健康情報
2022.07.07
グルテンフリーって?小麦を含まない食品やメリット、食事の取り方を紹介
- もくじ
グルテンフリーとは
小麦を水で練ると、粘り成分の「グルテン」が生成されます。グルテンフリーとは、グルテンを含む小麦製品の摂取を控えるライフスタイルのことです。小麦製品といえばパンやピザ、麺などが代表的です。グルテンフリーを実践する場合、これらの食品を食べないようにしなければなりません。
グルテンは小麦に必ず含まれる成分
グルテンは小麦に必ず含まれている成分のため、小麦製品を食べる以上避けられません。しかし、最近は「グルテンフリー」と表記された食品が販売されています。この食品であれば、小麦が使用されていません。
本来は自己免疫疾患や小麦アレルギーのための食事療法
本来、グルテンフリーとは食事療法の一種です。小麦アレルギーや自己免疫疾患を患い小麦を摂取できない人のための食事方法で、ダイエットとは無関係でした。しかし、近年になって一部のアスリートやモデルが体を絞るためにグルテンフリーを取り入れたことで、注目されたのです。
グルテンフリーで得られるダイエット効果やメリット
この章では、グルテンフリーがもたらすダイエット効果やメリットについて解説します。
血糖値の急上昇を防ぐ
急激な血糖値の上昇は、肥満の原因の一つです。小麦粉製品全般の摂取を控えることにより、血糖値の上昇を防げます。グルテンフリーをライフスタイルに取り入れれば、肥満が改善される可能性は高いです。
腸内環境を改善する
グルテンは腸内で消化されにくく、長くとどまって消化器に負担をかけます。また、未消化のグルテンが腸内に傷を付ける可能性もあります。便秘や胃腸の不快感に悩んでいる人は、グルテンを断つことで改善されるかもしれません。
食べ過ぎを防ぐ
グルテンには中毒性があるといわれています。グルテンフリーを実践することでパンやパスタを食べたい欲求が減るので、食べ過ぎによる肥満を防げます。
グルテンフリーのデメリット
グルテンフリーを実践するには、以下のデメリットを把握しておく必要があります。
食べていいものが大幅に制限される
グルテンフリーでは、食事のバリエーションが減ることを覚悟しないといけません。パンやパスタはもちろん、天ぷらやフライも食べられなくなります。
人によっては効果が現れないこともある
グルテンフリーで得られる効果には、個人差があります。太る原因がグルテンや小麦製品にない場合、実践しても効果は薄いです。肥満の原因はさまざまなので、グルテンフリーに過度な期待はしてはいけません。
栄養バランスの偏りに注意
グルテンフリーを実践する場合、栄養バランスの偏りに注意しなければなりません。小麦製品を断つと体のエネルギー源である糖質が不足するため、米や大豆などで代用してください。安易に小麦を断つと体の不調の原因になるので、代用食材は必ず用意しておきましょう。
身の回りにある小麦を含む食品・含まない食品
小麦が含まれている食品かどうかを見分けるには、パッケージ裏の成分表やアレルギー表示を見るのが一番手軽です。しかし、惣菜や弁当などは小麦が含まれているかわからない場合もあります。特に見た目では分かりづらい「隠れグルテン」には、注意が必要です。グルテンフリーを実践するときは、身の回りに小麦を使った食品がどれくらいあるのか把握しておきましょう。
小麦を含む食品
グルテンフリーを実践するときは、以下の食品は避けるようにしましょう。
パン・麺・餃子の皮
うどんやそば、パスタ、中華麺などほぼ全ての麺に小麦が含まれています。食パンやクロワッサンなどの種類に関係なく、ほとんどのパンにも小麦を使用しています。また、餃子だけでなく春巻きの皮も小麦でできているため、グルテンフリー中は食べられません。
フライなどの揚げ物
グルテンフリー中は基本的に、衣をつけて揚げるタイプの料理を食べられません。天ぷらやフライは、衣に小麦が使われています。また、市販のからあげ粉やそうざいの唐揚げには、小麦が使われていることが多いです。
お菓子
お菓子の中でも、洋菓子は要注意です。ケーキのスポンジ生地やクッキーなど、ほとんどの洋菓子には小麦が使われています。グルテンフリー中は洋菓子ではなく、せんべいや団子などの原料が米の和菓子を食べるようにしましょう。
加工肉
市販のソーセージやハムなどの加工肉には、小麦が含まれています。肉のつなぎとして小麦が使用されているので、注意が必要です。
一部の調味料
普段の料理でもよく使われる醤油や味噌、ソースの中には、小麦が含まれているものがあります。純粋な調味料なら使われていませんが、だし入りのものや味付きタイプだと小麦が添加されていることが多いです。調味料を選ぶときは、添加物のない純粋な調味料を選ぶのがポイントです。
小麦を含まない食品
米や大豆製品には、小麦が含まれていません。また、最近では米粉パンや大豆粉麺など、小麦を使わない食品も数多くあります。
グルテンフリーの食事方法とコツ
普段の食生活で小麦をカットすると、食べていいものが大幅に制限されます。この章では、グルテンフリーを成功させるコツを紹介します。
小麦を含まない食品を把握する
グルテンフリーを実践する前に、自分が普段食べているものから小麦が使われている食品をピックアップしましょう。ウインナーやハムなど、見た目で小麦が入っているかわからない食品の把握に役立ちます。
分からないときはパッケージ裏の成分表を見よう
最初は、パッケージ裏の成分表やアレルギー表示から情報を得るようにしましょう。小麦を使った食品や調味料は、たくさんあります。見た目ではわからないものもあるため、こまめに確認してください。
日本食メインの献立にする
日本は米中心の食文化なので、グルテンフリーに向いています。洋食や中華は小麦を使った料理がたくさんあるので、グルテンフリー中は日本食中心の献立にしましょう。ただし、ラーメンやたこ焼き、お好み焼きなどのB級グルメには要注意です。
米や大豆が原料のパンや麺もおすすめ
どうしてもパンやラーメンを断つのが難しい場合は、米が原料の米粉パンや春雨、大豆粉麺などで代用する手もあります。近年では米粉や大豆粉を使ったグルテンフリー食品がたくさん販売されており、クオリティも高いです。主食の糖質が気になる人は、こんにゃく麺もおすすめです。
食材の味付けをシンプルにする
料理の味付けを複雑にしようとすると、どこかに小麦入りの調味料が必要になってきます。グルテンフリーを実践する際は、調理法を塩などでシンプルに済ませるのがおすすめです。単調な味に飽きる場合は、スパイスを活用しましょう。
グルテンフリーは無理のない範囲で実践しよう
食べていいものが大幅に制限されるグルテンフリーでは、洋菓子やパン、パスタが食べられなくなります。ただし、小麦アレルギーでもない限りは完全に小麦を断つ必要はありません。調味料まで制限すると食に対するストレスも大きくなるので、無理のない範囲で行いましょう。
管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。