2022.04.19
パンとご飯、糖質量が多いのはどっち?ダイエット中に確認したいカロリーや栄養の比較
パンの種類別カロリー量
一言でパンといっても、たくさんの種類があります。まずは、日本でもよく食べられる代表的なパンのカロリー量と主要な栄養素を見てみましょう。
食品100g中に含まれる栄養量 | |||||
食パン | コッペパン | フランスパン | クロワッサン | ロールパン | |
カロリー(kcal) | 260 | 265 | 279 | 448 | 316 |
たんぱく質(g) | 9.0 | 8.5 | 9.4 | 7.9 | 10.1 |
脂質(g) | 4.2 | 3.8 | 1.3 | 26.8 | 9.0 |
炭水化物(g) | 46.6 | 49.1 | 57.5 | 43.9 | 48.6 |
ナトリウム(mg) | 470 | 520 | 620 | 470 | 490 |
バターをたくさん使うクロワッサンが、圧倒的にハイカロリーなことがわかります。
プレーンパンか調理パンかによってカロリーが大きく変わる!
上のグラフが示すように、プレーンの場合はパンのカロリーや栄養量はそこまで差がありません。原料の小麦粉に水と塩、バターなどの油脂を加えて作るのが基本なので、そこまで使う材料に差が出ないのが理由です。クロワッサンのようにバターをたくさん入れるなどの特殊な場合を除けば、ほとんど変わりません。
しかし、惣菜パンや菓子パンなど、生地以外の具材やトッピングがある調理パンは総じてハイカロリーです。ダイエット中は控えるか、1食の食事をその1品のみにしておきましょう。
ジャムやバターなどのカロリーにも注意が必要
食パンやフランスパンは、そのままで食べることがあまりありません。大体の場合はジャムやバターをつけて食べる、もしくは料理と一緒にということがほとんどです。特によく使われるバターには脂質、ジャムには糖質がかなり含まれているので、使い過ぎには注意しましょう。
ご飯の種類別カロリー量
ご飯は、大きく分けて「白米・胚芽米・玄米」の3タイプに分かれます。よく食卓で食べられるのは、精製された白米です。まずは、ご飯の種類別のカロリー量を見てみましょう。
食品100gあたりの栄養量 | |||
白ご飯 | 胚芽米ご飯 | 玄米ご飯 | |
カロリー(kcal) | 168 | 167 | 165 |
たんぱく質(g) | 2.5 | 2.7 | 2.8 |
炭水化物(g) | 37.1 | 36.4 | 35.6 |
玄米でも白米でもカロリー・糖質の量はほとんど変わらない
パンと違って、ご飯は種類によってカロリーと糖質量に大きな差はありません。玄米はヘルシーな食品というイメージがありますが、カロリーと糖質量の観点でいうと白米とほとんど違いはないのです。ただ、玄米にはダイエットに有効な成分がたくさん含まれています。少し味わいにクセがありますが、ダイエット用の食品としては非常におすすめです。
玄米は食物繊維が多く、血糖値の上昇を抑える効果がある
玄米は精製する前の白米のことで、食物繊維やミネラルをたくさん含んでいます。食物繊維は、血糖値の上昇を抑えて脂肪の生成を促すインスリンの分泌量を抑えてくれる栄養素です。玄米と白米は同じ糖質とカロリーですが、食物繊維の多い玄米を食べたほうが太りにくいです。
また、玄米には「γ-オリザノール」という物質が含まれています。この成分は動物性脂肪の欲求を緩和する働きがあるといわれており、揚げ物や肉料理を食べたくなる気持ちを和らげてくれます。
パンとご飯どっちがヘルシー?
ここからは、パンとご飯をカロリー・糖質・その他の栄養素で比較して見てみましょう。
同じ量を摂取するならパンのほうがハイカロリー
パンの中でも1番カロリーが低いのは、食パン(100g)の264kcalです。対して一般的な白ご飯のカロリー量(100g)は、168kcalになります。1番カロリーの低い食パンと比べても、圧倒的に白ご飯のほうがヘルシーです。パンはどうしても製造過程でバターや砂糖が加えられるので、カロリーが高くなってしまいます。
また、食パン100gあたりの糖質量は44gで、白ご飯が36.8gです。糖質量の面で見ても、ご飯のほうがヘルシーといえます。
ご飯1杯と食パン1枚で比較するなら食パンのほうがヘルシー
同じ量で比較すると白ご飯のほうがヘルシーですが、実際の食事では食パンはグラムではなく枚数単位で食べます。一般的な食パン1枚の重量は6枚切りサイズ1枚でおよそ60gで、カロリーで換算すると168kcalです。対して白ご飯は茶わん1杯あたりおよそ150gが平均で、カロリー量は252kcalです。食事のときに食パン1枚かご飯1杯かの二択で考えるなら、食パンのほうがカロリーが少ないといえます。※これはあくまでも100g当たりで比較した場合です。
パンの場合は塩分が高いので注意!
パンは、ご飯にはない塩分をたくさん含んでいます。一般的な食パンに使われている食塩は100gあたりおよそ1.1gで、6枚切りサイズ1枚(60g)だと0.7gの計算になります。
食パンのみの食事ならたいした量ではないですが、主菜や副菜もある場合は塩分量をオーバーしてしまうかもしれません。フランスパンやクロワッサンになると、さらに塩分が高くなります。
パンとご飯を栄養価別で比較
ここからは、パンとご飯の栄養価そのものを比較してみましょう。
全体的な栄養バランスはパンのほうが良い
食品単体の栄養価で考えるなら、ご飯よりもパンのほうが栄養価が高いです。パンの種類によって含まれる栄養や含有量に違いはありますが、「たんぱく質・脂質・塩分・糖質」を多く含んでいます。
特にたんぱく質は、ご飯よりも多く含まれています。食パン100gあたりのたんぱく質量は9.3g、白ご飯は2.7gです。およそ4倍もの差があるため、筋肉作りや疲労回復にはパンのほうが向いているでしょう。
アミノ酸の質で比較するならご飯のほうが良い
たんぱく質のクオリティの高さを示す、「アミノ酸スコア」という指標があります。スコアは0〜100で表され、数値が高いほど良質なたんぱく質であることを意味します。
パンの原料である小麦のアミノ酸スコアは42、ご飯のアミノ酸スコアは61です。アミノ酸スコアが100の肉や魚には敵いませんが、パンよりもご飯のほうが良いといえます。※ただし、他の食品を同時にとることでアミノ酸スコアは100に近づきます。
ダイエット中でもヘルシーに炭水化物を楽しむ方法
ダイエットしながら、パンやご飯などの炭水化物を楽しむ方法があります。以下の方法を試してみましょう。
おかわりをしない
おかわりによって太るのが、肥満で1番多いパターンです。主食は食事の中でも圧倒的に糖質・カロリー量が多いので、ダイエット中のご飯やパンのおかわりはやめておきましょう。どうしても我慢できない人は、糖質カットのマンナンご飯や、食物繊維の多い全粒粉のパンを食べる方法がおすすめです。
付け合わせを低カロリーなものにする
ご飯や食パンの付け合わせは、低カロリーなものにしましょう。ご飯のお供なら納豆と鮭フレーク、なめ茸がおすすめです。どれも低カロリー低脂肪で、特に納豆となめ茸はビタミンや食物繊維が豊富なためダイエット効果が期待できます。
パンの付け合わせには、カッテージチーズとトマトソースがおすすめです。チーズもトマトも低糖質、低脂質なのが魅力です。また、どちらもほどよい酸味と豊富な旨味を持っており、減塩にも向いています。
よく噛んで満腹中枢を刺激しよう
よく噛んだり時間をかけたりして食事を取ると満腹中枢が刺激され、少しの量でも満腹感が得られます。早食いや大食いは、消化器に負担をかけてしまいます。コース料理のように、1品ずつゆっくり味わって食べるようにしましょう。
糖質カットタイプのパンやご飯を取り入れる
近年ではパンやご飯はもちろん、付け合わせのジャムやマーガリン、ふりかけなどの糖質カット食品がたくさん販売されています。ダイエットを断念してしまう理由の多くは、キツい食事制限に耐えられなくなることです。
これからダイエットで食事制限を始める人は、まず糖質カット食品をチョイスして、徐々に食事量を減らしていく方法をとりましょう。無理なく自分のペースで始められるので、ストレスが少ないのが魅力です。
結論!総合的にご飯のほうがヘルシー!
パンよりもご飯のほうがヘルシーですが、食事制限ダイエットで1番重要なのは全体の栄養バランスです。炭水化物も人間に必要な栄養素なので、完全に断ってしまうのはおすすめできません。食品の栄養に偏りのないよう、バランスよく摂取しましょう。
ジョイントの食事で1日の栄養バランスを整えよう!
毎日当たり前のようにとっている食事は、身体に栄養を与えるという非常に重要な役割を
果たしています。ただ、そのためにはバランスが大切です。
ジョイントの食事で栄養バランスを整え、強い身体作りを行っていきましょう。
管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。