健康情報
2022.03.09
水溶性食物繊維はコレステロールを下げる効果あり!バランスを整える方法とは
- もくじ
コレステロールとは
コレステロールは、体の中で重要な役割のある脂質の一種です。まずは、コレステロールについて詳しく紹介します。
コレステロールの役割
私たちの体の中には、常に100g〜150gのコレステロールがあります。コレステロールは、体を作る60兆個の細胞の「細胞膜」の材料です。また、さまざまなホルモンや胆汁酸、免疫力を上げるビタミンDなどを作る材料として使われます。脂肪や糖の吸収をゆるやかにして、体の調子を整えるといった役割もあります。
コレステロールの種類
LDLコレステロールとHDLコレステロールの2種類があります。LDLとHDLは、コレステロールを運ぶ乗り物のようなものです。LDLで運ばれるものを「LDLコレステロール」、HDLで運ばれるものを「HDLコレステロール」と呼びます。LDLは肝臓で作られたものを全身に運び、HDLは余分なものを肝臓に戻します。どちらも私たちの体にとって必要な栄養素です。
コレステロールのバランスが重要
コレステロールのバランスが崩れると
余ったLDLコレステロールが血管壁に入り込むことでプラーク(コブ)を作り、血管の内側がどんどん狭くなります。進行すると血管が硬くもろくなる動脈硬化の状態になります。動脈硬化が進んでいくと、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす原因になるのです。
コレステロールのバランスを保つには
LDLコレステロールとHDLコレステロールのバランスを保つには、食事や運動、睡眠などの生活習慣を整えることが重要な鍵になります。ここからは、コレステロールのバランスを整える方法を見ていきましょう。
コレステロール値の目安
世界では、総コレステロール値(LDLコレステロールとHDLコレステロールを合わせたもの)を脂質異常の診断目安としています。日本では、動脈硬化性の疾患に影響が大きいLDLコレステロール値を脂質異常の診断の目安にしています。
- HDLコレステロール…40mg/dl〜119mg/dl
- LDLコレステロール…70mg/dl〜139mg/dl
コレステロールを下げる対策
生活習慣を改善することが、LDLコレステロール値を下げる対策になります。長年の習慣を変えるのは容易ではありませんが、できることから変えていきましょう。
禁煙する
タバコには、HDLコレステロールを減らして遊離脂肪酸を増やす成分が含まれています。また、脳梗塞や心筋梗塞などの重大な疾患を引き起こすリスクを高めます。
適度な運動を習慣にする
コレステロールを減らすには、毎日適度な運動を習慣にすることが大切です。運動を取り入れれば基礎代謝が上がるため、中性脂肪が減ってコレステロールのバランスがよくなります。歩く距離を増やしたり日々の生活の中でこまめに体を動かしたりして、習慣にしましょう。
ストレスを減らす
ストレスのある状態が続くと、抗ストレスホルモンの副腎皮質ホルモンを多く作り出そうとして、その原料であるLDLコレステロールを増やしてしまいます。自分に合ったストレス解消法を見つけて、日々の生活に取り入れましょう。
- 体を動かす
- リラックスできる時間を増やす
- ゆっくり入浴する
生活リズムを整える
睡眠不足や不規則な生活は脂質の代謝に悪い影響を与え、LDLコレステロールを増やします。十分な睡眠をとり、生活リズムを整えることを意識してください。
食習慣を改善する
1日の食事の中で、以下の栄養素をバランスよく摂ることが体の機能を正常に保つためには大切です。
- たんぱく質
- ビタミン
- ミネラル
- ファイトケミカルス
- 糖質
- 脂質
- 食物繊維
脂質は摂取量だけでなく、質も改善する必要があります。食物繊維は水溶性食物繊維を意識して、積極的に摂りましょう。
LDLコレステロール値を下げる食生活
LDLコレステロール値を下げるためには、以下のような食生活の改善が有効です。続けることが大切なので、無理のない範囲で自分にあった方法を選びましょう。
- 水溶性食物繊維の多い食品を積極的に取り入れる
- 塩分を控えた和食を中心にする
- 青魚や大豆製品を多く取り入れる
- 動物性脂肪を多く含む食品を控える(ラード、バター、肉の脂身など)
- トランス脂肪酸を多く含むマーガリン、洋菓子、スナック菓子などを控える
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水溶性食物繊維とコレステロールの関係
食物繊維の中でも水溶性の食物繊維には、コレステロールを排出して体内のコレステロール値を下げる働きがあります。食品成分一覧表の摂取量を目安にして、水溶性食物繊維を含む食品を毎日の食事に多く取り入れましょう。
水溶性食物繊維の働き
水溶性食物繊維は水に溶ける性質があり、腸の中でネバネバとしたゼリー状に変化します。そのネバネバが、コレステロールや脂肪の吸収を促す胆汁酸や炭水化物などを吸着し、体外へ排出します。食物繊維を多く含む食べ物を毎日の食事に取り入れることは、体内のコレステロールのバランスを取るために有効な方法です。また、水溶性食物繊維にはビフィズス菌を増やす効果もあるので、免疫力にも大きく関わってきます。
水溶性食物繊維の多い食べ物
水溶性食物繊維を多く含む野菜や果物、海藻類には、コレステロールを体外へ排出し糖や脂肪の吸収を穏やかにする働きがあります。ビタミンやミネラルを多く含む食べ物も多いので、生活習慣病の予防にもつながります。
水溶性食物繊維の摂取量の目安
食物繊維の1日の摂取量の目安は成人男性が21g以上、成人女性は18g以上です。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維は、どちらかに偏らないようにバランスよく摂ることが大切です。現代の日本人の食生活では水溶性食物繊維が不足しやすいので、意識して摂る必要があります。
水溶性食物繊維の多い食べ物一覧表
食物繊維のバランスを取るには、不足しがちな水溶性食物繊維をより積極的に摂る必要があります。以下の一覧表を参考にして、毎日の食事に取り入れる工夫をしましょう。
食品100 g 当たりに含まれている食物繊維 | |||
食品名 | 水溶性食物繊維(g) | 不溶性食物繊維(g) | 総量(g) |
わかめ | ー | ー | 5.6 |
寒天 | ー | ー | 80.9 |
オートミール | 3.2 | 6.2 | 9.4 |
ごぼう | 2.3 | 3.4 | 5.7 |
切り干し大根 | 3.6 | 17.1 | 20.7 |
アボカド | 1.7 | 3.6 | 5.3 |
モロヘイヤ | 1.3 | 4.6 | 5.9 |
ほうれん草 | 0.7 | 2.1 | 2.8 |
キウイフルーツ | 0.7 | 1.9 | 2.6 |
干し柿 | 1.3 | 12.7 | 14.0 |
いちじく | 0.7 | 1.2 | 1.9 |
いちご | 0.5 | 0.9 | 1.4 |
きんかん | 2.3 | 2.3 | 4.6 |
納豆 | 2.3 | 4.4 | 6.7 |
きな粉 | 1.9 | 15.0 | 16.9 |
インゲン豆(乾) | 3.3 | 16.0 | 19.3 |
しいたけ | 0.5 | 3.0 | 3.5 |
なめこ | 1.0 | 2.3 | 3.3 |
玄米 | 0.7 | 2.3 | 3.0 |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
水溶性食物繊維を多く取り入れる調理方法
水溶性食物繊維は水に溶けやすいため、食べ方によっては効果的に摂取できていない場合があります。調理するときは、水溶性食物繊維を損失しない工夫が必要です。
水にさらすのは最低限にする
ごぼうやなすなどのアク抜きや水にさらす時間は、最低限にしましょう。野菜や果物には、水に溶けやすい水溶性のビタミンが多く含まれます。水にさらす時間を控えることでビタミンの損失を防ぎ、栄養摂取量のバランスを整えられるのです。サラダに使う葉物野菜も汚れをさっと洗う程度にすれば、効率よく水溶性植物繊維を摂れます。
野菜は皮ごと調理する
野菜の皮には食物繊維のほかに、ファイトケミカルスなども多く含まれています。野菜はなるべく皮ごと食べれるように調理すると、食物繊維を多く摂れるでしょう。ごぼうなどの野菜は皮の際に旨味が多いので、さっとこする程度にしてください。また、皮を剥いて調理するときは、残った皮を食べやすく刻んできんぴらやスープ、味噌汁の具材にするのがおすすめです。
蒸して料理する
水に溶けやすい水溶性食物繊維は、茹でてしまうと栄養が逃げてしまいます。野菜を加熱するときは蒸したり無水鍋を活用したりして、最小限の水分で柔らかくするのがおすすめです。水溶性植物繊維だけでなくビタミンの損失も最低限になり、無駄なく調理できます。水溶性食物繊維を豊富に含む芋などの根菜類は、ビタミンCが豊富です。茹でずに蒸すことで約8割のビタミンが残るので、野菜は蒸して調理するようにするのがおすすめです。
スープにする
水に溶ける水溶性食物繊維も、スープにすれば丸ごと摂取できます。野菜やキノコ、海藻など、水溶性食物繊維を含む食品を多く入れた具沢山のスープで食物繊維を効果的にとりましょう。塩味やトマト味、醤油ベースなど味付けを変えることで、毎日でも飽きずに食べられます。
海藻類の料理のレパートリーを増やす
海藻類は、水溶性食物繊維とミネラルが含まれます。海藻類は、酢の物や味噌汁の具材として使うことが多い食品です。チヂミや炊き込みご飯などにも使用して、海藻類を食べる回数を増やしましょう。
スムージーにする
水溶性食物繊維を多く含む野菜や果物を使ってスムージーを作れば、手軽に多くの食物繊維を摂れます。好きな野菜と果物の組み合わせのバリエーションを増やせば、飽きずに続けられるでしょう。
水溶性食物繊維を多く含む食べ物で、コレステロール対策をしよう!
LDLコレステロール値が高いと、脳梗塞や心筋梗塞などの重大な疾患の原因になります。数値が高いとLDLコレステロールを減らし、コレステロールのバランスを取ることは、健康を守るうえでとても大切です。健康で元気に日々の生活を楽しむために、水溶性の食物繊維をしっかりと摂りましょう。
管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。