2022.02.09
ホルモンバランスを整える飲み物4選。心の健康を維持する栄養素について大調査
ホルモンバランスの乱れは心の健康に影響を及ぼす
ホルモンバランスが乱れると、女性ホルモンが適切な量を分泌できなくなり、心の健康に影響を及ぼします。女性ホルモンには、精神をコントロールする働きのある自律神経を整えてくれる役割があります。そのため、女性ホルモンの分泌量が不安定になると、精神的な不調を招くのです。憂鬱な気分やイライラが続く場合は、ホルモンバランスを整えてみましょう。
女性ホルモンの分泌量が減少する原因
女性ホルモンは、加齢やストレス、栄養バランスの偏りなどによって分泌量が減少します。
特に加齢による減少量は多く、40歳半ばから50歳半ばのいわゆる「更年期」はその影響が顕著です。更年期障害はまさに、女性ホルモンの分泌量が低下することで引き起こされます。
また、加齢とは関係なく、日常生活でのストレスや栄養バランスの偏りによって、正常なホルモンバランスを保てなくなることもあります。ホルモンは脳が指令を出して分泌されますが、ストレスを受けると脳の機能が低下し、正常なホルモンバランスを保てなくなるのです。
女性ホルモンの分泌量をなるべく安定させる方法
女性ホルモンの分泌量を安定させるには、日常生活でストレスを軽減させ、栄養バランスを整える必要があります。加齢は食い止められませんが、日常生活は整えられるはずです。
ストレスを過度に感じている人は、原因を突き詰めてみましょう。すぐに解決できそうにない場合は趣味を楽しんだり、自然に触れたり、信頼できる人に相談をしてストレスを減らす方法を見つけることが大切です。
また偏った食生活ではなく、バランスよく栄養素を摂取しましょう。栄養はホルモンの代謝に関わるため、特にホルモンバランスを整える栄養素を積極的に摂取しましょう。
ホルモンバランスに関係する栄養素
栄養素の種類は実にさまざまで、その一つ一つに体内での役割があります。
以下で説明する栄養素は女性ホルモンの合成や、ホルモンバランスの乱れによる体の不調を緩和するような効果が期待できるので、参考にしてみてください。
鉄
主に動物性由来の鉄を「ヘム鉄」、植物性由来の鉄を「非ヘム鉄」と呼びます。ヘム鉄は非ヘム鉄に比べて体内への吸収率が高いことが特徴です。女性ホルモンであるエストロゲンの合成に関与します。
エストロゲンは、自律神経を整える役割があります。鉄の摂取量が不足すると精神的な不調や妊娠しにくい身体になるなど、健康面でのリスクがあるのです。
鉄は、主に以下の食品に多く含まれています。
- レバー(肝臓)
- カツオ
- イワシ
- 小松菜
- ほうれん草
推奨量(18歳以上の月経ありの女性):8.5〜9.0mg/日
参考:公益財団法人長寿科学振興財団「ミネラル成分の鉄分の働きと1日の摂取量」
ビタミンCも同時に摂取すると吸収効率がよい
ビタミンCは、非ヘム鉄を体に吸収させやすい状態に還元する作用があります。
ホルモンバランスを整えるうえでは直接関与しませんが、鉄の吸収率がアップします。鉄が含まれる食品と一緒に、ブロッコリーやパプリカなどのビタミンCが豊富な野菜を食べましょう。
推奨量(18歳以上の女性):80〜85mg/日
参考:公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンCの働きと1日の摂取量」
ビタミンB群
女性ホルモンであるエストロゲンがうまく働くよう、サポートする役割があります。
ビタミンBは、ビタミンB1、B2、B6、B12など全て合わせると8種類あります。このうち、ホルモンバランスに最も関係する栄養素はビタミンB6です。野菜にはほとんど含まれておらず、肉や魚に多く含まれます。
ビタミンB6が豊富に含まれる食品には、以下が挙げられます。
- マグロ
- カツオ
- サケ
- レバー
- 鶏ささみ
推奨量(18歳以上の女性):1.1mg/日
参考:公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量」
脂質
脂質の一種であるコレステロールは、ホルモンの材料になります。コレステロールは、ホルモンバランスを整えるうえで必要不可欠な栄養素です。
コレステロールが過度に不足すると、ホルモンの生成に悪影響を与える可能性があります。
ただ、コレステロールのほとんどは体内で合成されるため、普段の食事で意識的に摂取する必要はないでしょう。極度にカットしなければ、問題ありません。
カルシウム
骨密度の低下を防ぐ役割があります。特に閉経後の女性はホルモンバランスが乱れる影響で骨量も減りやすくなるため、積極的に摂取するのがおすすめです。カルシウムは、食品によって吸収率に差があります。とりわけ乳製品は食品の中でも吸収率が高いので、効率よくカルシウムを摂取できるでしょう。
カルシウムが多く含まれる食品は、以下のとおりです。
- 干しエビ
- 煮干し
- 牛乳
- 生揚げ
- 水菜
18歳以上の女性:500〜550mg/日
参考:公益財団法人長寿科学振興財団「カルシウムの働きと1日の摂取量」
ホルモンバランスを整える飲み物4選
ホルモンバランスを整えるには、栄養素を偏りなく摂取することが大切です。
ここからはホルモンバランスを整える飲み物を、4つ紹介します。それぞれの飲み物に含まれる栄養素は異なるため、順を追って詳しく見ていきましょう。
豆乳:鉄
ホルモンバランスを整えるうえで、最もおすすめする飲み物です。豆乳は100gあたり、1.2mgもの鉄分を含んでいます。そのため、鉄分摂取を目的にして飲んでもよいでしょう。
また、豆乳は女性ホルモンのエストロゲンと化学構造が酷似しており、似たような働きをします。
毎日の食事で200ccほどの豆乳を取り入れるだけでも、不足しがちな鉄を補えます。
煎茶:ビタミンC
緑茶の一つである煎茶は、100gあたりで6mgのビタミンCを含んでいます。煎茶はカロリーがゼロに等しく、日常に取り入れやすいのでおすすめの飲み物です。
ビタミンCは鉄の吸収率を高めるため、鉄が含まれる飲み物や食べ物と組み合わせて摂取していきましょう。
栄養ドリンク:ビタミンB群
ビタミンB群を飲み物で摂取する際は、栄養ドリンクが最も効率的な摂取方法になります。ホルモンバランスを整えるためには欠かせない栄養素なので、食生活が乱れがちな人は活用してみてください。
ビタミンB6をメインに摂取する場合は、以下の飲み物がおすすめです。
- チョコラBB(ビタミンB6:10mg/本)
- アリナミンV(ビタミンB6:10mg/本)
- リポビタンD(ビタミンB6:5mg/本)
牛乳:カルシウム
カルシウムは神経興奮を抑える効果が期待できるため、精神状態を整えるうえで役立つ栄養素です。低脂肪牛乳100gあたりに含まれるカルシウム量は130mgなので、飲み物の中でも豊富に含まれているといえます。直接的に神経の興奮を抑える飲み物として、日常に取り入れていきましょう。
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管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。