健康情報
2022.06.23
食生活の乱れを改善!生活習慣病を予防する食事のポイントを知っておこう
生活習慣病とは
生活習慣病は以前は成人病と呼ばれていましたが、主な原因が食事や運動習慣、喫煙や飲酒などの生活習慣によることから呼び方が変わりました。国としても、予防や管理のための対策をとることが推進されています。
代表的な生活習慣病
生活習慣病の代表的なものとしては、以下の4種があります。これらの特徴は感染するものではなく、生活習慣によって発症することが多いです。生活習慣の改善によって予防や改善が見込めるので、食事をはじめとした普段の生活習慣を見直すことが大切です。
がん
がんは日本人の死亡原因の第1位です。男性では肺がん、女性では大腸がんがそれぞれ1位です。原因が遺伝的なものの場合もあるため、一概に生活習慣が原因であるとは言い切れません。しかし、喫煙による肺がんのリスクや乱れた食事から起こる便秘による大腸がんのリスクもあるため、生活習慣の改善による予防の効果が期待できます。
出典:公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計2022」
糖尿病
糖尿病には大きく分けると1型と2型があり、それ以外には妊娠期に起こる妊娠糖尿病などがあります。生活習慣病として注目するべきなのは全体の9割近くを占める2型糖尿病で、これは主に日々の食事が原因となります。
循環器疾患
循環器疾患とは、脳や心臓の血管系に問題が起こる病気です。脳の血管に問題が起きると脳や神経に不具合が現れ、脳卒中のリスクが高まります。また、心臓の血管に問題が起きると、狭心症や心筋梗塞の危険も高まります。これらの原因としては高血圧や脂質異常症があげられるため、食事の見直しが必要です。
COPD
COPDは慢性閉塞性肺疾患を指します。主な原因は喫煙のため生活習慣病に分類されますが、症状が進むと呼吸しづらくなることから消費エネルギーが増えます。また、食欲不振により必要な栄養素が不足するといった症状も起こるため、改善する際には食事の見直しも必要です。
食生活が原因のもの
生活習慣病の予防と改善には、食事の改善が基本となります。具体的にどのような食事が原因なのか解説します。
糖尿病
生活習慣病の代表である2型糖尿病は、慢性的に糖質などを摂り過ぎることが主な原因です。また、糖尿病は重症化すると薬も必須になり、深刻な合併症もあるため、初期の段階で食事と運動で対策をとることが重要です。糖質はエネルギー源のために必要な栄養素ですが、過剰摂取しやすい栄養素でもあるので注意しましょう。
高血圧
生活習慣病のうち循環器疾患の原因となる高血圧は、主に塩分の摂りすぎによって起こります。濃い味付けに慣れると味覚を戻すことも難しくなるので、少しずつ無理のないように食事の改善を図ることが必要です。特に外食や加工食品の利用が多い人は、塩分の摂り過ぎに注意しましょう。
脂質異常症
循環器疾患に関わる疾患では、主に飽和脂肪酸などの摂り過ぎが原因です。飽和脂肪酸は肉の脂身やバター、生クリームなどに多く含まれます。良質な脂には必要な栄養素が含まれているため、それらの取捨選択もできるようになる必要があります。
日本人の栄養素の摂取状況
現在不足している栄養素や、多く摂りすぎている栄養素に関して知ることが、生活習慣病の予防につながります。
不足している栄養素
仕事が忙しいとつい食事を抜いてしまう、簡単なものですませがちになりますが、毎日のことになるとどうしても慢性的に不足する栄養素が出てきます。それによって気づかず生活習慣病にかかっていたり、慢性的な不調に陥ってしまったりすることがあります。
ミネラル
ミネラルの中で不足しがちなものとしてはカリウムやカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛があります。中でもカリウムは生活習慣病である高血圧との関係性が高いので、食事の中で意識的に摂りたい栄養素です。また、鉄分や亜鉛が不足するとだるさや疲れやすさにつながります。
ビタミン
不足しがちなのは、ビタミンA、D、B群、Cです。中でもビタミンB群は、糖質や脂質を効率よく消費するために欠かせない栄養素です。そのため、不足するとそれらの栄養素をうまく使えなくなり、生活習慣病につながります。また、ビタミンCはストレスで消費されやすいだけでなく、鉄分の吸収にも関わる栄養素なので不足しないよう注意が必要です。
食物繊維
血糖値の上昇を緩やかにする、便秘を解消する、食べ過ぎを防ぐなど、多くの生活習慣病に関して効果が期待できる栄養素です。しかし、普段の食事では推奨されている摂取量の約30%不足しているといわれているため、意識して取り入れる必要があります。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
摂り過ぎている栄養素
不足している栄養素がある一方で、摂りすぎている栄養素も存在します。生活習慣病の多くは、栄養素の過剰摂取によりバランスが崩れることが多いため、心当たりのある人は食事を見直す必要があります。
糖質
糖質は主食に多く含まれる栄養素のため、食事の中で過剰に摂取しやすい栄養素です。特に外食やコンビニを利用する場合はおにぎり、菓子パン、麺類などを食べる人が多いでしょう。これらは、ほぼ糖質で他の栄養素が少ないため生活習慣病につながりやすいです。その一方で、糖質制限ダイエットが流行ったことで若年層に一定数糖質が不足している人も出てきているため、バランスを考え、極端な制限をしないように注意が必要です。
塩分
加工品は基本的に塩分が多いため、食事に取り入れる際は栄養成分をチェックする習慣をつけましょう。普段から味覚を薄味に慣らすことも生活習慣病を防ぐポイントです。カリウムには塩分を排出する働きがあるため、カリウムを多く含む野菜や果物を取り入れるのもよい方法です。
脂質
脂質は肉類の油や加工品などから摂りすぎてしまいやすい一方で、良質な脂である魚や植物由来の脂質は不足しがちです。肉類などの脂質は生活習慣病の原因になりますが、良質な脂質は悪玉コレステロールを減らして血液をサラサラにしてくれます。生活習慣病の予防に効果的です。一概に全ての脂質を控えるのではなく、食事の中で良質な脂質を選ぶことがポイントです。
食生活を改善するポイント
食事は1日3回摂るため、改善できれば最も生活習慣病には効果的です。しかし、厳しすぎる方法では継続することが難しくなるため、無理をし過ぎないことが継続させるポイントとなります。
バランスのよい食事
バランスのよい食事は主食、主菜、副菜など全て揃った献立をイメージされる人が多いでしょう。しかし、人によって運動量も、必要な栄養素の量も全く違うので、必ずしも毎食そのような食事をとる必要はありません。1日の生活リズムに合わせて過剰な栄養素を減らし、必要な分を摂る食事がバランスのよい食事だといえます。
脂肪をため込まない
血糖値の急上昇や急降下を減らすことで、脂肪をため込みにくくなります。食事の間隔が空くときは間食を活用し、暴食を防ぎましょう。また、筋肉量が多いとエネルギーを効率よく消費できるため、たんぱく質を積極的に摂り、可能であれば運動を取り入れて筋肉量を増やすと無理なくエネルギーを消費できます。
食べる量
食べる量にムラがあると体が省エネモードになり、脂肪をため込みやすい体質になります。できるだけ分散させることが、生活習慣病には効果的です。特にたんぱく質は毎食ごとに補わないと筋肉が消費されてしまうので、意識的に食べるようにしましょう。
食べる時間
寝る前の食事は摂取した糖質などのエネルギー源を消費できず、脂肪に変換されてため込むため生活習慣病につながりやすくなります。
外食には注意する
外食を楽しみにしている人にとって、完全になくすのはストレスになる可能性があります。外食で食べ過ぎたら前後の食事で調整をしたり、ヘルシーなものが食べられるお店を見つけたりなど工夫して楽しみましょう。
料理の選び方
外食で特に注意が必要となるのは、アルコールを飲む際の料理です。おつまみは塩分が多いものがほとんどです。アルコールの摂取により食欲が増すので、シメにご飯や麺類などを無性に食べたくなります。そのため、野菜やたんぱく質を組み合わせたシンプルな料理を選ぶことが生活習慣病を防ぐポイントです。
健康管理食を活用する
ここで紹介するのは、株式会社ジョイントの健康管理食です。すべて管理栄養士監修で、カロリー平均は337㎉。食べる直前にあたためるだけのおいしいお食事がお召し上がりいただけます。
メニューは多幸源Ⅱ・Ⅲ合わせて50種類あり、お好みの食事を選んでいただくことが可能です。
食生活の改善方法を参考に生活習慣病を予防しよう
食生活は最も身近であるからこそ、疎かになりがちな部分でもあります。生活習慣病の予防には、自分に必要な食事を選ぶことが大切です。自分に何が余分で何が必要なのか、この機会に見直して無理なく生活習慣病を予防しましょう。
管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。