食事療法
2022.04.26
意外と知らない醤油の種類を大特集。特徴を知って料理に合わせた使い方をマスターしよう!
醤油の種類と特徴
一口に醤油といっても、その種類は全部で5種類あります。これは、JAS規格(日本農林規格)という食品の品質保証の規格に基づいて決められているのです。それぞれの醤油は味や風味に特徴があり、製造工程も異なります。醤油の種類は都道府県によって違いが表れやすく、その地域の食文化に左右されやすいといえるでしょう。ここでは、5種類の醤油について詳しく解説します。
溜まり醤油
醤油の中でも熟成期間が長いことが特徴で、とろみや風味が強く色がとても濃いです。また、原料のほとんどが大豆のため、うま味成分がぎっしりと詰まっています。その証拠として、溜まり醤油の栄養成分はたんぱく質の含有量が醤油の中で最も多いです。岐阜や富山といった中部地方を中心に生産されており、加熱すると赤みを帯びることから、肉の照り焼きなど素材に色味をつけたい場合にピッタリの醤油になります。溜まり醤油(大さじ1)の栄養成分は以下のとおりです。
エネルギー | 20kcal |
たんぱく質 | 2.12g |
脂質 | 0g |
糖質 | 2.86g |
食塩相当量 | 2.34g |
出典:カロリーSlism「たまり醤油」
再仕込み醤油
麹を醤油で仕込んでつくられます。ほかの醤油よりも使う原料が多かったり、製造までの期間が長かったりしますが、独特の味わいや風味によって万人受けする醤油として人気です。九州地方を中心に生産されており、刺身や冷奴などのかけ醤油として親しまれています。再仕込み醤油(大さじ1)の栄養成分は以下のとおりです。
エネルギー | 18kcal |
たんぱく質 | 1.73g |
脂質 | 0g |
糖質 | 2.86g |
食塩相当量 | 2.23g |
出典:カロリーSlism「再仕込み醤油」
濃口醤油
最も多く流通している醤油であり、日本全国の出荷量のおおよそ8割を占めています。関東のほとんどでは濃口醤油が使われており、5種類の醤油の中でもバランスのよい味わいが特徴です。基本的にどの料理にも使用できるので、まさに万能調味料にふさわしい醤油といえるでしょう。濃口醤油(大さじ1)の栄養成分は以下のとおりです。
エネルギー | 13kcal |
たんぱく質 | 1.39g |
脂質 | 0g |
糖質 | 1.82g |
食塩相当量 | 2.61g |
出典:カロリーSlism「醤油」
甘口醤油も存在する?
甘口醤油をご存知でしょうか。甘味のついている醤油で、九州地方を中心に使われています。JAS規格では醤油の種類は5種類と定められているので、一般的に甘口醤油は存在しません。一部の地域の醤油職人が独自に名づけたといわれており、卵かけご飯や餅、焼きおにぎりと相性がよい醤油です。ステビアやサッカリンといわれる甘味料や砂糖を使用しており、海岸側の地域ほど甘味の強い醤油を好む傾向にあります。
淡口醤油
淡口(うすくち)醤油とは、関西地方を中心に使われている醤油になります。醤油の名前は「うすくち」ですが、実際は栄養成分のとおり醤油の中で最も塩分量が多く、しょっぱいことが特徴です。醤油自体の色が薄いため、料理の色味や香りを引き立てます。淡口醤油(大さじ1)の栄養成分は以下のとおりです。
エネルギー | 10kcal |
たんぱく質 | 1.03g |
脂質 | 0g |
糖質 | 1.4g |
食塩相当量 | 2.88g |
出典:カロリーSlism「薄口醤油」
白醤油
醤油の中でも熟成期間が短く、色が薄いことが特徴です。うま味も少ないので、茶碗蒸しやだし巻き卵などの素材を活かしたい料理に活用できます。溜まり醤油とは特徴が真逆の醤油であり、原料は大豆よりも小麦を多く使用しています。そのため、ほとんど大豆のうま味成分はなく、濃厚というよりはさっぱりとした味わいです。白醤油(大さじ1)の栄養成分は以下のとおりです。
エネルギー | 16kcal |
たんぱく質 | 0.45g |
脂質 | 0g |
糖質 | 3.46g |
食塩相当量 | 2.56g |
出典:カロリーSlism「白醤油」
そもそも醤油はどうやってつくられる?
普段から馴染みのある醤油ですが、原料や製造工程を知っている人は少ないのではないでしょうか。ここからは、醤油が製品としてできあがるまでの流れを紹介します。
大豆と小麦の下準備
醤油をつくる最初の段階は大豆を茹で、小麦を炒る作業です。大豆は鍋で水に浸してから強火で煮込み、湯気が確認できたら弱火にして3時間ほど茹でます。茹で上がったら大豆の硬さを確認し、指で潰せる程度であれば、ちょうどよい茹で加減です。小麦は、油をひいていないフライパンで炒ります。ある程度炒ると、ポップコーンのように若干膨らむので、そのタイミングで炒るのを終了します。
小麦と大豆を混ぜ合わせる
炒った小麦を一旦冷ましてから粉状に粉砕し、その中に麹を混ぜ合わせます。小麦を冷ます理由は、麹菌が熱によって死滅してしまうためです。この作業が終わったら、茹でた大豆に小麦・麹の粉末を振りかけ、全体的によく混ぜ合わせます。
麹菌を繁殖させる
小麦・大豆・麹を混ぜ合わせたら、麹蓋とよばれる浅い箱に移し替え、湿度と温度が一定に保たれた麹室に保管し、40時間以上かけて麹菌を繁殖させます。麹菌が繁殖しているかどうかの見極めは、大豆の色が緑色に変色したタイミングです。
塩水に入れて熟成させる
最後は麹菌の増殖した大豆と小麦を、あらかじめ用意しておいた塩水に入れ込みます。塩水はさらなるうま味を引き出し、防腐作用を果たすことが特徴です。塩水に入れた小麦や大豆は定期的に混ぜ合わせ、長期間かけて発酵させます。発酵させた諸味を麻袋に移し替え、圧縮機で搾りとれば醤油の完成です。
料理に合わせた醤油の使い方
醤油はそれぞれ味や風味が違うため、料理との相性も醤油の種類によって異なります。料理によって醤油の使い方を変えるだけでも、毎日の食事のレパートリーが増えるのです。ここからは、料理に合った醤油の使い方について解説します。
醤油の香り・味を活かしたい
肉やせんべい、佃煮といった素材に味がない場合は、溜まり醤油がおすすめです。溜まり醤油は、醤油自体に濃厚なうま味や香りがあるため、素材に味や色味をつけることに適しています。
食材の味を引き立てたい
刺身や寿司のような食材の味がメインの料理には、再仕込み醤油がおすすめです。再仕込み醤油は溜まり醤油に近い濃厚な味や色味があり、食材の味を引き立てます。
どの料理にも使いたい
どの料理にも使える万能な醤油といえば、濃口醤油です。5種類の醤油のいいとこ取りをした濃口醤油は、塩味・甘味・うま味・苦味を全て持ち合わせており、どの料理にも対応できます。
出汁(だし)の味を活かしたい
吸い物やスープ、煮物のような出汁の味が活きる料理には、淡口醤油がおすすめです。淡口醤油は熟成期間が短いため醤油本来の濃厚な味わいは楽しめませんが、出汁のような味が繊細な料理には向いています。しかし、塩分量は醤油の中でも高いため、使いすぎには注意が必要です。
食材の彩りを活かしたい
白醤油は、食材の彩りを活かしたい場合に有効です。淡口醤油よりもさらに薄い色をしているため、茶碗蒸しや吸い物のような食材の彩りがメインの料理に使えます。
万能調味料の醤油を活用して料理を楽しもう
醤油と一口にいっても、その種類はさまざまであり、風味や味わいが全く異なります。醤油は普段の料理で使うことの多い調味料だからこそ、いつもとは違う種類の醤油を使ってみると、味が一変するでしょう。それは、毎日の食事のバリエーションを増やすことにつながり、飽きのこない食生活をするうえで非常に重要です。いろいろな醤油を試して、料理を楽しみましょう。
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管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。