腸閉塞の術後の食事レシピ5選!避けるべき食材や食事の注意点までまるっと解説 - 健康管理食ジョイント

食事療法

2022.03.30

腸閉塞の術後の食事レシピ5選!避けるべき食材や食事の注意点までまるっと解説

腸閉塞の術後の食事レシピ5選!避けるべき食材や食事の注意点までまるっと解説
馬塲 耕造
監修

馬塲 耕造

腸閉塞の術後は厳しい食事制限はありませんが、避けたほうがよい食材があります。この記事では腸閉塞の術後の食事と、避けるべき食材について詳しくお伝えします。
もくじ

腸閉塞とは?

腸の中で食べたものや消化液などの流れが止まってしまう状態を「腸閉塞」といいます。腹部手術後の癒着や胆石、腫瘍などで腸管が塞がれてしまうことで起こるのです。また、何らかの原因で腸がねじれて腸閉塞になる場合もあります。

腸の状態

腸閉塞を起こした腸は消化途中の食べ物がつまるだけでなく、消化液も吸収されずに溜まっていきます。その結果、腸が拡張して腸管が緩んでしまうのです。また、腸管内部の閉塞や腸管運動障害(腸が麻痺する)で腸閉塞を起こす場合もあり、その状態をイレウスと呼びます。腸閉塞を起こした腸は動きが悪くなっているので、食事には気をつけましょう。

腸閉塞の予防のために取り入れたいこと

腹部手術後の腸の癒着が、腸閉塞の最も多い原因です。ほかにも、腸重積や鼠径ヘルニア長軸年転生などが挙げられます。また、腸管が麻痺して起こる麻痺性腸閉塞もあります。 腸閉塞の予防や再発防止のためには、腸の健康を保つことが一番です。腸閉塞の予防のために腸内環境を整える方法を見ていきましょう。

腸内環境を整える

腸内環境を整えることは、生活習慣病の予防や免疫力を整えることにも繋がります。食事や適度な運動、睡眠の改善が基本です。

食事

消化の良いものを選び、不溶性食物繊維の多い食品は避けましょう。食事はよく噛んで食べることで消化が促されて、腸に負担をかけません。また、腸閉塞の予防には一度にたくさん食べずに、何回かに分けて食べるとよいでしょう。腸に負担をかけずに、栄養のバランスが取れるレシピにすることも大切です。

適度な運動

便秘も腸閉塞の原因の1つです。また、腸閉塞の術後は腸の動きが不活発になってしまいます。適度な運動を取り入れて腸の動きを活発にし、便秘を解消しましょう。

腸閉塞の食事の注意点

腸閉塞の術後に厳しい食事制限はありませんが、予防のためにはいくつかの注意点があります。腸閉塞の食事の注意点を詳しくお伝えします。

取り入れたい食品

腸閉塞の予防のために、毎日の食事に取り入れたい食品をお伝えします。

消化の良い食品

腸閉塞の術後は、腸の動きが弱くなっています。腸に負担をかけないためにも、脂質や食物繊維の少ない消化の良い食品を取り入れましょう。

消化の良い食品
主食(炭水化物) お粥
パン パン粥
麺類 煮込みうどん
主菜(たんぱく質) 鶏ひき肉
ささみ
白身魚
半熟卵
乳製品 ヨーグルト
大豆製品 豆腐
豆乳
副菜(ビタミン・ミネラル) 野菜(柔らかく煮る) かぶ
かぼちゃ
ほうれん草
大根
人参
果物 りんご
もも
バナナ

ヨーグルトなどのお腹の環境を整える食品

乳酸菌飲料やヨーグルトなどは、食べやすくてお腹の調子を整える作用があります。腸閉塞の術後には、食後のデザートやおやつなどで積極的に摂りたい食品です。ほかにも、味噌や甘酒、柔らかいチーズなどの消化の良い発酵食品を、毎日の食事のレシピに取り入れましょう。

避けるべき食品

腸閉塞の術後は腸の働きが鈍っています。そのため、食物繊維の多いものや消化の悪いものは、処理し切れずに腸に負担をかける場合があります。ここでは腸閉塞の術後の食事で避けたほうが良い食品を、詳しく見ていきましょう。

不溶性食物繊維の多い野菜

ごぼうやセロリ、山菜、キノコ類などの不溶性食物繊維の多い野菜は消化されにくいです。水分を含んで膨らむので便秘には効果的ですが、水分を吸って便を固くする可能性があります。腸閉塞の術後の食事では控えたほうが良い食品です。

海藻類

水溶性食物繊維、不溶性食物繊維ともに多く含まれています。消化に悪いので、術後の食事にはおすすめしません。

雑穀米や玄米

体に良いとされている雑穀米や玄米は、食物繊維の多い食品です。腸閉塞の術後は避け、主食は白米のお粥やパン粥にしましょう。

麺類

蕎麦は食物繊維が多く、ラーメンは脂質が多いので消化しにくい食品です。腸閉塞の術後の食事では、麺類はなるべく避けましょう。麺類を食べるときは、いつも以上によく噛むことを意識してください。柔らかく煮たうどんがおすすめです。

豆類

豆の皮には食物繊維が多く含まれています。豆を食べるときは皮を取り除いて、柔らかくなるよう調理しましょう。

ナッツ類やごま

加熱しても柔らかくならないナッツ類やごまは、腸閉塞の術後は控えましょう。

刺激のあるもの

辛いものやスパイスをきかせた料理は、刺激が強くて消化の負担になります。ガスが発生しやすくなり、腸にも負担をかけてしまいます。腸閉塞の術後は、刺激の少ない腸に優しいレシピにしましょう。

脂の多いもの

クリームやバター、脂身の多い肉、油をたくさん使う料理は消化に時間がかかります。消化の悪い食べ物を多く摂ると、腸が詰まりやすくなるので注意が必要です。脂の多い食品を使わないことが大切ですが、摂るときは量に注意しましょう。

アルコール飲料

アルコールはすべての消化管に対して刺激を与えます。食前酒は胃の働きを活発にして消化を助けますが、量と濃度が適正でなければ負の影響のほうが大きいです。腸閉塞の退院後は、アルコールは極力控えましょう。

食事の食べ方

食事の食べ方で腸への負担を減らせます。腸閉塞の術後は、食事の食べ方にも気をつけましょう。

よく噛んでゆっくり食べる

食事はよく噛んでゆっくり食べることで消化が促進されて、腸への負担も少なくなります。食物繊維の多い野菜や海藻類、硬いナッツ類もよく噛めば食べてもよいです。ただし、退院直後の食事では避けましょう。

分けて食べる

腸閉塞で弱った腸に、一度にたくさんの食べ物が入ると負担が多くなります。腸閉塞の術後の食事は1食を数回に分けて食べるとよいです。

食事のメニューのポイント

腸閉塞の術後は食事で栄養を摂ることも大切です。食事の注意点を守りながら美味しく食べられるメニューのポイントとレシピを紹介します。

メニューのポイント

消化が良い食材を選ぶことや、柔らかく食べやすい調理法にすることがメニューのポイントです。煮る、茹でる、蒸すといった調理法のレシピを選ぶとよいでしょう。揚げたり焼いたりする場合は、柔らかく仕上がる食材を選んでください。

おすすめレシピ5

お腹に優しい食事のおすすめレシピです。柔らかく腸に負担の少ないレシピですが、腸閉塞の術後の食事ではよく噛むことを忘れないでください。

ポトフ

ブロック肉と野菜を1つの鍋で柔らかく煮込む、フランス料理のレシピです。味付けには塩と香辛料を使います。腸閉塞の術後の食事としては、豚の赤み肉や鳥の胸肉など脂身の少ない肉を使い、野菜は食物繊維の少ない野菜にしましょう。刺激のある香辛料は控えてください。

白身魚の野菜甘酢あんかけ

たらやタイなどの白身魚を蒸して、野菜の甘酢あんをかけたレシピです。白身魚は消化に良く、腸に負担をかけません。蒸すことでさらに柔らかく仕上がります。甘酢で野菜を柔らかく煮てとろみをつければ、栄養バランスの良いお腹に優しいレシピになります。野菜は、食物繊維の少ないものを細かく切って使いましょう。

煮込みうどん

野菜や肉と一緒にうどんを麺つゆで柔らかく煮るレシピです。ほうとうのように皮をむいたかぼちゃを柔らかく煮て、味噌味にしてもよいでしょう。

豆腐の中華卵とじ煮

食べやすく切った豆腐を中華風の味付けで煮て、卵でとじるレシピです。豆腐は消化が良く、たんぱく質が豊富なので術後の食事にぴったりのレシピです。卵でとじることでさらにたんぱく質が摂れます。卵はふわっと半熟状態に仕上げることで消化に良い1品になります。

トマト粥

コンソメ味でカットしたトマトを一緒に煮込んだ、お粥のレシピです。仕上げにパルメザンチーズやピザ用チーズを加えると、トマトリゾットのようになります。食事の味に変化をつけたいときにおすすめのレシピです。

美味しいやわらか宅配弁当

腸に負担をかけない食材を選ぶことや、調理法やレシピを考えて作ることは、手間と負担が大きくなります。そのようなときは、やわらか食の宅配弁当を利用すると便利です。

ジョイントのやわらか宅配弁当

宅配弁当を選ぶときは、全国配送の業者をおすすめします。住んでいる地域を気にする必要がなく、冷凍で届くので保存期間も長くて便利です。

健康管理食ジョイントのやわらか食宅配弁当

ジョイントが提供する健康管理食の宅配弁当は、管理栄養士が監修した栄養バランスが良く、美味しいと評判の宅配弁当です。健康管理食でありながらボリュームもあり、季節の食材や彩りも考えて作られています。食事のレシピが豊富なので、飽きずに続けられます。腸閉塞の術後の食事を負担なく楽しむために、利用してみてはいかがでしょうか?

腸閉塞の術後の食事はポイントを押さえて工夫しよう

一度腸閉塞を起こすと再発の不安で食事を楽しめない人がいますが、健康のためにも食事は不安なく楽しみたいものです。腸閉塞の術後の食事は食品選びや調理、食べ方のポイントを押さえれば安心して楽しめます。工夫と美味しいレシピで、腸閉塞の術後の食事を楽しみましょう。

馬塲 耕造
監修株式会社ジョイント
監修馬塲 耕造

管理栄養士馬塲 耕造

1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。