プリン体の多い・少ない食べ物は?痛風にならないための食事の仕方や摂取量について - 健康管理食ジョイント

2022.04.21

プリン体の多い・少ない食べ物は?痛風にならないための食事の仕方や摂取量について

プリン体の多い・少ない食べ物は?痛風にならないための食事の仕方や摂取量について
馬塲 耕造
監修

馬塲 耕造

痛風の原因となるプリン体について、どれくらいご存知でしょうか。プリン体は体内でも作られている成分で、決して悪いものではありません。この記事ではプリン体の正体と痛風との関係性、多い・少ない食材などプリン体の実態に迫っていきます。
もくじ

プリン体とは

プリン体の正体は、食品に含まれる旨味成分です。食品から摂取するイメージが強いですが、人間の体内で合成される成分でもあります。主に細胞の活動エネルギーとして用いられ、生命活動には欠かせません。しかし、摂取量が多くなると痛風などの疾患を引き起こします。プリン体は摂取量を適切にして、上手に付き合っていかなければならない栄養素なのです。

尿酸を作り出す原因物質

摂取したプリン体は腸内で吸収され、肝臓でエネルギーとなり代謝されます。プリン体を代謝する際に発生する老廃物が「尿酸」です。尿酸は通常、腎臓を通して尿の一部となって排出されます。また、摂取した中で代謝しきれなかったプリン体も、同じく尿酸に変換されます。

プリン体の役割

プリン体は動植物に含まれる核酸の主成分で、遺伝情報の伝達やたんぱく質の合成の役割を担っています。体内細胞の生命維持にプリン体は必要不可欠です。

プリン体は食品からの摂取だけでなく、人間の体内でも生成されています。古くなった細胞が新しい細胞と入れ替わる際に、古い細胞の核酸が分解されプリン体となります。運動や臓器を動かすエネルギー源として用いられ、常に体内にて生成されている成分です。人間が数日間飲まず食わずで動けるのは古い細胞がプリン体となり、エネルギーとして使われているからなのです。

1日の摂取量目安

プリン体の摂取量の目安は、1日400mgです。それ以上の摂取は痛風のリスクが高まります。プリン体400mgは食品で例えると鶏レバー130g、サンマの干物200gに相当します。そのほかの食品にもプリン体は含まれるので、摂取量は献立全体でバランスを整えるのが大切です。

プリン体=悪いものではない

プリン体は悪い成分と捉えがちですが、人間の大切なエネルギー源です。すべての動植物に含まれる成分なので、完全にプリン体を避けて食事するのはほぼ不可能だといえます。大切なのは摂取量を守ることです。

プリン体・尿酸値・痛風の関係

プリン体・尿酸値・痛風は、切ってもきれない関係にあります。ここでは、プリン体の過剰摂取が引き起こす、尿酸の過剰な蓄積と痛風にかかるメカニズムについて解説します。

痛風は突然の激しい痛みを伴う病気で、日本人男性の5人に1人は痛風予備軍といわれているのです。

現代食は痛風の原因となるプリン体がたくさん含まれており、外食やコンビニ弁当などで食事を済ませるような食生活だと高確率で痛風になる可能性があります。昔は中高年に多い病気でしたが、近年では若い世代でもかかる人が多くなっているのです。

痛風の正体は高くなりすぎた尿酸値

痛風といえば、突然の激しい関節痛です。痛風は前兆なく突然痛みが発生し、ほかの病気に比べて初期症状がほとんどありません。痛風の痛みの正体は、関節部位に蓄積された結晶化した尿酸です。この結晶が関節に炎症を起こし、激しい痛みを伴うのです。

痛風には、「高尿酸血症」が深く関係しています。高尿酸血症とは、プリン体を代謝したときに発生する尿酸の量が人よりも多い病気です。高尿酸血症は血液中の尿酸濃度で判断され、健康な人の尿酸値は2.1〜7.0mg/dLです。これ以上の数値になると、高尿酸血症となります。

プリン体が分解されて尿酸になるメカニズム

プリン体が代謝されて残った老廃物や、エネルギーとして使われなかったプリン体は尿酸となります。正常な状態だと、体内でできた尿酸と排出された尿酸は常に同じです。しかし、尿酸が過剰に蓄積、もしくは排出する量が減ってこのバランスが崩れると、体内に大量に蓄積されます。こうして起こるのが高尿酸血症です。

尿酸の蓄積を抑えるには、プリン体の摂取量を制限する必要があります。プリン体は一般的に食べ物から摂取した分が20%、体内で生成された分が80%で、体内で生成するほうが多いのです。

プリン体の摂りすぎだけが原因ではない

痛風や高尿酸血症の原因は、プリン体の摂りすぎだけではありません。プリン体の摂取量が守られていても、体外へ排出する尿酸の量が減少すると痛風は起こります。尿酸の排出量が減少する主な要因は、運動不足・肥満・ストレス・不規則な生活習慣です。普段の生活習慣の乱れや環境の変化も痛風の原因となり得ます。

プリン体の多い・少ない食べ物

痛風にかからないためにも普段の食生活を見直して、プリン体の多い食品ばかり食べていないかチェックしてみましょう。

プリン体含有量の多い食べ物一覧

プリン体は、あらゆる動植物に含まれている成分です。特に肉・内臓類・魚の干物・エビに多く含まれています。また、健康食品や乾物も実はプリン体が多いです。以下はプリン体の含有量が多い食品一覧です。一般的に、100gあたりに200mg以上のプリン体が含まれていると多いと判断されます。

食品名 プリン体含有量(mg/100g)
鶏肉モモ 122.9
豚肉ヒレ 119.7
牛肉モモ 110.8
鶏レバー 312.2
豚レバー 284.8
牛レバー 219.8
サンマ干物 208.8
マアジ干物 245.8
マイワシ干物 305.7
大正エビ 273.2
クルマエビ 195.3
ローヤルゼリー 403.4
干し椎茸 379.5
ニボシ 746.1

出典:食品中のプリン体含有量 一覧表

プリン体含有量の少ない食べ物一覧

牛乳や鶏卵、魚卵、ナッツ類はプリン体の含有量が少ない食品です。特に牛乳などの乳製品には尿酸の排出を促進するカゼインがたくさん含まれており、痛風予防に効果があります。以下は、プリン体の含有量が少ない食品です。

食品名 プリン体含有量(mg/100g)
鶏卵 0.0
牛乳 0.0
チーズ 5.7
板かまぼこ 26.4
魚ソーセージ 22.6
さつま揚げ 21.4
イクラ 3.7
カズノコ 21.9
アーモンド 31.4

出典:食品中のプリン体含有量一覧表

尿酸値を下げるために!痛風予防の5つのコツ

プリン体の摂取量を制限するのと同時に、尿酸の排出量を正常に保つための対策もしましょう。痛風は、尿酸値の生成量と排出量のバランスがとても重要です。プリン体の制限だけでは、生成量の対策にしかなりません。痛風予防には、以下の5つの習慣を心がけましょう。

アルコールの摂取はほどほどにしよう

アルコールの摂取は、尿酸の排出機能を低下させます。たまに少量程度であれば問題ありませんが、毎日たくさん飲むと危険です。また、過度な飲酒は体内の水分不足を招きます。水分は尿酸の排出にとても重要な成分です。飲酒はほどほどにしておきましょう。

水分をたくさん摂る

尿酸を上手く排出するには、水分補給が重要です。水分をたくさん摂れば尿の量が増えて、尿酸など老廃物の排泄がスムーズになります。1日に1.5〜2Lの水分を摂るようにしましょう。また、利尿作用のある食品や、飲み物を摂取するのも効果的です。コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインには利尿作用があります。

栄養バランスの整った食事を心がけよう

栄養バランスの整った食事を心がけると、自然とプリン体の摂取量も抑えられます。バランスの取れた献立は体内活動を正常にして、尿酸の排出も正しくなります。栄養バランスの整った食事はプリン体の摂取、尿酸の排出のダブルの意味で効果的です。

運動習慣をつけよう

有酸素運動には、尿酸値を下げる効果があります。しかし、無酸素運動は新陳代謝を上げるため、尿酸値を上げる恐れがあります。尿酸値に気を配るなら、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を取り入れましょう。

疲労やストレスをため込まない

疲労やストレスは、尿酸の排出に悪い影響を与えます。少しでもいいので自分がリラックスできる時間を作るようにしましょう。リラックス効果のあるほうじ茶や、ホットミルクなどの飲み物もおすすめです。カフェインには利尿作用があり、牛乳は尿酸の排出を促します。

プリン体の摂りすぎと尿酸値の上昇に気をつけよう!

痛風の予防には、尿酸の上昇と排出量の減少の2つに気をつけなければなりません。しかし、栄養バランスの整った食事と規則正しい生活を送っていれば自然と痛風予防になるので、難しく考える必要はありません。むしろつらい食事制限や過度な運動はかえって痛風の元となるので、無理のない範囲で実践しましょう。

 

痛風を予防するには、規則正しい生活とバランスの整った食事が重要です。適度な有酸素運動など運動習慣をつけましょう!

管理栄養士が献立作成をしているので老若男女問わず安心してご利用いただけます。

 

生活習慣病を予防予防するために長期間の利用がお勧め!

2種類50種類の豊富なメニュー数をいかして生活習慣病予防を成功させましょう!

 


健康管理食 多幸源Ⅱ

¥540(税込)

野菜をふんだんに使い、タンパク質や脂質・炭水化物などの栄養バランスを考慮しているので、毎日のお食事から生活習慣を 改善できます。

馬塲 耕造
監修株式会社ジョイント
監修馬塲 耕造

管理栄養士馬塲 耕造

1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。