健康情報
2022.02.25
牛乳を毎日飲むメリットとは?含まれている栄養素や効果的な飲み方とは
牛乳に含まれる栄養
牛乳は、さまざまな栄養素がバランス良く含まれた食品です。ここでは、牛乳に含まれる栄養素を解説します。
カルシウムが豊富
カルシウムは人体に最も多く含まれるミネラルで、骨や歯を構成する要素の1つです。牛乳にはカルシウムが豊富に含まれており、コップ1杯(200g)でカルシウムを220mg摂取できます。
また、カルシウムを吸収しやすくする成分も含まれています。乳糖やカゼインホスホペプチド、ラクトフェリンといった物質がカルシウムの吸収を助けます。
出典:文部科学省「食品成分データベース」
日本人はカルシウムが不足しがち
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日のカルシウムの推奨量を男性800mg(18~29歳)750mg(30~75歳)、女性では650mg(18~74歳)としています。
それに対し日本人の成人におけるカルシウムの平均摂取量は、男性で503mg、女性で494mgです。日本人の食生活でカルシウムは不足しがちであり、日頃の食事で補いたい栄養素といえます。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
出典:厚生労働省「令和元年国民健康栄養調査」
ミネラルのバランスが良い
牛乳にはミネラルの一種であるリンが含まれます。リンは、骨や歯の構成要素や神経や筋肉の働きを助ける作用のある栄養素です。
また、リンにはカルシウムの吸収率を高める働きもあります。カルシウムとリンが1:1の割合のとき、最も吸収率が高まります。牛乳コップ1杯(200g)には、カルシウム220mgに対してリン190mgが含まれ、理想的なバランスに近くなっています。
たんぱく質も摂取できる
牛乳コップ1杯(200g)からは、6.6gのたんぱく質を摂取できます。牛乳のたんぱく質は人間の体に必要な必須アミノ酸をバランス良く含み、卵に次いで良質なたんぱく質といわれています。
必須アミノ酸のうちどれか1つでも摂取量が少ない場合、体内では最も少ない摂取量の必須アミノ酸の量までしか利用されません。そのため、必須アミノ酸のバランスがとれたたんぱく質をとることが重要です。
脂質のとり過ぎに注意
牛乳コップ1杯(200g)には、脂質7.6gが含まれます。牛乳の飲み過ぎは脂質のとり過ぎにつながるため、飲むのは適量にしましょう。
牛乳を毎日飲むメリット
牛乳を毎日飲むと、体のさまざまな働きを高める効果が期待できます。ここでは、牛乳を毎日飲むメリットを解説します。
骨の健康を保つ
牛乳は、骨を構成するカルシウムやリンを豊富に含みます。また、ビタミンDはカルシウムへの骨の沈着を助けます。ラクトフェリンなどの乳塩基性たんぱく質も、骨を強くする働きがあると注目されています。
生活習慣病のリスクを下げる
牛乳や乳製品の摂取によって、メタボリックシンドロームの発症率が低下し、高血圧や糖尿病、脳卒中などの生活習慣病リスクの低下につながります。
その理由としては、1つは牛乳を飲むことで満腹感が増し食べ過ぎを防止できるため、もう1つはカルシウムが脂肪酸と結合し、脂肪の吸収が抑えられるためと考えられています。
睡眠の改善に役立つ
牛乳や乳製品には、アミノ酸の一種であるトリプトファンが多く含まれます。トリプトファンは体内で睡眠ホルモンである「メラトニン」に変換されるため、睡眠の質を改善する働きが期待されています。 寝る前にとってすぐに改善されるものではないため、習慣的に続けてとることが必要といわれています。
乳製品を多く摂取している人ほど、起床時刻が早く、日中の眠気が少ないことが研究によって示されています。
出典:一般社団法人J-ミルク「牛乳乳製品の摂取量が「睡眠」「抑うつ」「健康感」に与える効果とは」
腸の調子を整える
牛乳に含まれる乳糖は腸内細菌のエサになり、乳酸や酢酸に変換されます。乳酸や酢酸には腸のぜん動運動を高め、便を柔らかくする働きがあるため、便秘の予防や改善につながります。
さらに、腸内細菌が生産するアンモニアなどの腐敗物質や発がん性物質が増殖するのを防ぎ、腸内環境の正常化に役立ちます。腸内環境を整えることはメンタルや肌の調子を整えることにもつながります。
牛乳を毎日飲むデメリット
牛乳にはたくさんのメリットがありますが、一方で飲み過ぎによるデメリットもあります。ここでは、牛乳を毎日飲むデメリットを解説します。
飽和脂肪酸のとり過ぎに注意
牛乳コップ1杯(200g)には、4.66gの飽和脂肪酸が含まれます。飽和脂肪酸は動物性の食品に多く含まれる脂質です。牛乳の飲み過ぎは、飽和脂肪酸のとり過ぎにつながります。
LDLコレステロールを増加させる
飽和脂肪酸の摂取量は、血中のLDLコレステロール量と関係します。LDLコレステロールはいわゆる悪玉コレステロールであり、値が高いと血管が詰まりやすくなります。飽和脂肪酸の摂取量が多いほどLDLコレステロールも多くなり、脳卒中や心筋梗塞が起こりやすくなります。
一方で、牛乳の摂取は生活習慣病のリスクを下げることも知られています。日本人を対象とした調査では、1日1杯程度の摂取で脳卒中のリスクが低くなっていました。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日の飽和脂肪酸の目安量は摂取カロリーの7%以下とされています。2000kcal摂取する人であれば約15g以下です。毎日牛乳1杯程度であれば問題ないでしょう。
出典:糖尿病ネットワーク「牛乳を毎日1杯飲むと脳卒中リスクが低下 認知症リスクも低下 牛乳に血圧を下げる効果が?」
牛乳の効果的な飲み方
牛乳からは多くの栄養素が摂取でき、どの時間帯に飲んでもさまざまな働きが期待できますが、求める作用によってはベストな時間帯があります。ここでは1日の目安量と、飲む時間によって期待できる働きについて説明します。
1日の目安量
牛乳からはカルシウムやたんぱく質などの有用な成分がとれますが、飽和脂肪酸のとり過ぎは抑える必要があります。そのため、1日1杯程度を目安に飲むのをおすすめします。
飲む時間と期待できる効果の関係
牛乳をどの時間帯に飲んでも牛乳に含まれる栄養は十分に摂取できます。ただし、求める作用によっては、飲むのにより良いタイミングがあります。ここでは、3つのタイミングと期待できる効果の関係を説明します。
朝:睡眠の質の改善
毎朝牛乳を飲むことで、睡眠の質の改善が期待できます。
トリプトファンを摂取しても、すぐにはメラトニンは分泌されません。朝のうちに摂取しておくと夜に十分に供給され、眠りにつきやすくなると考えられています。
夕方:骨の健康の維持
骨にカルシウムが蓄積されやすい時間帯は夜であるため、夕方に牛乳を飲むと骨の健康の維持に役立ちます。
運動後:疲れた筋肉を回復
筋肉の回復にはアミノ酸が必要です。牛乳から良質なたんぱく質をとることで、運動後の筋肉の回復を助ける働きが期待できます。
効果的に牛乳を飲んで健康に役立てよう!
牛乳にはカルシウム、リン、たんぱく質など、体に嬉しい栄養素が豊富に含まれています。骨の健康を保つ、生活習慣病のリスクを下げる、睡眠の改善に役立つ、腸の調子を整えるなどの働きが期待できます。飲む時間を変えることで、より働きを強めることもできます。毎日コップ1杯を目安に飲み、健康な毎日を送るために役立てましょう。
そして、食事には1日1膳のジョイント御膳を!
適量、適時の牛乳とともに食事にもこだわりを。
ジョイントの「多幸源シリーズ」は牛乳同様にカルシウム、ミネラル(リン)、・タンパク質とさまざまな栄養素がバランス良く含まれています。
しかも一人前がひとつの御膳に盛りつけられていますので、主菜と数種の副菜がバランスよく召しあがれます。特定の栄養素の過度な摂取はありません。
牛乳とともに日々のおすすめは…健康管理食 多幸源
野菜をふんだんに使い、たんぱく質や炭水化物、脂質などの栄養バランスにこだわったボリューム感のある宅配弁当です。1食あたりのエネルギー平均は337kcalで、塩分量平均は2.5g以下と減塩に配慮しています。さらにビタミンやミネラル、脂質、糖質量などの栄養バランスやカロリーも考慮する必要があります。管理栄養士がメニューを監修していますの、安心して食べられます。彩りもよいため、味だけでなく目でも楽しめますので、継続してお召し上がりいただけます。
管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。