糖質コントロールの仕方とは?ポイントを押さえて効果的なダイエットをしよう - 健康管理食ジョイント

食事療法

2022.05.27

糖質コントロールの仕方とは?ポイントを押さえて効果的なダイエットをしよう

糖質コントロールの仕方とは?ポイントを押さえて効果的なダイエットをしよう
馬塲 耕造
監修

馬塲 耕造

健康やダイエットで有名な糖質コントロールですが、その食事内容や仕方をご存知でしょうか。この記事では、糖質コントロールのやり方からメリット・デメリットまで幅広く解説します。
もくじ

糖質コントロールとは?

糖質コントロールとは、1日の糖質摂取量を130g程度に抑える食事方法のことです。日本人の平均的な糖質摂取量は約300g /日といわれているので、糖質コントロールをする場合は糖質量を半分以下に減らす必要があります。130gの糖質量は、おにぎりに換算すると1日に3〜4個分の量なので、そこまで少なくないです。ここでは、糖質コントロールの効果と、糖質制限との違いについて解説します。

糖質コントロールの効果

糖質コントロールに見込まれる効果は、体脂肪増加の抑制です。糖質は体のエネルギーになる重要な栄養素ですが、摂りすぎると余った糖が中性脂肪として蓄積されます。その理由は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、血中にある糖が脂質に変換され脂肪細胞に運ばれてしまうためです。このメカニズムを逆手にとった食事方法が、糖質コントロールになります。糖質の摂取量を抑えることでインスリンの分泌を最小限に留められ、体脂肪の増加を防げるのです。

糖質制限・ロカボとの違い

「糖質制限」や「ロカボ」は聞き馴染みのある言葉ですが、糖質コントロールとは目的が異なります。糖質制限やロカボはダイエット目的で取り入れられることが大半であり、糖質摂取量やカロリーを厳密に計算するのが特徴です。そのため、糖質コントロールよりも日々の食事管理を厳しく行う必要があるので、人によってはストレスになり得る場合もあります。反対に糖質コントロールは、なるべくストレスをかけずに長期的に健康を目指す食事方法です。

糖質コントロールのメリット・デメリット・注意点

糖質コントロールはメリットが多いですが、デメリットもあります。それぞれを理解し、自分に合うかどうかを確かめましょう。

メリット

糖質コントロールのメリットは、大きく4つあります。順番に解説します。

主食を食べられる

糖質コントロールでは、お米やパン、麺のような主食を食べられます。もちろん量の制限はありますが、糖質制限のように主食をほぼ食べられないといったことはありません。そのため炭水化物が好きな人にとってもストレスが少なく、糖質コントロールを長く続けられるでしょう。

栄養素をバランスよく摂取できる

糖質コントロールでは糖質摂取量を普段より抑えるものの、総合的な摂取カロリーはそこまで気にする必要がありません。どの栄養素もバランスよく摂取できるので、食事のレパートリーが増えます。糖質量さえ守っていれば、多少カロリーの高い肉や魚などとご飯を一緒に食べられるのです。

血糖値の上昇頻度を減らせる

血糖値の上昇はインスリンの分泌を招き脂肪合成を促すので、なるべく上昇頻度を減らすことが重要です。糖質コントロールでは、1日の糖質量を普段よりも抑えられる分、血糖値の上昇頻度が減るため体脂肪の蓄積を予防できます。

糖尿病患者に有効

糖尿病患者の中でもインスリン注射を打っている人は、食事療法として糖質コントロールが有効です。インスリンは血中の糖を体の細胞に運び、血糖値を下げる役割があります。その状況で糖質を極端にカットするような食事をすると、血糖値が急激に低下して低血糖に陥る可能性があるのです。そのため、糖尿病でインスリン注射を打っている人は、適度に糖質を摂取する糖質コントロールが有効な食事方法といえます。

デメリット

糖質コントロールのデメリットは、大きく2つあります。

糖新生が起きやすい

糖新生が起きると、筋肉がエネルギーに利用されてしまうため、筋肉量が減少する可能性があります。糖質コントロールでは、糖質摂取量を制限するため糖新生を誘発しやすいのです。ただ、体脂肪もエネルギーに利用されやすくなるので、メリットの側面もあります。

お腹が空きやすい

私たちの体は血糖値を一定に保つように働きますが、その値が極端に低下すると強い空腹感が発生します。糖質摂取後は一時的に血糖値が上昇し、インスリンによって下降しますが、一度に大量の糖質を摂取すると下降時の振れ幅が大きくなるのです。そうなると、低血糖を招き空腹感が発生します。糖質コントロールをする際は、一度に多くの糖質を摂取せず分けながらにしましょう。

甘いもの(ブドウ糖)は避けるように注意しよう

糖質はお米やパン、麺のような穀類(複合炭水化物)と、お菓子全般、アイスクリーム、清涼飲料水など(単純炭水化物)の2種類に分かれます。複合炭水化物は食物繊維が豊富で、消化吸収が緩やかなので腹持ちがよく、血糖値を上げにくいことが特徴です。一方、単純炭水化物はすでにブドウ糖に分解されたものもあり、消化吸収が早いため腹持ちが悪く、血糖値を急激に上げるので要注意です。双方の特徴を考えると、体にとってよい影響を与えるのは複合炭水化物なので、糖質コントロールをする際は穀類を中心に食事をしましょう。

糖質コントロールでダイエットをするやり方

糖質コントロールは糖質量を厳しく制限する食事方法ではないので、体重や体脂肪の落ち幅が緩やかになります。とはいえ、無理のない食事内容こそがダイエットを成功させるコツです。ぜひ、これから紹介するやり方を実践してみましょう。

1:消費カロリーを知る

消費カロリーの計算方法はさまざまですが、簡単な方法は「体重×25kcal」で計算できます。体重が70kgであれば、1750kcalです。この値よりも低めに摂取カロリーを設定すれば、体重や体脂肪が減少します。そのため、日々の食事内容のカロリーを把握し、消費カロリーを下回るようにしましょう。

2:1日の糖質量を決める

糖質コントロールにおける1日の糖質摂取量は、約70~130gです。この値の範囲内で糖質量を決めるわけですが、日によって変動しても構いません。ただ、この値よりも少なかったり、多かったりすると糖質コントロールの意味がなくなるので、日々の糖質量は範囲内に収めましょう。

3:食品を決める

最後は食品を決めます。おすすめの食品は以下の通りなので、食品選びの参考にしてください。

たんぱく質 脂質 糖質
鶏胸肉 オリーブオイル 玄米
鶏もも肉(皮なし) ごま油 雑穀米
牛豚ヒレ肉 アマニ油 全粒粉パン
白身魚全般 魚油 ライ麦パン

これらを組み合わせてメニューを決め、できる限りたんぱく質は毎食食べましょう。たんぱく質は消化する段階でエネルギーを発生させるため、消費カロリーアップにつながります。脂質は、不飽和脂肪酸といわれる体内に蓄積されにくい油を摂取します。料理をする際には、上記で挙げた油を使用しましょう。

糖質の摂取量を調整してダイエットを成功させよう

糖質コントロールは、誰でも実践しやすい食事方法です。適正に糖質量を調整し継続すれば体脂肪の増加を防ぎ、減少させられます。これを機に糖質量をコントロールして、ダイエットを成功させましょう。

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馬塲 耕造
監修株式会社ジョイント
監修馬塲 耕造

管理栄養士馬塲 耕造

1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。