健康情報
2022.03.09
熱中症予防に最適・NGな飲み物とは?こまめに水分補給して脱水を防ごう
知っておきたい脱水のサインと熱中症のメカニズム
熱中症は高温下で体温の調節機能が働かないことに加え、脱水による水分や塩分バランスが崩れて起こる病気です。体内で失われる水分量によって、体の異変はさまざまです。
体が発する脱水のサイン
のどの渇きを感じたら水分損失のはじまり
厚生労働省の「熱中症が発生する仕組みとそれに基づく有効な対策」によると、のどの渇きを感じた段階ですでに約2%の水分を失っています。また、マラソンや水泳などの持久力を必要とする運動では、パフォーマンスの低下がみられます。
参照:厚生労働省「熱中症が発生する仕組みとそれに基づく有効な対策」
食欲不振はすでに3%の脱水状態
体内から3%の水分が失われた状態では、のどの渇きがいっそう強くなります。
食欲不振や体のだるさ、ぼんやりしてしまうといった脱水のサインがみられるようになります。100mダッシュや筋力トレーニングといった、無酸素運動の能力の低下もみられるでしょう。
尿の色が濃くなる
尿量が減少し濃い色の尿が出た場合、体内から約4%の水分が失われている状態です。皮膚の紅潮や疲労困ぱい、体温の上昇、イライラなどもみられます。
頭痛やめまいを感じる
約5%の脱水状態では、頭痛やめまい、ふらつき、情緒の不安定などの不調がみられます。
また、よろめきや、足取りの不安定さもみられる場合があります。
電解質成分の不足は神経に影響を及ぼす
約8~10%の脱水状態では、身体の動揺やけいれんを起こす可能性があります。また、体内の発汗にともなってナトリウムのような電解質を失うため、さまざまな神経症状につながるおそれがあります。
体内から20%の水分損失は生命の危険にさらされる
約20%の水分を損失すると、死に至るほどの危険な状態とされています。特に高温下での作業や運動を行う場合は、熱中症になるリスクが高まるため注意が必要です。
熱中症は症状により分類される
厚生労働省の「職場における熱中症予防対策マニュアル」によると、熱中症はあらわれる症状により病名が分類されています。
参照:厚生労働省「職場における熱中症予防対策マニュアル」
熱けいれん
高温下での激しい運動時に起こる「熱けいれん」は、発汗とともに塩分を失うことにより起こります。こむら返りや、痛みを伴う筋肉のけいれんがあげられます。
熱失神
皮膚の血流の激しい増加や多量の発汗により、脳へ血液が流れなくなった状態です。めまいや立ちくらみ、失神などが起こります。
炎天下や高温多湿の環境下などでは可能性が高まります。
熱疲労
脱水が進み、体内に熱がこもる状態です。全身のだるさや集中力低下があらわれ、頭痛や気分の不快感、吐き気、嘔吐などの症状をともなうといわれます。
熱射病
体温のコントロールが非常に難しくなり、脳の中枢神経系や臓器、筋肉などへ支障が出る状態です。
これにより、意識障害や全身のけいれん(ひきつけ)などを引き起こす可能性があります。
熱射病は熱中症の中でも重度であり、早急な処置が必要です。
熱中症予防におすすめな飲み物
私たちが正常に活動するためには、体内の水分や電解質を保つことが重要です。熱中症予防には水分だけではなく、電解質や糖質などの補給も重要です。
ここからは、熱中症予防に最適な飲み物を紹介します。
必要な電解質や糖質をバランスよく含む飲み物
経口補水液
水分とナトリウム、カリウム、糖質など体液の維持に必要な成分が適度に供給できる、熱中症の予防に最適な飲み物です。経口補水液はスポーツドリンクに比べて電解質を多く含み、糖分が控えめです。体内への吸収速度が速いので、軽症から中等度の脱水時に適しています。
また、感染性胃腸炎や下痢、嘔吐などによる脱水予防の体液補充にも役立ちます
手作りもできる経口補水液
日本救急医学会の「熱中症診療ガイドライン2015」によると、0.2%の食塩水と砂糖を混合した飲み物が効率よく水分を補給できるとされています。
経口補水液は自宅でも作れるので、試してみてください。
作り方は、以下の材料を混ぜ合わせるだけです。レモン汁などのかんきつ類の汁を入れると、フレーバーが付きます。保存は考慮していないので、その日のうちに飲み切ってください。
- 水…1L
- 食塩…3g
- 砂糖…約20~40g
参照:日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2015」
ナトリウムとブドウ糖が効率よく補給できる飲み物
スポーツドリンクは、ナトリウムとブドウ糖が効率よく補給できます。その中でも、アイソトニック飲料とハイポトニック飲料と呼ばれる飲み物がおすすめです。
アイソトニック飲料
アイソトニックは、体液浸透圧と飲料が含む糖分濃度の浸透圧が等しいことを表しています。
アイソトニック飲料の糖分は約6~8%であり、ゆっくり浸透する特徴があります。あらかじめエネルギーを蓄えておきたい運動前や作業前に飲むとよいでしょう。
ハイポトニック飲料
ハイポトニックは体液浸透圧よりも低い約2~3%の糖分濃度をさします。
アイソトニック飲料と比べて速やかに浸透してくれるので、迅速な水分補給が必要な運動中や運動直後に適しています。甘みも少なくすっきりしているので、ウォーキングなど軽い運動時の熱中症予防にもおすすめです。
熱中症予防におすすめな飲み物のポイント
ノンカフェインでミネラルを含む飲み物を摂取する
カフェインの利尿作用で熱中症予防に必要な水分まで失わないためにも、ノンカフェイン飲料は無難な飲み物です。麦茶やブレンド茶であればナトリウムなどのミネラルを含むものもあるため、こまめな水分補給や食事時の飲み物に適しています。
また、よく冷やした麦茶は上がりすぎた体温を下げて、熱中症を予防することにも役立ちます。
のどが渇く前にこまめな水分補給をする
1時間ごとを目安にして、こまめな水分補給を心がけましょう。
汗をかいていなくても体内の水分は自然と失われているので、冬場でも油断せず脱水予防をしてください。
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管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。