健康情報
2022.04.12
「胆石」にいい・よくない食べ物は?なりやすい人の原因や予防のためにできる6つのこと
胆石とは
胆石とは、胆汁やコレステロールが胆のうや胆管で固まって石(結石)になった病気です。結石のある部位により、胆のう結石、肝内胆管結石、総胆管結石に分けられます。通常は、胆のう結石のことを胆石と呼びます。胆汁は、脂肪の乳化やたんぱく質の分解を促進させる消化液です。肝臓で生成されて胆管を通り、胆のうに蓄えられます。食事を摂取すると胆のうを収縮させて胆汁を出し、脂質やたんぱく質の消化吸収を補助します。
症状
石ができても症状が出ないことも多いのですが、典型的な発作症状は以下のとおりです。
- みぞおちの部分に激しい痛み
- 吐き気や嘔吐
- 発熱
また、これに加えて右肩や背中の痛みを併発する場合もあります。
検査方法
胆石症は、超音波(エコー)検査でほぼ確実に見つかります。画面に胆のうを映しだし、胆石の有無や大きさを調べるのです。そのほか、X線(レントゲン)撮影や血液検査、CTスキャン検査などが行われる場合もあります。
治療方法
無症状の場合は、特に治療は行わずに経過観察となります。胆石が詰まって発作による痛みが出た場合は、痛み止めを飲みながら詰まりが取れるのを待ちます。取れた胆石は、尿や便から排出されることがほとんどです。しかし、胆石が大きかったり胆のう炎や胆管炎を起こしたりと急を要する場合には、外科手術で胆石を取り出すこともあります。
胆石症の原因
ここでは、胆石症の原因と胆石によくない食べ物について解説します。
胆石になりやすい人の特徴
胆石症になりやすい人の特徴は、以下のような生活習慣や食生活に問題がある場合がほとんどです。
- 肥満
- 運動不足
- 脂っこい食べ物が好き
- 朝食の欠食傾向 など
また、そのほかにも「4つのF」と呼ばれる特徴があります。
Forty(40代以上)
40代は、身体にさまざまな不調が出てきやすい年代です。胆石症も例外ではなく、比較的40代以上に多くみられます。
Fatty(肥満)
結石の原因となる血中コレステロールは、肥満になると高くなる傾向にあります。
Female(女性)
女性ホルモンは、40代以上で減少傾向にあります。そのため、血中コレステロール値も上がりやすくなり、胆石ができやすいといわれています。
Fecund(多産婦)
妊娠中はエストロゲンやプロゲステロンなど女性ホルモンの影響により、血中コレステロール値や中性脂肪が高くなります。多産婦の場合は血中コレステロール値が高くなっている期間が長いため、胆石ができやすくなります。
胆石予防によくない食べ物
コレステロールや脂肪分が高く脂っこい食品を多く摂ると、脂質を消化吸収するために胆汁酸を多く必要とします。胆汁酸が必要以上に分泌されると胆石ができやすくなってしまうため、揚げ物や脂身が多い肉類の摂取は控えましょう。コレステロールが多い食べ物は、以下のとおりです。
100gあたり | コレステロール(mg) |
うなぎ | 230 |
いくら | 480 |
たらこ | 350 |
あん肝 | 560 |
鶏卵 | 370 |
豚レバー | 250 |
鶏レバー | 370 |
牛レバー | 240 |
出典:文部科学省「食品成分データベース」
胆石症を予防するための6つの方法
胆石症の原因は、ホルモンの影響や食事内容、生活リズムなど、さまざまな因子が関与しています。ここでは、胆石症を予防するための方法を6つに分けて解説します。
バランスのとれた食事を意識する
和食中心の、バランスのとれた食事を摂取しましょう。洋食中心の食生活は、無意識のうちに糖質や脂質を摂りすぎる可能性があります。脂身の少ない肉や魚、豆類、乳製品、食物繊維を多く含む野菜やきのこ、海藻類などをバランスよく組み合わせて摂取しましょう。
食物繊維を積極的に摂取する
胆石症には、食物繊維を多く含む食べ物がいいとされています。特に水溶性食物繊維には体内のコレステロール吸収の抑制や胆汁を排出させる働きがあるため、積極的に摂取しましょう。水溶性食物繊維を多く含む食べ物は、以下のとおりです。
100gあたり | 水溶性食物繊維(mg) |
納豆 | 2.3 |
オクラ | 1.4 |
ごぼう | 2.3 |
アボカド | 1.7 |
かぶ | 1.7 |
さつまいも | 0.9 |
かぼちゃ | 0.7 |
出典:文部科学省「食品成分データベース」
ビタミンCを積極的に摂取する
ビタミンCには、胆汁酸の排出を増加させる作用があります。ビタミンCは水溶性で大量に摂取しても不要な分は体外へと排出されるため、過剰症の心配はありません。ビタミンCを多く含む食べ物は、以下のとおりです。
100gあたり | ビタミンC(mg) |
ブロッコリー | 140 |
カリフラワー | 81 |
ほうれん草 | 35 |
みかん | 35 |
いちご | 62 |
赤ピーマン | 170 |
黄ピーマン | 150 |
オレンジ | 60 |
出典:文部科学省「食品成分データベース」
3食しっかりと摂取する
食事を抜くことが多かったり食事時間が不規則だったりする場合、1度に大量の食べ物を摂取すると大量の胆汁が排出されます。その結果、胆汁濃度が濃くなり胆石ができてしまう場合があるのです。3食を決められた時間に摂取することにより、バランスよく胆汁が排出されます。
水をたくさん摂取する
水分が不足すると胆汁の濃度が濃くなり、結石ができやすくなります。水分の摂取は便秘の予防や改善も期待できるため、こまめに水分補給をしましょう。同じ水分でもコーヒーなどの刺激物は、胆石症を悪化させる可能性があります。できるだけ「水」を摂取しましょう。
脂質やコレステロールを控える
脂肪やコレステロールの摂りすぎは結石を形成しやすく、胆石症になりやすいので控えましょう。すでに胆石がある場合は、大きくなる可能性があります。甘いものも血中の中性脂肪を増やしてしまうため、控えるようにしてください。
過度なアルコール摂取に注意
適度であれば問題ないですが、アルコールの大量摂取は胆汁濃度を上げてしまうため、注意が必要です。
適度な運動習慣を身に付ける
肥満は胆石症によくないため、適度な運動習慣を身に付けましょう。適度な運動習慣は暴飲暴食や肥満の予防になり、健康的な身体を作る基礎となるのです。さらに、胆汁の流れを良好にします。
胆石があるといわれた場合は症状を悪化させないように注意
無症状の胆石症は治療する必要はなく、経過観察を行いながら自然に胆石が体外へ排出されるのを待ちます。そこで重要となるのが、悪化させないことです。無症状だからといって不規則な食生活を続けると胆石が大きくなり、症状が出てしまう場合もあります。胆石があると診断された場合は生活環境の見直しをはかり、規則正しい食生活に改善しましょう。
発作の痛みが強い場合におすすめの食べ物
発作の痛みが強く通常の食事が取れない場合は、お粥などの消化にいい流動食から始めましょう。脂肪が多く消化の悪いものや刺激物は避けてください。ほうれん草や白菜などの葉物野菜、りんごのすりおろし、豆腐などがおすすめです。痛みの経過を見ながら、少しずつ形のある食べ物に移行しましょう。
バランスの取れた食事を手軽に摂取する方法
胆石があると診断されてからすぐに食生活を変えるのは難しいと思います。
そこで、オススメなのが管理栄養士が監修している健康管理食、ジョイントのお弁当。
メニュー数が豊富で、和洋中全てのジャンルが揃っているため飽きづらいです。
また、冷凍のお弁当なのでレンジで温めるだけで手軽にバランスの取れた食事が摂取できます。
規則正しい生活とバランスのとれた食事で胆石を予防しよう!
胆石症の予防には、規則正しい生活とバランスの整った食事が重要です。適度な運動習慣をつけ、胆石予防にいい食品とよくない食品を意識しながら胆石症を予防しましょう。また、すでに胆石がある人は生活環境や食事内容を見直して、悪化しないように心がけてください。
管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。