2022.03.03
メタボは食事で改善できる!基本のとり方や食品に注意して健康体を取り戻そう
- もくじ
メタボになるとどうなるのか?
メタボは、生活習慣病になる一歩手前の危険な状態です。生活習慣病とは、糖尿病や脂質異常症などの主に動脈硬化が原因で起こる病気をいいます。特に糖尿病になると、失明などの合併症を引き起こす可能性があるため、「メタボ=重篤な病気になる前兆」といえるでしょう。
健康診断で確認すべき項目
メタボは健康診断の項目で判断ができます。メタボ疑惑がある人は、以下の項目の数値を確認しましょう。
メタボの診断基準
腹囲 | 血圧 | 血糖 | 血中脂質 |
男性:85cm以上
女性:90cm以上 |
最大:130mmHg以上
最小:85mmHg以上 |
空腹時血糖:110mg/dL | 中性脂肪:150mg/dL以上
HDLコレステロール:40mg/dL未満 |
出典:厚生労働省「メタボリックシンドロームの診断基準」
上記の通り、4つの項目が基準となります。このうち、腹囲の数値が該当していることを前提に、「血圧」「血糖」「血中脂質」のいずれかの数値が2つ以上当てはまっている場合は、メタボと診断されるので注意が必要です。
メタボの原因は内臓脂肪にある
メタボは内臓脂肪の蓄積によって引き起こされます。内臓脂肪が蓄積されると、脂肪細胞から「アディポサイトカイン」というホルモンが異常に分泌されます。それによって脂質や糖質の代謝が滞り、血液中の中性脂肪や糖の値が上昇します。結果として、血管の内側にコレステロールなどがたまり、動脈硬化を招くのです。
メタボの改善・予防は食事コントロールが基本
メタボの改善や予防をするには、内臓脂肪を減少させることが必要です。摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、脂肪が体内に蓄積されます。普段の食事を見直すことは基本として、食事コントロールにおける基礎知識を身につけることが重要です。
メンテナンスカロリーを知る
メンテナンスカロリーとは、その人の体重が維持されるカロリーのことです。言い換えるなら、「摂取カロリー=消費カロリー」という状態です。つまり、「摂取カロリー<消費カロリー」という状態にすれば、理論上は体脂肪を落とすことができるのです。そのためには、メンテナンスカロリーを知り、食事量をコントロールする必要があります。
自分のメンテナンスカロリーがわからない人は、体重の推移を1〜2週間ほど観察してみてください。週ごとの体重に変動がなければ、その食事量があなたにとってのメンテナンスカロリーです。そこから体重(体脂肪)を落とすには、食事量を減らしてみましょう。
栄養バランスを整える
体脂肪を減らすには「摂取カロリー<消費カロリー」が大前提です。しかし、ただカロリーを抑えればいいというわけでもありません。栄養バランスも整える必要があるのです。
たとえば、1000kcalをアイスクリームだけで摂るのと肉だけで摂るのとでは、体に対する効果が全く違います。アイスクリームには砂糖が大量に使われているため、血糖値を急上昇させやすく中性脂肪の合成を促進します。その一方で、肉にはたんぱく質が含まれているので、消化運動による代謝アップが期待できたり、筋肉の材料になったりします。
特定の食品ばかりに偏りがちな人は、今一度、栄養バランスを見直してみましょう。
塩分の摂り過ぎにも気をつける
塩分の過剰摂取は、高血圧のリスクを助長します。メタボは動脈硬化によって、血管壁に圧力がかかっている状態です。塩分を摂取すると血中の塩分濃度が上昇し、それを薄めるため水分が引き込まれるので、さらに血管へ負担がかかります。高血圧対策の食事として、減塩食が売られているのはそのためです。
1日の塩分摂取量の目安は、男性で7.5g未満、女性で6.5g未満になります。ラーメン一杯には6gほどの塩分が含まれており、簡単に目安量を超えてしまうので注意が必要です。
出典:公益財団法人長寿科学振興財団「ナトリウムの働きと1日の摂取量」
自分に合った食事方法を決める
食事はメタボの改善・予防において最も大切です。しかし習慣化された食生活をガラりと変えることは、簡単なことではありません。無理のない食事コントロールを継続するためには、自分に合った食事方法を決めることが重要です。
内臓脂肪を減らすための食事方法は、主に「糖質制限」もしくは「脂質制限」の2パターンです。食事において、糖質もしくは脂質を抑えることは重要です。お米やパンなどの糖質を日常であまり摂らない人であれば糖質制限、さっぱりとした食事が好きな人であれば脂質制限が取り組みやすいでしょう。
メタボ対策におすすめの食事メニュー
メタボを改善するには食事内容がカギです。簡単に作ることができ、味もおいしい食事メニューを紹介します。ぜひメタボ対策の食事として、取り入れてみてください。
メインメニュー
こちらで紹介するメインメニューは、どれも「低脂質」です。脂質は三大栄養素(たんぱく質・脂質・糖質)の中で、最もカロリーの高い栄養素です。したがって、脂質を抑えるだけでも大幅なカロリーカットにつながります。
魚定食
魚定食は、メタボ対策の食事におすすめです。脂質はなるべく抑えたいので、ホッケやタラ、サケなどの白身魚を使った定食を食べましょう。魚の脂質は、DHAやEPAといった中性脂肪、悪玉コレステロール値を低下させる良質なものです。したがって、青魚のような脂質が高いお魚でもメタボには効果的といえます。その分、カロリーは高くなりますが、1日の消費カロリーの範囲内であれば問題ありません。
低脂質カレー
一般的にカレーは高カロリーですが、市販で売られている低脂質のルーを使用すれば、ダイエット中でも食べられます。しかしカレーのみだとたんぱく質が不足しやすいので、鶏胸肉や鶏ささみといった低脂肪のお肉を追加しましょう。これらのお肉はパサつきやすい特徴がありますが、加熱をゆっくり行えば柔らかく仕上がります。なお、牛バラ肉などの高脂質なお肉を具材に使ってしまうと、低脂質カレーの意味がなくなってしまうので注意が必要です。
トマトリゾット
リゾットは米を使用することが一般的ですが、オートミールを代わりに使うことで、より栄養価を高くすることができます。また、炊飯器を利用すれば時短調理にもつながるのでおすすめです。
間食も活用する
三食だけだとお腹が空いてしまい、ドカ食いやお菓子を食べてしまう恐れがあるので、メインメニューとは別に間食も活用しましょう。間食の種類に気をつければ、むしろダイエットの味方になります。ただ、お菓子といった砂糖が含まれているものではなく、いも類や鶏肉など栄養価の高い食材を食べることがポイントです。
さつまいも
食物繊維が多く、腹持ちがとても良いです。GI値(食後血糖値の上昇度を表す指標)も低く血糖値が上がりにくいので、ダイエット中にはよく活用される食品になります。さつまいもを食べる際は、焼き芋のような加熱の仕方をしてしまうとGI値が一気に跳ね上がるため、茹でるもしくは蒸して調理するようにしましょう。
サラダチキン
鶏胸肉を食べやすいように加工した食品です。コンビニやスーパーで売られており、あらかじめ味付けがされているので手軽に食べられます。たんぱく質も十分に摂れるため、ダイエット中の間食におすすめです。そのままのかたちだと食べにくい場合は、お肉を手でほぐしてサラダに混ぜるとより食べやすくなります。
日常で食べている食品を見直してみよう
メタボは運動、喫煙、飲酒などの要因も関係していますが、内臓脂肪を減らす最も効果的な方法は食事改善です。今回解説した内容を踏まえて、いま一度、日常の食事を見直してみましょう。
ダイエットにはジョイントの糖質制限食を利用しよう!
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管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。