健康情報
2022.04.13
ご飯のカロリー・糖質量は?栄養成分やダイエット中に気をつけたい食事の仕方を解説
- もくじ
ご飯のカロリー・糖質量はどれくらい?
ご飯100gあたりの栄養成分は、下記のとおりです。
エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物(糖質) | |
ご飯(白米) | 168kcal | 2.5g | 0.3g | 37.1g(36.8g) |
ご飯(玄米) | 165kcal | 2.8g | 1.0g | 35.6g(34.2g) |
麦ご飯 | 159kcal | 2.78g | 0.46g | 35.14g(33.68g) |
参考:カロリーSlism
ご飯の種類別にカロリーと糖質量を比較すると、白米が最も高く、麦ご飯が最も低いです。とはいえその差はわずかなので、ほとんど同じカロリーと糖質量だと思ってよいでしょう。
ほかの主食と比べてカロリー・糖質量は高い?
たとえば、白米を例に、ほかの主食100gと比較してみましょう。
エネルギー | 炭水化物(糖質) | |
ご飯(白米) | 168kcal | 37.1g(36.8g) |
食パン | 264kcal | 46.7g(44.4g) |
うどん | 105kcal | 21.6g(20.8g) |
参考:カロリーSlism
主食の中では、高からず低からずといったカロリーと糖質量です。
炭水化物は重要な栄養
糖質は太るイメージが定着していますが、実は体にとって重要な栄養素です。その理由を解説します。
素早くエネルギーに変換される
私たちの体の主なエネルギー源になるのは、糖質と脂質です。このうち糖質は消化・吸収時間が短いため最もエネルギー効率がよく、摂取してから素早くエネルギーに変換されます。脳が疲れたときにチョコレートを食べると集中力が増すといわれるのは、含まれている糖質が素早くエネルギーに変わるためです。
筋肉の分解を抑える
私たちの体は糖質不足になると飢餓状態を防ぐため、中性脂肪や筋肉からエネルギーを生成します。これが、「糖新生」と呼ばれるものです。糖新生が起こると中性脂肪や筋肉内のアミノ酸を分解し、糖(グルコース)を作り出してエネルギー源を確保します。中性脂肪と一緒に筋肉が減るため、あまりよい状態とはいえません。そこで、糖質を摂取すると糖新生が起こりづらくなり、筋肉の分解を防げるのです。
ご飯の摂取量の目安は?
血糖値が高頻度で上昇することによってインスリンというホルモンが分泌されるため、摂りすぎには注意が必要です。インスリンは血中に増えた糖を体の各細胞に運ぶ役割がありますが、余分な糖は中性脂肪として蓄積されます。したがって、ご飯を食べる際は適切な摂取目安量を守ることが大切です。
健康を維持する場合
健康目的で体重を維持する場合は、1日の炭水化物の摂取量を総エネルギーの50〜65%に抑えましょう。ここでいう総エネルギーとは、自分の体重が維持できる摂取カロリー量のことです。体重をキープできる食事量(総エネルギー)が2500kcalの人は、1日に312〜406gの糖質量の摂取が理想です。また糖質に加えて、脂質やたんぱく質といった栄養素もバランスよく摂取しましょう。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
糖尿病の人はご飯がおすすめ
糖尿病の人は食事療法として、ご飯を食べることがおすすめです。ご飯に含まれる糖質は多糖類に分類され、消化吸収に時間がかかることが特徴になります。これは血糖値を上げづらいといえるため、高血糖を予防できるでしょう。反対にお菓子やアイスクリームなどの砂糖を使っている食品は二糖類に分類され、消化吸収が早く血糖値を上げやすいです。
総エネルギーを把握する方法
自分の総エネルギー量がわからない場合は、1〜2週間の食事量のカロリー+体重の推移をメモしておきましょう。体重がキープできている日のデータを参考にすると、総エネルギーが把握できます。少し面倒な方法ですが、確実性が高いのでおすすめです。
ダイエットをする場合
ダイエットをする場合の1日の糖質量は、50〜130g(茶碗1〜2杯)が目安です。この値は糖質制限やロカボといわれるもので、糖質量を制限することで体脂肪の減少が期待できます。健康を維持する場合の糖質量と比べるとかなり低い値ですが、脂質やたんぱく質などの栄養素をしっかり摂取していれば問題はないでしょう。これは、人間の体に糖質がなくてもエネルギーを作り出せるシステム(ケトーシツ)が備わっているからです。いきなり糖質量を減らすことに抵抗のある人は、緩めの130gに抑えるところから始めてみてください。
ダイエット中に気をつけたいご飯を食べる4つの方法
ダイエット中は、ご飯の食べ方を工夫しましょう。摂取量を守ることも大切ですが、それ以外にも気をつけるべき点がいくつかあります。
外皮のついているお米を選ぶ
お米には白米や玄米、麦ご飯のように、さまざまな種類があります。このうち、玄米は白米に比べて血糖値を上げにくく、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれていることが特徴です。血糖値を上げにくいので、中性脂肪の蓄積を抑える効果が期待できます。また、腹持ちもよくなるので、食べすぎ防止にもつながるのです。白米を習慣的に食べている人は、これを機に玄米に変えてみましょう。
冷えた状態で食べる
ご飯を冷えた状態で食べると血糖値の上昇が緩やかになり、中性脂肪の蓄積を抑えられるといわれています。これは、お米に含まれるレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)が増えることで、小腸に吸収される糖質(ブドウ糖)の割合が減るためです。レジスタントスターチは消化酵素で分解できないでんぷんのことで、小腸に吸収されず大腸へと運ばれます。つまり、ブドウ糖の吸収割合が減るので血糖値の上昇が抑えられるのです。
ポイントは加熱後に冷ますこと
レジスタントスターチは、ご飯を加熱してから5時間ほど冷ますことで活性化するといわれています。ここで大切なのが、あくまで常温でゆっくりと冷ますことです。早く食べたいからといって冷蔵庫などで急激に冷やしてしまうと、レジスタントスターチは活性化しません。
おかずはさっぱりとした食材を選ぶ
ご飯とともに食べるおかずによって、カロリーが倍以上に高くなることがあります。サーロインステーキをおかずに選んだ場合、脂質を多く摂取してしまう関係でカロリーが高くなります。ご飯のおかずとして選ぶべきは、白身魚や鶏肉など脂身が少なくさっぱりとした食材です。
1杯の量を多くしない
ご飯は分食をすることで長時間かけて栄養を吸収できるため、血糖値の上昇を抑えられます。ご飯1杯あたりの量を多くしてしまうと血糖値が急上昇してインスリンが大量に分泌されるため、脂肪合成のリスクが高まります。分けて食べればインスリンの分泌を最小限に抑えられるので、大盛りご飯を食べている人は半分に減らすようにしましょう。
ご飯をフル活用してダイエットを成功させよう
ご飯は日本人の主食であり、切っても切れない食材です。適切な量であれば体のエネルギーとして働き、健康やダイエットの強い味方になります。この記事で紹介したご飯を食べる際のポイントを実践して、ダイエットを成功させましょう。
ジョイントの食事は健康やダイエットの強い味方!
ジョイントの糖質制限食は、糖質15g以下で無理なく、スローダイエットを実現できます。
メニューの種類も豊富で自由に選択できるので、楽しく健康管理をしていきましょう。
管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。