健康情報
2022.05.06
高たんぱく・低脂質な食材を紹介!効果的に摂取する調理方法や工夫の仕方とは?
- もくじ
高たんぱく質・低脂質な食材を摂取することで得られる効果
健康的で痩せやすい身体を維持するためには、高たんぱく質で低脂質な食材が適しています。まずは、その理由と効果について解説します。
たんぱく質は健康的な身体の維持に必要不可欠
たんぱく質は筋肉や骨をはじめ血液や髪の毛、ホルモンなど、体内のさまざまな臓器を構成する材料になります。また、タンパク質は体内で合成と分解を繰り返し、体のたんぱく質の約3%が毎日新しく作り替えられています。そのため、毎日適量のたんぱく質を食事から摂取する必要があるのです。
身体によい脂質と悪い脂質
脂質の中でもシス型の不飽和脂肪酸は身体によいとされており、食事からの摂取が推奨されています。
身体によい脂肪酸の種類
- オレイン酸(n-3系一価不飽和脂肪酸オメガ9):オリーブオイル、アボカドオイルなど
- リノール酸(n-6系多価不飽和脂肪酸オメガ6):べに花油、コーン油、ごま油、ヒマワリ油など
- αリノレン酸(n-3系多価不飽和脂肪酸オメガ3):エゴマ油、アマニ油など
- EPA・DHA(n-3系多価不飽和脂肪酸オメガ3):青魚など
注意が必要な脂肪酸の種類
- トランス脂肪酸:マーガリン、ショートニングなど
1日に必要なたんぱく質と脂質量
健康的に痩せやすい身体をつくるには、高たんぱく質で低脂質の食材がおすすめです。ここからは、1日に必要なたんぱく質量と脂質量を紹介します。
たんぱく質の必要量
1日に必要なたんぱく質量は、18歳以上の男性は60g、女性は50gが推奨されています。
脂質の必要量
脂質の必要量は、1日の必要エネルギーの20~30%とされています。20代男性の必要エネルギー量約2000kcalから必要な脂質量を計算すると、約45~65gです。20代女性の場合は必要エネルギー量が約1800kcalなので、必要な脂質量は40~60gとなります。
おすすめの高タンパク質・低脂質食材
おすすめの高たんぱく質で低脂質な食材を紹介します。
肉類
肉類の中で高たんぱく質、低脂質でおすすめなのは、以下の食材です。
食材名 | たんぱく質(100gあたり) | 脂質(100gあたり) |
鶏むね肉(皮なし) | 23.3g | 1.9g |
鶏ささみ | 23.9g | 0.8g |
ラム肉ロース(皮下脂肪なし) | 22.3g | 5.2g |
馬肉 | 20.1g | 2.5g |
出典:文部科学省「食品データベース」
牛肉や豚肉の赤身部分も高たんぱく質で低脂質なため、食材を選ぶ際の参考にするといいでしょう。
魚介類
魚介類は全般的に高たんぱく質、低脂質な種類が多いのが特徴です。なかでもおすすめなのは、以下の食材です。
食材名 | たんぱく質(100gあたり) | 脂質(100gあたり) |
かれい | 19.6g | 1.3g |
べにざけ | 22.5g | 4.5g |
まだい | 20.6g | 5.8g |
すけとうだら | 17.4g | 0.1g |
まだら | 17.6g | 0.2g |
かまぼこ
かまぼこの主原料は、タラなどの白身魚です。すり潰した白身魚に卵白などを加えて練り、蒸して作られます。100gあたりのたんぱく質は12.0g、脂質が0.9gと高たんぱく質で低脂質な食材です。
鶏卵
全卵100gあたりのたんぱく質は12.2g、脂質が10.2gです。しかし、卵白のみであれば100gあたりのたんぱく質が10.1g、脂質はTr(微量)です。よって、より高たんぱく質、低脂質な食材として摂取したい場合には、卵白のみを使用するとよいでしょう。
大豆製品
納豆や豆腐などの大豆製品は、高たんぱく質で低脂質な食材です。豆腐は充填豆腐、絹ごし豆腐、木綿豆腐の順に高たんぱく質、低脂質となっています。
おすすめの調理方法
ここでは、ダイエットやトレーニング中におすすめな調理方法について解説します。
蒸す
蒸し料理にすることで食材に含まれている栄養素が流れ出ず、余すことなく摂取できます。また、蒸すことで余分な脂質が落ち、さらにヘルシーになります。
煮る
煮ることにより、水に溶けやすい栄養素が流れ出てしまいます。しかし、煮物の水分量を極力減らすことで、栄養素の流出を最小限に抑えられます。
ひと手間・ひと工夫でワンランク上の調理方法
蒸したり煮たりするだけでは料理がワンパターンになり、高たんぱく質、低脂質の食事は長続きしません。通常の揚げ物は高たんぱく・低脂質の食事に向かないのですが、ひと工夫すれば問題なく食べられます。
パン粉に油を混ぜてオーブン焼き
通常のフライに比べ、カロリーも5分の1程度に抑えられる調理方法です。
- パン粉にニンニクやパセリなどの香味野菜、オリーブ油などの身体によい油を少量混ぜます。
- それを鶏ささみや白身魚などの食材の上に乗せます。
- 180度のオーブンで20分ほど加熱すれば、フライ風の料理ができあがります。
熱風を使用するノンフライ調理家電で揚げ物風
熱風を利用した、ノンフライ調理家電の使用もおすすめです。普段カロリーを気にして揚げ物などを控えている場合でも、気にせず食べられます。
高たんぱく質・低脂質食材を効率よく摂取するには
ダイエットや減量中におすすめな高たんぱく質、低脂質の食材ですが、できる限り1番よい方法で取り入れたいものです。ここでは、これらの食材をより効率よく摂取する方法について解説します。
1日に必要なエネルギー量を把握し、カロリーの摂りすぎに注意する
いくら身体づくりによい食材といえど、摂りすぎは健康に害を及ぼす可能性があります。1日に必要なエネルギー量をきちんと把握し、そのカロリー内に収めましょう。
男性の推定エネルギー必要量(kcal) | |||
生活活動レベル | Ⅰ(低い) | Ⅱ(ふつう) | Ⅲ(高い) |
18~29歳 | 2300 | 2650 | 3050 |
30~49歳 | 2300 | 2700 | 3050 |
50~64歳 | 2200 | 2600 | 2950 |
65~74歳 | 2050 | 2400 | 2750 |
75歳以上 | 1800 | 2100 | ‐ |
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
女性の推定エネルギー必要量(kcal) | |||
生活活動レベル | Ⅰ(低い) | Ⅱ(ふつう) | Ⅲ(高い) |
18~29歳 | 1700 | 2000 | 2300 |
30~49歳 | 1750 | 2050 | 2350 |
50~64歳 | 1650 | 1950 | 2250 |
65~74歳 | 1550 | 1850 | 2100 |
75歳以上 | 1400 | 1650 | ‐ |
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
妊婦は全ての活動レベルにおいて、初期50kcal、中期250kcal、後期450kcalの付加量が追加されます。また、授乳婦は全ての活動レベルにおいて、350kcalの付加量が追加されます。
食材の偏りを避け、バランスよく摂取する
同じ食材ばかりを毎日摂り続けると栄養に偏りが出てしまい、ビタミン不足やミネラル不足につながります。高タンパク質、低脂質の食材は数多くあるので、複数の食材を組み合わせてバランスよく摂取することが大切です。
ビタミンB群を豊富に含む食材と組み合わせて摂取する
ビタミンB群は、糖質・脂質・たんぱく質といった三大栄養素の代謝をサポートする働きがあります。ビタミンB群を含む食材を組み合わせて摂取することで、効率よくエネルギー産生できるでしょう。
食事で不足する栄養素はサプリメントも使って上手に取り入れよう
複数の高たんぱく質、低脂質の食材を組み合わせて、食事から栄養素を摂取するのが理想的です。しかし、たんぱく質は毎日少しずつ入れ替わるため、ビタミンやミネラルが不足する場合もあります。不足しているビタミン、ミネラルを食事から摂取するのが難しい場合は、サプリメントを取り入れるなどの工夫をしましょう。
高たんぱく質・低脂質食材を上手に取り入れながら、健康的に痩せやすい身体を手に入れよう!
高たんぱく質で低脂質の食材は、健康的な身体づくりを支える大切な食材です。 しかし、同じ食材ばかりを摂り続けると栄養に偏りが出てしまうため、複数の食材を上手に組み合わせる必要があります。これらの代謝をサポートするビタミンの不足にも気を付けながら、積極的に食事に取り入れてみましょう。
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管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。