバの塊根を原料として製造されたデンプンのことです。デンプンを水で溶いて熱を加えたのち、回転させながらボール状に加工するとおなじみのタピオカの形になります。「タピオカパール」「スターチボール」とも呼ばれ、乾燥させた状態で流通し、煮戻してからドリンクやデザートなどに使用されます。

タピオカの原料

キャッサバはメキシコとブラジルが原産の植物で、世界中の熱帯で栽培されています。根が肥大し1株に5～10本の塊根が付き、タピオカの原料となるのです。ブラジルでは主食の1つとして食べられています。ただしリナマリンという強い有毒物質が含まれているため、皮と芯を除き、加熱と水洗いで毒抜きをしてから食べる必要があるのです。日本では生の芋の輸入は禁止されています。

タピオカの栄養

タピオカにはどんな栄養が含まれているのでしょうか。ここでは、タピオカパールをゆでた状態での栄養成分量を解説します。

タピオカのカロリーと糖質

タピオカパール（ゆで）のカロリーは100gあたり61kcal、炭水化物は15.4gです。

出典：文部科学省「日本食品成分表2020年版（八訂）」

タピオカの主な栄養素は炭水化物

タピオカにはたんぱく質も脂質もほぼ含まれていないため、タピオカに含まれるエネルギー源は炭水化物のみとなります。

食物繊維が少ない

炭水化物は糖質と食物繊維の総称です。体内で消化されエネルギー源として使われるものを糖質、消化されず整腸作用などの働きを持つものを食物繊維といいます。

タピオカパール（ゆで）に含まれる食物繊維は、100gあたり0.2gです。キャッサバには食物繊維が多く含まれますが、タピオカにはほとんど含まれません。このため、タピオカの炭水化物のほとんどは糖質といえます。

タピオカの栄養

タピオカには炭水化物以外の栄養素はほとんど含まれておらず、栄養面での働きとしてはエネルギー源以外には期待できません。タピオカの栄養を栄養素の種類ごとに見ていきましょう。

たんぱく質、脂質をほとんど含まない

タピオカパール（ゆで）100gに含まれるたんぱく質量は0gで、脂質は微量とされています。

ビタミン、ミネラルが少ない

タピオカにはカリウムやカルシウム、鉄、マンガンなどのミネラルが含まれます。ただし、ごくわずかな量であるため栄養面での期待はできません。ビタミン類はいずれも含まれていません。

ドリンクのカロリーと糖質にも注意

タピオカのカロリーや糖質を気にする場合は、一緒に飲むドリンクのカロリーにも考慮する必要があります。タピオカミルクティーとして飲むことが多いですが、ミルクティーに含まれるミルクや砂糖の量によってカロリーは異なるため注意が必要です。

ダイエット中にタピオカを楽しむときの注意点

糖質が多いタピオカですが、タピオカドリンクはダイエット中に楽しめるのでしょうか。ここでは、ダイエット中にタピオカを楽しむ場合の注意点を解説します。

タピオカは太る？

タピオカパールには糖質が多く含まれていますが、水分も多いためカロリーはさほど高くありません。ただし、専門店ではタピオカパールを煮戻す際に砂糖を使用するため、カロリーが高くなっている場合があるのです。さらに、一緒に飲むドリンクの影響でカロリーはさらに高くなります。特に冷たいミルクティーはカロリーが高いため、油断して飲み過ぎると太る原因になります。

ダイエット中の間食のカロリー

間食のカロリーの目安は、1日200kcalまでといわれています。ダイエット中の場合は、100～150kcalの間に収めるのがよいでしょう。

間食をとり過ぎたら食事を減らせばいい？

間食でカロリーをとり過ぎたからといって、食事の量を減らして調節することはおすすめできません。ダイエット中であっても、食事から必要な栄養素をしっかりとることが大切です。必要な栄養素が体内にあることでカロリーを効率よく燃やせるので、肌や髪の健康も保たれ、美しくダイエットができます。

1日の目安量を守るか、食べ過ぎた次の日は食べないようにするなど、間食の摂取量の範囲内で調整するようにしましょう。

カロリーと糖質を抑えるコツ

タピオカドリンクはカロリーが高いですが、食べる量や飲む頻度、ドリンクの種類に気をつければ、ダイエット中でもタピオカドリンクを楽しめます。

カロリーや糖質を摂り過ぎずに、ダイエット中でもタピオカドリンクを楽しむ方法を6つ紹介します。

タピオカの量を減らす

タピオカ自体のカロリーは高くありませんが、専門店の場合タピオカを煮戻す際に砂糖を使用しカロリーが高くなることがあります。店舗によってはタピオカの量を選べる場合があるので、ダイエット中は少なめにしておくのがおすすめです。

ドリンクの量を減らす

タピオカミルクティーには砂糖やシロップ、ミルクが含まれるため、カロリーが高くなっています。専門店ではタピオカドリンクのサイズを選択できることが多いので、小さめのサイズを選ぶことでカロリーを抑えられます。

糖分やミルクが入っていないドリンクを選ぶ

タピオカといえばミルクティーがおなじみですが、ミルクの入っていないストレートティーを選べる店舗もあります。また、砂糖の量も選べる場合があります。ダイエットを機にミルクティー以外も楽しんでみるのがおすすめです。ミルクや糖分を減らし、カロリーを抑えましょう。

ほかに甘いものを食べない

タピオカドリンクを1杯飲むと、1日の間食のカロリーはそれだけで十分摂取できてしまいます。その分、ほかの間食を控えて調整する必要があります。専門店では、サイドメニューを頼まないように注意しましょう。

よく噛んでゆっくり食べる

タピオカドリンクをすぐに飲み干してしまうと、満足感が得られません。タピオカのモチモチした食感を活かし、よく噛んでゆっくり食べるようにしましょう。よく噛むことで食後のエネルギー消費も上がり、ダイエットにも役立ちます。また時間をかけて飲むことで、食後の血糖値の急激な上昇を抑え、体脂肪の合成も抑制できます。

たまの楽しみに飲む

どうしても甘いタピオカミルクティーが飲みたい場合もあるでしょう。ダイエットには我慢のしすぎも禁物です。ストレスを感じるとコルチゾールが分泌され、食欲を抑制するレプチンの分泌が妨げられるため、食欲が高まってしまいます。さらに、コルチゾールにはエネルギーを体にため込みやすくする働きもあります。ストレスを溜めないよう、頻度を決めてたまの楽しみとして飲むとよいでしょう。

量と頻度に気をつけて適度にタピオカを楽しもう

タピオカはキャッサバから作られたデンプンで、栄養素のほとんどが糖質であることが特徴です。そのもののカロリーは高くありませんが、砂糖で煮戻したりミルクティーと一緒に飲んだりするため、カロリーが高くなります。ダイエット中は量や頻度に気をつけて、適度にタピオカを楽しみましょう。