食事療法
2022.03.09
知って得する減塩のコツ6選。調味料や食事方法を工夫して上手に塩分コントロール!
減塩とは
外食や便利な加工品の利用が増える中で、塩分の摂取量が増加していることが問題視されています。では、なぜ減塩する必要があるのか、摂りすぎてしまうと健康にどのような影響があるのかについて解説します。
1日分の塩分摂取量の目安
塩分は生きていくうえで必要不可欠な栄養素のため、不足しないように再吸収できる仕組みが体に備わっています。食事から摂取する必要量は1.5gといわれており、生活習慣病の予防のためには6g以内にすることが望ましいとされています。これを上回る場合は減塩をした方がいいといえます。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020」
日本人の塩分摂取量の平均
令和元年の国民健康栄養調査によると(令和2、3年はコロナのため中止)、日本人の平均の塩分摂取量は10.1gとなっています。生活習慣病の予防の観点から見た6.5gと比べるとかなり多いため、減塩が必要だといえます。
出典:厚生労働省「国民健康栄養調査」
塩分を摂りすぎると
塩分は、体液や血液の濃度を保つ役割を持ちます。塩分を摂りすぎると、濃くなった液体を薄めるために水分が増えることによる高血圧や、排出の機能を担う腎臓に負担がかかることによる腎機能障害などを引き起こします。また、塩分の摂りすぎは胃がんの原因にもなるといわれており、多くの生活習慣病を予防するためにもポイントを押さえた減塩が必要です。
減塩のコツ|食材の選び方編
減塩にはいくつかコツがありますが、一番大切なコツは食材にどのくらいの塩分が含まれているのかを知り、適切なものを選ぶことです。減塩をする中で無意識に塩分を摂ってしまうことが1番の問題となるので、まずは意識することから始めましょう。
コツ1|工食品に注意する
減塩を意識し始めるにあたり、注意すべきなのは加工食品です。最近では食品の裏側に必ず食品の栄養成分表示が掲載されているので、まずはそれをチェックする癖をつけましょう。
塩分の多い加工食品
麺類は1食だけで塩分が5〜6g含まれているものがあります。それだけで1日分の塩分摂取量を超えてしまうこともあるので注意が必要です。減塩を意識している場合は汁を飲みきらないようにしましょう。また、コンビニなどのホットスナックも、多いもので3g近く含まれるものがあります。ホットスナックは表示がないので、各社ホームページで確認するのがいいでしょう。
コツ2|旬の食材を利用する
減塩する際には素材の選び方も重要になります。旬の食材は素材そのものの味がしっかりしているので、余分な味付けをしなくてもおいしく食べられます。季節を意識した食材を選び、できるだけシンプルにその食材の味を楽しむことで減塩につながります。
コツ3|カリウムを積極的に摂取する
減塩の際には、カリウムを摂取することもコツになります。カリウムは余分な塩分を排出させる働きがあるので、積極的に摂取することで体内から塩分を減らすことにつながります。塩分を減らすことだけに意識が向きがちですが、カリウムの量を増やすことで効率的に体内の塩分を排泄できます。
カリウムの多い野菜
葉野菜、芋類、豆類、きのこ類、海藻類、果物に多くカリウムが含まれます。中でも葉野菜であるキャベツやレタス、ほうれん草に多く含まれるので、積極的に取り入れるとよいでしょう。ただし、カリウムは水に溶けやすい性質があるので、汁物や水にさらしすぎないサラダなどで取り入れるのがコツです。
減塩のコツ|調理編
減塩に意識が向くと調理をする際に単純に塩の量を減らすだけになり、食事全体が味気ないものになって毎日続けることが難しくなります。ここからは自分で調理をする際に、無理せず減塩するコツを具体的に紹介します。
コツ4|調味料を工夫する
減塩に最も影響の大きい塩分が含まれている調味料について解説します。コツとしてはこれらの調味料に含まれる塩分量を把握して、効率的に減らすことです。
調味料の塩分量
一般的な調味料に含まれている塩分量をまとめました。
小さじ(5ml) | 大さじ(15ml) | |
食塩 | 6.0g | 18.0g |
濃口しょうゆ | 0.9g | 2.1g |
薄口しょうゆ | 1.0g | 3.0g |
ウスターソース | 0.3g | 0.9g |
オイスターソース | 0.7g | 2.1g |
マヨネーズ | 0.1g | 0.3g |
みそ | 0.4g | 1.2g |
洋風顆粒だし | 1.7g | 5.1g |
中華顆粒だし | 1.9g | 5.7g |
和風顆粒だし | 1.6g | 4.8g |
出典:文部科学省「食品成分データベース」
表をみると顆粒だしに意外と多くの塩分が入っていることがわかります。また、同じしょうゆでも薄口しょうゆの方が、濃口しょうゆよりも含有量が多いことがわかります。塩分量が多いものは控えて、他の調味料に置き換えるのがコツです。
便利な減塩調味料
最近では、さまざまな減塩の調味料も売られるようになってきました。食塩では塩分50%オフのもの、しょうゆでは多いものでは60%ほどの減塩、みそでは40%ほどの減塩、顆粒だしにも減塩の商品が多く出回っています。これらを上手に取り入れることも、減塩をするコツだといえます。
出典:キッコーマン「減塩商品」
出典:味の素「商品情報」
コツ5|メニューの組み合わせを工夫する
和食の献立にした場合、全ての味付けが甘しょっぱい煮物のようなものばかりだと飽きてしまいます。煮物やお出汁のきいた汁物、酢の物と味にバリエーションがあると、バランスよく、食事を楽しめます。減塩の際にはメニューの組み合わせ方もコツの1つです。
料理の味付け方法にメリハリをつける
減塩で物足りなさを感じさせないためにも、味付けに濃淡をつけることがコツです。塩の量にだけ気を使うと、全ての料理が控えめな味付けになってしまい、全体的にぼんやりとした食事になってしまいます。メニューの中で塩をしっかり使う料理と控える料理を作る、全体に薄い味付けをするよりも表面に塩分を感じられるようにする、というようにメリハリをつけるとよいでしょう。
コツ6|塩分以外の味付けを工夫する
塩味以外の味を活用することも、減塩の料理を作る際に重要なポイントです。それらの味をうまく取り入れることで物足りなさを補い、おいしい料理に仕上げられます。減塩を毎日続けるには、おいしく続けられることが大切です。
旨味をきかせる
顆粒出汁を使いすぎると塩分の摂りすぎになりますが、野菜や魚・肉からとれる天然の旨味を活用すれば、減塩の料理でも味に深みを出せます。昆布やトマトに含まれるグルタミン酸、かつお節や鶏肉、豚肉に含まれるイノシン酸、椎茸などに含まれるグアニル酸が代表的で、組み合わせると旨味も増すので、相乗効果を取り入れるのがコツです。
酸味をきかせる
酢やかんきつ類の持つ酸味は、アクセントとして有効です。焼き魚にすだちやかぼすを添えたり、漬物として食べていた野菜を酢の物やピクルスに変えたりする方法が挙げられます。他にもドレッシングは市販のものではなく、酸味を強めにきかせた好みの手作りドレッシングにするのもおすすめです。
香辛料をきかせる
香辛料は、ハーブやスパイスなどの味にアクセントを加えるもののことです。肉や魚料理は塩を控えてしまうと臭みが出てしまうこともありますが、それをカバーするのに香辛料を使用するのは効果的です。また、複数のハーブやスパイスを組み合わせることで味に深みがでるので、減塩しても物足りなさを感じなくなるでしょう。
賢く減塩して健康でおいしい食生活を
今回は減塩がなぜ必要かという点から、日常生活の中で無理なく減塩を始めるためのコツを6つ紹介しました。減塩するうえで一番難しいのは味覚を変えることですが、すぐに薄味を好きになれるわけではありません。無理なく続けていくために、今回紹介したコツを上手に取り入れながら、徐々に塩分控えめの料理でもおいしく食べられる方法を探してみてください。
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管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。