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2022.02.07
食事で気分を上げよう!心が疲れたときにおすすめな食べ物を解説
- もくじ
心と食べ物の関係って?
美味しいものや好きなものを食べると気分が上がったり、温かいものや手料理で心が和んだりします。実は、心と食べ物にはさらに深い関係があるのです。
ホルモンが気分を上げる
ホルモンは食べ物を材料として作られ、ホルモンの分泌によって、感情は左右されます。心(脳)が幸せを感じるときは、私たちの体からセロトニンという幸せホルモンが分泌されています。その幸せホルモンが脳に届き、幸福感や安らぎといった感情になるのです。また、心の疲れや不安を感じさせるホルモンも分泌されています。
心が元気になるホルモン
セロトニン(幸福感)・ドーパミン(高揚感)などがあります。アドレナリンは、やる気を出すホルモンです。
ホルモンはどこで作られるの?
一昔前は、脳でホルモンが分泌されるといわれていました。近年わかってきたのは、「ホルモンは体のさまざまな場所で分泌され、それぞれの場所でそれぞれの働きをする」ということです。
では、私たちに幸せや安らぎ、やる気を起こさせるホルモンは、どこで分泌されるのでしょうか。
腸
腸は第2の脳と呼ばれています。食べ物から栄養を吸収していらないものを排せつするだけでなく、さまざまな働きがあります。
腸の働き
腸の主な働きは、以下の通りです。
食べ物から栄養素を吸収し、いらないものを排泄する
- 免疫細胞を作る
- ホルモンを分泌する
- 幸せホルモンと呼ばれるセロトニンは、90%が腸で分泌されます。これらの働きをよくするためには、腸を綺麗で元気にしておくことが大切です。
腸を元気にする食事
食物繊維やビフィズス菌を含む食品を、毎日の食事に加えましょう。腸が元気に働いて幸せホルモンが分泌されやすくなり、心が疲れたときでも安らぎを感じやすくなります。以下の食事がおすすめです。
- 野菜たっぷりのスープや鍋物、煮物
- 日本古来の発酵食品の漬物、納豆、具材たっぷりのみそ汁
- 野菜や果物のスムージー
筋肉
実は筋肉からも、セロトニンなどのホルモンが分泌されています。
筋肉の働き
筋肉の働きは、以下のとおりです。
- 体を動かす
- 体を守る
- ホルモンを分泌する
筋肉を動かすときに分泌されるホルモンは、心が疲れたときでも気持ちを明るくする作用があります。心が疲れたときにストレッチや運動をするとすっきりとした気持ちになるのは、そのためです。
筋肉を作る食事
筋肉を作るのは、アミノ酸と呼ばれるたんぱく質です。たんぱく質を多く含む食べ物をしっかりと摂ることで十分な筋肉が作られ、セロトニンが分泌されやすくなります。
たんぱく質を多く含む肉や魚、豆類、卵などをバランスよく取り入れた以下のような食事を心がけましょう。
- 鶏の胸肉の蒸し鶏
- 豆の水煮を入れたスープやカレー
- 豆のサラダ
- 豚ブロック肉と野菜を煮込んだポトフ
気分を上げる栄養素
腸や筋肉の働きを活発にして、心が疲れたときでも気分を上げるホルモンを分泌するために必要な栄養素を紹介します。心が疲れたときには、これらの栄養素を含む食材を使った食事を積極的に摂るようにしましょう。
たんぱく質
体の細胞全てを作る栄養素です。腸や筋肉の細胞をしっかりと作り、幸せや安らぎ、やる気に関わるホルモンが分泌されやすくなります。1日に60gのたんぱく質を摂ることを意識しましょう。
トリプトファン
必須アミノ酸の1つであるトリプトファンは、セロトニンを増やします。幸せホルモンであるセロトニンが増えれば幸福感や安らぎを感じやすくなり、心の回復が早くなるでしょう。トリプトファンを多く含む食べ物は、大豆製品、乳製品、米などの穀類です。
チロシン
やる気を起こさせるドーパミンや、集中力を高めるノルアドレナリンの材料です。心が疲れたときは、ストレスを和らげる効果があります。チロシンを含む食べ物は、乳製品や大豆製品、ナッツ類です。
ミネラル
ホルモンを作るためには欠かせない栄養素で、精神のバランスを整えるのに大切な働きをします。特に心が疲れたときには、以下の必須ミネラルをバランスよく摂る必要があります。
- カルシウム
- ナトリウム
- カリウム
- マグネシウム
- 亜鉛
- 鉄 など
鉄
セロトニンやドーパミン、ギャバを作るのに欠かせない栄養素です。鉄は、赤身肉やレバー、緑黄色野菜に多く含まれます。毎日の食事で、これらの食べ物を積極的に摂りましょう。
ビタミンB群
たんぱく質の代謝やホルモンを作るのに欠かせない栄養素で、チームで働きます。そのため8種類のビタミンB群をバランスよく摂る必要があります。
ビタミンB6
たんぱく質の代謝に必要不可欠な栄養素です。セロトニンやドーパミンの分泌とも深く関わりがあります。心が疲れたときには、たんぱく質と共にビタミンB群を多く含む食べ物を食べましょう。ビタミンB6を多く含む食べ物は、ささみなど油の少ない肉類、バナナや玄米などです。
ナイアシン
心のバランスを取る、大切な栄養素です。ナイアシンが不足すると、セロトニンが作られにくくなります。ナイアシンを多く含む食べ物は、鶏むね肉やささみ、レバーや落花生などです。
DHA・EPA
魚の油に含まれる、DHA・EPAには抗鬱効果があります。心が疲れたときには、DHA・EPAを含む食べ物を積極的に摂りましょう。
心が疲れたときにおすすめな食べ物
体のだるさや心の疲れを感じたときにおすすめな食べ物を、紹介します。
卵
栄養バランスが優れた食べ物で、ホルモンや筋肉の材料であるたんぱく質が豊富に含まれています。筋肉を増やしたり気持ちを落ち着かせたりするコリンや、神経の働きを助けるビタミンB12も摂れます。心が疲れたときだけでなく、毎日食べるのがおすすめです。
サーモン
心が疲れたときに調子を整える、DHA・EPAが豊富に含まれます。日々の食事に積極的に取り入れてほしい食べ物です。
カッテージチーズ
気持ちを落ち着かせる効果のある食べ物です。セロトニンの材料である、トリプトファンが豊富に含まれます。
バナナ
果物の中ではビタミンB群やタンパク質、食物繊維の多いべ物です。そのまま食べるだけでなく、スムージーにするのもおすすめです。
チョコレート
セロトニンを増やしたり、認知症を予防したりする効果があるといわれています。持ち運びしやすいので、心が疲れたときのためにカバンに入れておくとよいでしょう。
ピスタチオ
タンパク質・ビタミンB6・マグネシウムなどがバランスよく含まれており、快眠ナッツとも呼ばれています。最近ではピスタチオを使用したお菓子が販売されているため、積極的に取り入れてみましょう。
心の疲れに効く飲み物
コーヒー
コーヒーのカフェインには集中力を高める力があり、香りは心をリラックスさせてくれます。
抹茶
抹茶にはコーヒーと同じくらいのカフェインが入っているほか、ビタミンCも豊富です。コーヒーが苦手な人は、抹茶を飲むとよいでしょう。
白湯
体を温め、腸の調子を整えてデトックスしてくれる効果があります。50度くらいの白湯をこまめに飲んで、心と体を癒してあげましょう。
ポジティブになれるライフスタイルを心がけよう
心が疲れたときに気分を上げるには、普段のライフスタイルも大切です。心が疲れたときでもポジティブになるためには、体が望むことをしてあげるライフスタイルを目指しましょう。
例えば、以下のようなライフスタイルが挙げられます。
朝日を浴びる
朝起きたら、まずカーテンを開けて朝日を浴びましょう。セロトニンの分泌が促されて免疫力を高めるビタミンDも作られるので、明るく健康な心と体を作ります。
体を温める
血流がよくなると、ホルモンの分泌も盛んになります。お風呂に入ったり白湯などの温かい飲み物を飲んだり、体を温める食べ物を食べたりなどを意識してください。
適度な運動
筋肉を使うことで血流がよくなり、セロトニンが分泌されやすくなります。
質のよい睡眠
睡眠時に分泌される成長ホルモンは、細胞を修復して体と脳の疲れを取ります。ゆっくり入浴する、眠る前にハーブティーを飲むなど、自分なりのリラックス方法を見つけてください。
好きなことをする時間を作る
短い時間でも自分の好きなことをすればセロトニンやドーパミンが分泌され、心が明るくなります。
ジョイントの多幸源御膳で気分を上げて、心も体も元気になろう!
また、普段のライフスタイルも意識して、心が疲れたときでもポジティブになれるようにしましょう。
管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。