産後の食事で気をつけることは?ママが摂るべき栄養とおすすめの食品を紹介 - 健康管理食ジョイント

食事療法

2022.03.09

産後の食事で気をつけることは?ママが摂るべき栄養とおすすめの食品を紹介

産後の食事で気をつけることは?ママが摂るべき栄養とおすすめの食品を紹介
馬塲 耕造
監修

馬塲 耕造

産後のママは出産で消耗した体力や体を元に戻すため、これから迎える授乳期のためにも食事で栄養を摂らなければいけません。この記事では、産後のママが摂るべき栄養素とその理由、注意点やどんな食品が効果的かを紹介します。
もくじ

産後はたくさんの栄養が必要!

妊娠中の女性は栄養バランスの整った食事が大切ですが、産後の体もたくさんの栄養を必要とします。体型を元に戻すために大量のエネルギーを使い、母乳を作るために大量の血液が必要です。とはいえ、産後は毎日の育児が大変で、食事の用意すらままならないこともあります。産後は一人で頑張らず、夫や両親、友人の助けを借りながら体の調子を元に戻す生活を送りましょう。

産褥期とは?

出産で変わった骨盤やホルモンバランスなどを元に戻すため、体は多くの栄養を回復に使います。産後の体を産前に戻すまでの6〜8週間を、「産褥期(さんじょくき)」と呼びます。この期間は、食事や運動で体調を元通りにすることに専念しなければなりません。

「疲労回復」「血液づくり」「筋肉づくり」を重点的に!

産後の食事で注目すべき点は、「消耗した体力を回復させる」「母乳の元になる血液を作る」「筋力を元に戻す」の3点です。栄養バランスに偏りがでないように、スタミナのつく食事を心がけましょう。

まだ調子が戻らない、育児で十分な食事が用意できないという人もいることでしょう。そんなときは食事の宅配サービスやフードデリバリーなどの便利なサービスを、期間を限定して利用するのがおすすめです。

産後のママが積極的に摂るべき5つの栄養素

産後の食事では、以下の5つの栄養素を積極的に摂取するようにしましょう。これから紹介する栄養素は、疲労回復、造血作用、筋肉作りに必須の栄養素で、産後ケアにも必要になります。

葉酸

緑黄色野菜に多く含まれる葉酸は水溶性のビタミンで、「造血のビタミン」とも呼ばれる血液と密接な関係がある栄養素です。造血作用・細胞分裂の役割を担っており、産後で失った血液や、出産で変化した体型を元に戻すには必須になります。

鉄分

血液の素となる鉄分は、葉酸と同時に摂りたい造血に必須の栄養素です。不足すると貧血や作業能力の低下を招いてしまうので、産後摂るべき栄養素の中でも優先的に摂取しましょう。食材の持つ鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があり、ヘム鉄の方が吸収効率が高いです。その差は5〜6倍といわれます。食事で鉄分を摂取するときには、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」に注目しましょう。

ヘム鉄はレバーや牛肉など動物性食品に、非ヘム鉄はほうれん草やひじきなど植物性食品に含まれています。食事で積極的に摂取するならヘム鉄の方が吸収率が高いですが、だからといって非ヘム鉄がダメというわけではありません。非ヘム鉄もビタミンCなど、ほかの栄養素と一緒に摂ることで吸収率がアップします。

たんぱく質

筋肉や臓器、ホルモン物質、免疫を作るのに、たんぱく質は欠かせません。産後は変化した体形を元に戻すために、ママの体内では頻繁に細胞分裂が繰り返されます。新しい体を作るには、たんぱく質が大量に必要です。たんぱく質は疲労回復にも効果があるので、これから育児で頑張らないといけないママには必須の栄養素といえます。できれば、毎日の食事で摂るようにしましょう。

ビタミンC

ホルモンバランスの崩れや育児によるストレス、産褥期の疲労感を回復させる働きがあります。ビタミンCを多く含む食品はかんきつ類やフルーツなど、酸味のあるフルーツです。酸味のある食品は食欲を増進させる力があるので、産後で食欲がわかないときの助けにもなってくれます。食品以外だと、ビタミンC飲料もおすすめです。

カルシウム

カルシウムの役割といえば、骨を作ることです。産後のママの体は骨が弱くなっているので、牛乳や小魚などでカルシウムを積極的に摂取しましょう。これから母乳を作るのにもカルシウムがたくさん使われるので、授乳期が終わるまでは毎日摂取しておきたい栄養素でもあります。

授乳期は水分をたくさん摂ろう

赤ちゃんに母乳をあげる授乳期は、5つの栄養素のほかに水分の十分な補給も重要です。授乳期のママの体は母乳を作るので、水分が今まで以上に消耗されます。母乳の成分は約90%が水分なので、それを見越したうえでたくさんの水分を摂取しましょう。目安としては、1日に2000ml〜2500mlが必要です。食事中じゃなくても、こまめに摂取するようにしましょう。

摂ってはいけない栄養素は?

ママが食事で摂取した栄養素は、その一部が赤ちゃんに送られます。それは栄養があるものだけではなく、赤ちゃんに悪影響があるものも同じです。妊娠中・産褥期・授乳期の間は、以下の成分を持つ食品や飲料は摂取を控えるようにしましょう。

アルコール

酒類のアルコールは、産後のママにも赤ちゃんの発育にも悪影響を与えます。出産後であっても母乳の一部となって赤ちゃんに送られてしまうので、授乳期が終わるまでは控えるようにしましょう。

カフェイン

産後のカフェインは、アルコールと同じく赤ちゃんの発育に悪影響を与えます。コーヒーはもちろん、お茶やエナジードリンクにもカフェインは含まれています。気付かないうちに食事で摂取していた、なんてことにならないよう注意しましょう。

 

産後のママにおすすめの食品

産後のママは、必要な栄養素を食事で効率よく摂取しなければなりません。しかし体力があまりない産後に、栄養を気にしながら食事を用意するほどの元気がない人もいることでしょう。ここからは、ママに必要な栄養素を手軽に摂取できるおすすめの食品を紹介します。

納豆や煮豆などの大豆食品

大豆の加工食品は、たんぱく質が豊富でそのまま食べられるものが多いです。肉類や魚類もたんぱく質が豊富ですが、調理する労力がかかります。産後の体調や育児による疲労感があるときは、料理の必要がない大豆の加工食品を利用しましょう。

冷凍カット野菜

冷凍カット野菜は、すでに火が通っていて食べやすい大きさにカットされています。電子レンジでチンしたり鍋で茹でたりと調理が簡単なので、産後のママにおすすめです。また、保存できるのでまとめて買っておけば、買い物に行く回数を減らせます。

たんぱく質の多い卵は、「完全栄養食品」といわれるほど高い栄養価を持っています。生でも火を通しても食べられて調理もとても簡単で、レシピのバリエーションも豊富です。たんぱく質は毎日継続して摂取するべき栄養素なので、食事に取り入れやすい卵は積極的に活用しましょう。

あさり・しじみなどの貝類

あさりやしじみなどの貝類には、吸収率の高いヘム鉄を多く含んでいます。鉄分は血液や母乳の素になるので、産後は優先的に摂取しなければなりません。あさりやしじみなら味噌汁やスープに入れるだけなので、手軽に鉄分を摂取できるのがポイントです。

牛乳

カルシウムの代名詞ともいえる牛乳は、産後のママにおすすめです。よく、授乳期に牛乳を飲むと乳腺炎にかかったり、赤ちゃんが牛乳アレルギーになったりするという説がありますが、科学的な根拠は存在しません。カルシウムが不足するほうが問題なので、摂取するようにしましょう。

食事を摂るうえでの注意点

産後のママは健康のためにもたくさんの栄養を摂らないといけませんが、やみくもに食事をすればよいわけではありません。紹介した5つの栄養素と水分を多めに摂取するのを心がけましょう。以下で、食事中に注意すべきポイントを紹介します。

焦って食べ過ぎないようにしよう

早く回復しなければと思うあまり焦ったり、急に食欲がわいて食べ過ぎたりしないようにしましょう。たくさん食べれば早く回復するわけではありません。むしろ、食べ過ぎは胃などの臓器にいらない負担をかけてしまうので、やめておきましょう。産後に必要な栄養素を摂りながら、食事全体のバランスを保つことも大切です。

塩分・脂質・糖質の過剰摂取は厳禁!

育児で料理する余裕がないからといって、ファストフードやコンビニ食などに頼りすぎるのはよくありません。スーパーのそうざいやコンビニ弁当、ファストフードは、塩分や脂質、糖質が多いので注意しましょう。たまにであれば問題ありませんが、毎日続けると母体や赤ちゃんにも悪影響になってしまいます。

シュウ酸を多く含む食材を避ける

ミネラルや葉酸を摂取するために緑黄色野菜を摂取するのはとてもよいことですが、シュウ酸の量には注意しましょう。シュウ酸は、産後のママに必要な鉄分の吸収を阻害する働きがあるため、摂取量が多くならないよう気をつけないといけません。

赤ちゃんのためにもしっかり栄養を摂ろう!

産後は、ホルモンバランスの崩れや育児によるストレスがかかります。また、出産で消耗した体を元に戻すことにも苦労するでしょう。

食事はないがしろにされがちですが、赤ちゃんのためにも一番栄養を摂らないといけない時期です。手軽に摂取できるおすすめの食品を活用しながら、5大栄養素を積極的に摂取するように心がけましょう。食事に気が回らないときは、周囲の助けを求めたり便利な宅配サービスを使ったりして乗り切るのもおすすめです。

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ジョイントの宅配御膳はすべて管理栄養士監修、5大栄養素をバランスよく摂取できます。しかも「保存料」や「添加物」は一部の既製品の材料に含まれる以外、調理の工程では使用しません。

育児で忙しい時、宅配でお届け、食べたいメニューを電子レンジであたためるだけです。

また喫食前のシール開封なので、体力回復が望まれる大事なときに衛生的にも安心です。

適度な水分とジョイントの宅配御膳を是非お試しください。

 

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馬塲 耕造
監修株式会社ジョイント
監修馬塲 耕造

管理栄養士馬塲 耕造

1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。