健康情報
2022.03.30
豆乳の効能・効果って?栄養素や飲むメリットを知って美容や健康に役立てよう!
- もくじ
豆乳とは?豆乳の基本
大豆から熱水等によりたんぱく質やそのほかの成分を溶出させ、繊維質を除去して作られた乳状の飲料のことで、大豆固形成分が8%以上のものを豆乳と呼びます。
出典:日本豆乳協会
大豆から豆乳ができるまで
水に漬けて戻した大豆に、水を加えながら細かくすりつぶして生呉(なまご)を作ります。その生呉を鍋で煮詰め、漉した液を豆乳といいます。
豆乳の種類と栄養素
豆乳は、以下の3種類に分けられます。この分類は日本農林規格(JAS規格)で区分し、製造された制製品から水分を取り除いた大豆固形分の量で決定されています。
無調整豆乳
豆乳のうち大豆固形分が8%以上で、大豆たんぱく質が3.8%以上のものになります。無調整豆乳は独特の青臭さがあるため、少量のはちみつなどを入れると飲みやすいです。
調整豆乳
大豆固形分が6%以上で、大豆たんぱく質が3.0%以上のものになります。砂糖や塩、香料などを加えて飲みやすくした豆乳です。
豆乳飲料
調整豆乳に、果汁や香料などを加えた飲料です。果汁入りと、その他に分けられます。
- 果汁入り:大豆固形分2%以上、大豆たんぱく質0.9%以上
- その他:大豆固形分4%以上、大豆たんぱく質1.8%以上
豆乳の選び方
ダイエットには、高たんぱく質、低エネルギーの無調整豆乳がおすすめです。トレーニング後などで糖質とたんぱく質を効率よく摂取したい場合は、調整豆乳や豆乳飲料がおすすめです。無調整豆乳に比べて、カロリーは調整豆乳が約1.5倍、豆乳飲料が約1.1倍高くなります。糖質も無調整豆乳に比べて調整豆乳が約2倍、豆乳飲料が約4倍高くなるため、目的によって種類を使い分けるとよいでしょう。
豆乳に含まれる栄養成分
豆乳には、美容や健康にうれしい栄養成分が豊富に含まれています。
大豆たんぱく質
豆乳の中でも、特に注目すべき栄養素です。健康的に痩せやすい身体づくりには、一定量のたんぱく質が必要となります。豆乳の原料である大豆には、植物性のたんぱく質が30%以上も含まれています。さらに、そのほとんどが水に溶けやすい水溶性のたんぱく質であるため、多くのたんぱく質が豆乳に残っています。豆乳は効率よく良質なたんぱく質が摂取できるため、痩せやすい身体を作るのに効果的です。
大豆イソフラボン
大豆の胚芽に含まれている、ポリフェノールの一種です。大豆イソフラボンは、体内にエストロゲンが不足すれば補い、逆に過剰な場合には減少させる効果があります。この働きにより、乳がん予防や骨粗しょう症の予防に効果が期待できるといわれています。
サポニン
この栄養素には、以下のような働きがあります。
- 便を柔らかくして排便を促す効果
- 小腸での脂肪吸収を抑制する効果
- 血液中の余分なコレステロールや中性脂肪などの脂質を除去する
さらに抗酸化作用があるため、老化の原因となる活性酸素を除去して動脈硬化を予防する効果も期待できます。
レシチン
悪玉(LDL)コレステロールや血中コレステロールを減少させる働きがあります。また、コレステロールを乳化させて肝臓へ運び、体外へ排泄させる働きもあります。これらの働きにより、動脈硬化を予防する効果や血管を強く補強して高血圧を予防する効果が期待できるでしょう。さらには脳を活性化させる神経物質を生成するため、認知症予防の効果も期待されています。
豆乳と牛乳の違いは?それぞれのメリットとデメリット
牛乳の代わりに豆乳を使用する人も多いですが、どのような違いがあるのでしょうか。豆乳と牛乳に含まれている栄養素を表で比較し、それぞれのメリットとデメリットについて解説します。
100gあたり | 無調整豆乳 | 調整豆乳 | 豆乳飲料 | 牛乳 |
エネルギー(kcal) | 44 | 63 | 59 | 61 |
たんぱく質(g) | 3.6 | 3.2 | 2.2 | 3.3 |
脂質(g) | 2.0 | 3.6 | 2.2 | 3.8 |
糖質(g) | 3.1 | 4.8 | 7.8 | 4.8 |
コレステロール(mg) | 0 | 0 | 0 | 12 |
カルシウム(mg) | 15 | 31 | 20 | 110 |
鉄(mg) | 1.2 | 1.2 | 0.3 | 0.02 |
出典:豆乳と牛乳の栄養価 (日本食品標準成分表2020年版8訂)
豆乳のメリットとデメリット
豆乳と牛乳に含まれる栄養素には、それぞれ異なる特徴があります。まず、豆乳のメリットとデメリットについて解説します。
メリット1|消化吸収が緩やか
牛乳に含まれている動物性たんぱく質に比べて、大豆たんぱく質は体内での消化吸収が緩やかです。満腹感を得やすく腹持ちがよいため、ダイエットには効果的です。
メリット2|腸内環境を整え、便秘を改善
豆乳に含まれているオリゴ糖がビフィズス菌や乳酸菌のエサとなり、善玉菌を増殖させることで腸内環境を整える働きがあります。さらにマグネシウムの働きにより便を柔らかくして排便を促す効果があるため、便秘を解消する効果も期待できます。
デメリット1|ホルモンバランスが乱れる
イソフラボンは女性ホルモンに似た効果を発揮しますが、本物のエストロゲンの1/400程度といわれています。閉経前の人が豆乳を摂りすぎてしまうと、本来のエストロゲンの働きが抑制されてしまいます。その結果、生理不順や月経過多などホルモンバランスが乱れてしまう心配があるのです。
デメリット2|下痢を引き起こす
便秘改善効果が期待できる豆乳ですが、摂りすぎてしまうとマグネシウムの過剰摂取になり、下痢を引き起こす可能性があります。
牛乳のメリットとデメリット
次に、牛乳のメリットとデメリットについて解説します。
メリット1|カルシウムが豊富
カルシウムは丈夫な歯や骨を作るだけでなく、筋肉の収縮や心筋を正常に動かす働きがあります。無調整豆乳のカルシウムが100gあたり15mgに対し、牛乳には110mgと約7.3倍も多く含まれています。牛乳をコップ1杯(200ml)飲むだけで、成人女性の1日に必要な650mgの1/3を摂取できるでしょう。
メリット2|良質なたんぱく質
動物性たんぱく質には、必須アミノ酸が豊富に含まれています。必須アミノ酸は私たちの体内で生合成できないので、食事から摂取する必要があるのです。牛乳に含まれるカゼインやホエイプロテインは必須アミノ酸を豊富に含んでいるため、良質なたんぱく質といえるでしょう。また、カゼインはたんぱく質分解酵素による消化分解が高いため、効率よくたんぱく質を摂取できます。
デメリット1|日本人には乳糖不耐症が多い
日本人の約7割以上が、乳糖不耐症といわれています。乳糖不耐症とは、乳製品に含まれている乳糖分解酵素を生まれつき持っていなかったり、その働きが弱まったりする病気です。乳糖が消化吸収されず、下痢などの症状を伴います。
豆乳は牛乳に比べてカロリーが低い?
100gあたりのエネルギー量は無調整豆乳が44kcalに対し、牛乳は61kcalです。豆乳の方がカロリーが低いため、よりダイエットに効果的でしょう。
豆乳は牛乳に比べて脂肪分が低いって本当?
100gあたりの脂質量は牛乳が3.8gに対し、豆乳は2.0gです。また、コレステロール量も牛乳が12mgに対し、豆乳は0mgとより低い値です。
豆乳を摂取すると得られる効果・効能
豆乳は、ダイエット以外にも美容や健康にうれしい効果が期待できます。ここでは、豆乳を摂取することで得られる効果について解説します。
美肌効果
豆乳に含まれるイソフラボンには、肌のターンオーバーのサイクルを整え、ハリのある肌に導く効果があります。また、サポニンには体内の活性酸素を除去し、肌の老化を予防する働きがあるため、美肌効果が期待できます。
貧血を予防する
豆乳は、100gあたり1.2mgの鉄分を含んでいます。この量は成人女性の1日に摂取する推奨量である、10.5mg~11.0mgの1/9程度しか満たしません。豆乳のみで1日の推奨量は補えませんが、食生活のバランスも意識することで効果的に鉄分を摂取できるでしょう。
ホルモンバランスを整える
大豆イソフラボンには、ホルモンのバランスを整える効果があります。個人差はありますが、月経痛や月経前症候群(PMS)が軽くなったり、生理周期のバランスを整えたりする効果が期待できます。
豆乳を摂取するおすすめのタイミングと摂取量
美容や健康に効果的な働きをする豆乳ですが、摂取するおすすめのタイミングや摂取量はあるのでしょうか。ここでは、摂取のタイミングによる効果の違いについて解説します。
豆乳を摂取するタイミング
ダイエットや減量中は、無調整豆乳を食事の前に摂取することをおすすめします。食前に摂取することで満腹感を得られるため、食べすぎを防ぐ効果が期待できます。またトレーニング後などに調整豆乳や豆乳飲料を摂取することで、良質なたんぱく質と糖質を一緒に補えます。目的別に、摂取する豆乳の種類とタイミングを変えるとよいでしょう。
1日に摂取してもよい豆乳の摂取量
低カロリーで高たんぱく質なためダイエットに効果的な豆乳ですが、摂りすぎると肥満の原因になるでしょう。厚生労働省によると、日本人の慢性的なカルシウム不足の観点から、大豆及び大豆製品の積極的摂取を推奨しています。しかし、摂りすぎることで健康リスクもあるため、一日あたり200mlを上限に摂取するのがおすすめです。
栄養豊富な豆乳を摂取して、美容や健康に役立てよう!
豆乳は低カロリーで高たんぱく質なため、ダイエットに効果的な飲み物といえます。また、良質なたんぱく質やカルシウムだけでなく、美容や健康にも効果的な働きをしてくれる栄養素を多く含んでいます。一日の摂取量を守りバランスの取れた食事を意識しながら、サポート的な飲料として取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、ジョイントでは糖質制限食の商品をご用意しております。美容や健康、ダイエットにも効果的な商品ですので、一度お試し下さい。
管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。