健康情報
2022.03.02
「梨」には身体に良い効能が豊富!健康や美容効果をもたらす栄養素や成分を解説
- もくじ
梨の栄養成分と効能
梨は健康に良い効果があるだけでなく、美容にも良い効果を期待できる栄養成分が豊富に含まれています。
ここでは、梨の栄養成分とそのうれしい効果について解説します。
梨に含まれる栄養素
梨1個(約300g)のエネルギーは、129kcalです。100gあたりに換算した栄養素は、以下のとおりです。果物のなかでも低カロリーで糖質の低い食べ物であるといえます。
- エネルギー…43kcal
- 糖質…10.4g
- 食物繊維…0.9g
梨は水分量がとても多く、100gあたり88gも水分を含んでいます。水分量が多いため栄養成分が少ないと思われがちですが、健康や美容にうれしい効果を示す栄養成分を豊富に含んでいます。
カリウム
梨には、100gあたり140mgのカリウムが含まれています。
細胞内の浸透圧を調整して血圧を低下させたり、筋肉や心筋の動きを活発にして血の巡りを正常に保ったりする働きがあります。この働きにより体内の余分な水分が体外へ排出され、むくみを予防し解消する効果が期待できるのです。
食物繊維
血糖値の急激な上昇を抑える効果や、糖質や脂肪の吸収を抑制する効果があります。
梨の食物繊維量は100gあたり0.9gで、そのうち0.7gは不溶性の食物繊維です。不溶性食物繊維は大腸で水分を取り込んで便のかさを増し、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進させる働きがあります。さらに、腸内の有害物質を吸着し、体外へ一緒に排出する働きもあります。
アスパラギン酸
たんぱく質を構成するアミノ酸の一種で、体内の有害なアンモニアを体外へ排出する働きがあります。また、疲労物質である乳酸をエネルギーに変換するのを手助けする役割もあります。
これらの働きにより体力が回復するのを早めるので、疲労回復効果が期待できるでしょう。
ビタミンC
皮膚のハリや健康な身体をつくるために必要な、コラーゲンの生成を手助けする働きがあります。さらに強い抗酸化作用があるため、シミを予防する効果があります。すでにできてしまったシミに対しては淡色化し、目立ちにくくするといった効果を得られるでしょう。
また、白血球の働きを活性化させることで免疫力を高め、病気を予防する効果も期待できます。
プロテアーゼ
たんぱく質を分解し、消化しやすくする働きがあります。また、肉や魚などのたんぱく質を分解して柔らかくするため、胃もたれを防ぐ効果も期待できます。
プロテアーゼは熱を加えると性質が変わってしまい、分解する働きが弱まってしまいます。できる限り生で食べるのが理想的です。
梨を食べると得られる効果
ここでは、梨の栄養成分が身体にもたらす効能について解説します。
疲労回復
梨に含まれているアスパラギン酸には、有害なアンモニアを排出する働きがあります。さらに疲労物質である乳酸をエネルギーに変換することで体力の回復を早め、疲労回復の効果が期待できます。]
便秘改善
梨に含まれるソルビトールは、腸内に水分を取り込むことで、便を柔らかくします。さらに腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして、排便をしやすくする働きもあります。
また、梨の石細胞とよばれる成分には食物繊維と同様の働きがあるため、便秘を改善する効果が期待できるでしょう。
むくみを予防
梨に含まれているカリウムには、体内の余分な水分を身体の外へ排出する働きがあります。この働きにより、むくみを予防し解消する効果が得られるでしょう。
また、アスパラギン酸には利尿作用があるため、カリウム同様、余分な水分を体外へ排出する働きがあります。
美白効果
梨に含まれるアルブチンという成分には、シミの原因となる黒色メラニンの生成を抑制する働きがあります。
また、ビタミンCにも同様のシミを予防し、肌を白く保つ美白効果があります。
肌のハリを保つ
ビタミンCはメラニンの生成を抑える働きや、コラーゲンの産生を促進させて肌のハリや弾力を高める効果もあります。
「ペントザン」のもつ保湿効果
ペントザンは、「石細胞」とも呼ばれる梨独特のシャリシャリという食感の成分です。このペントザンには高い保湿効果があるため、肌のハリや潤いを保ち、キメを整える効果が期待できます。
ポリフェノール効果で肌のハリを健やかに保つ
ポリフェノールには強い抗酸化作用があるため、摂取することで皮膚の細胞が活性化されます。細胞を活性化させることにより肌の炎症などが抑えられて肌を健やかに保ち、美肌効果が期待できます。
おいしい梨の選び方
梨には美容や健康に有効な成分が豊富に含まれていますが、せっかくならその栄養成分をおいしく摂取したいものです。ここでは、梨をおいしく食べられる時期や、その選び方について解説します。
梨の旬っていつ?
秋になるとスーパーや青果店に出回るイメージの梨ですが、梨の出荷は7月頃からはじまり、11月頃まで続きます。出荷が9月にピークを迎えるため秋の果物のイメージが強くありますが、なかには3月頃まで出回る品種もあるのです。
梨の品種は20種類以上もあり、出荷時期も多岐にわたります。インターネット通販などを利用すると、さまざまな品種の梨を楽しめます。
梨を選ぶときのポイント
梨の表面には、ザラザラとした「表面コルク」といわれる点があります。この表面コルクが未熟なうちはザラザラしていますが、熟すとともに目立たなくなります。
さらに完熟に近づくと表面はツルツルとなめらかで果実が柔らかくなり、甘味が増してきます。梨はおしりに甘味がたまるため、まん丸よりも横にひらべったく扁平したおしりのほうが甘味は強くなります。
梨の皮には、カリウムやソルビトール、アスパラギン酸といった美容に効果を示す栄養成分が豊富に含まれています。皮も一緒に食べることで梨に含まれる美容成分を余すことなく摂取できます。
完熟の梨の皮はツルツルして柔らかく食べやすいため、可能な限り皮も一緒に食べるのがおすすめです。
梨に豊富に含まれる成分をしっかり摂取して、美容と健康を維持しよう!
梨には、むくみ予防や便秘の改善、肌の調子を整えるといった健康や美容に効果的な栄養成分が豊富に含まれています。また、梨の皮にも美容に効果的な成分が豊富に含まれているのです。おいしい梨を皮ごと摂取し、美容と健康を維持しましょう。
美容と健康にはお食事から!ジョイントの健康管理食を試してみませんか?
ジョイントの健康管理食「多幸源Ⅱ」は野菜をふんだんに使い、たんぱく質や脂質、炭水化物にも配慮しています。
手軽に健康管理食を試してみませんか?
管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。