溜め過ぎはNG!ストレス予防に効く食べ物や対処法について解説 - 健康管理食ジョイント

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2022.02.03

溜め過ぎはNG!ストレス予防に効く食べ物や対処法について解説

溜め過ぎはNG!ストレス予防に効く食べ物や対処法について解説
馬塲 耕造
監修

馬塲 耕造

ストレスを感じた体内ではストレスに対抗するホルモンなどが分泌されますが、同時にさまざまな栄養素が消費されています。そのときに必要な栄養が不足すると、体に影響があらわれます。今回はストレス予防に効果的な食べ物や、一緒にとりたい対処法を紹介します。
もくじ

これってストレスのせい?不調と食べ物との関係は?

ストレスがかかると、体内ではそれに対抗しようとするホルモンが分泌されます。同時にホルモンをサポートする、さまざまな栄養素が消費されるのです。まずはストレス状態で消費される栄養素と、不足による肌や精神面といった体への影響を見ていきましょう。

ビタミン需要増大や抗ストレスホルモンによりお肌の健康に影響を及ぼす

抗ストレスホルモン生成にビタミンB群の需要増大で肌荒れや口内炎ができる

ストレスに対抗する際コルチゾールというホルモンが分泌され、たんぱく質の分解とビタミンB6を消費します。この栄養素が補充されないと肌細胞の代謝が悪くなり、肌荒れや口内炎がおきるのです。

またビタミンB1は神経機能や精神の安定、疲労の回復に働き、ストレスによる脳内物質伝達を正常化するために消費されます。不足すると不安定な精神状態、集中力の低下を引き起こすのです。

交感神経の興奮時に高まるビタミンCの消費がコラーゲン生成に影響

交感神経が興奮した状態では抗ストレスホルモンの合成が高くなり、それをサポートする副腎のビタミンCの需要が増加します。

ビタミンCは肌のコラーゲン生成に必須であるため、不足すると美肌作りにストップがかかります。

腸内環境の変化によるバリア機能低下で敏感な肌に

体内の水分が必要以上に蒸発しないよう働くのが、肌のバリア機能です。ストレスによる自律神経のバランス異常や腸内環境の変化でバリアできず、敏感な状態や毛穴トラブルにつながります。

ビフィズス菌や乳酸菌を含むプロバイオティクス食品は、腸内環境の整備に役立ちます。

ストレスにより男性ホルモン分泌量が増え皮脂量増加

ストレスを感じると、コルチゾールという抗ストレスホルモンが分泌されます。

それにより男性ホルモンも分泌されて皮脂が増加し、肌のべたつきやニキビの原因となります。

脳と腸はつながっている?自律神経の乱れが引き起こす胃腸の不調

交感神経が優位のときに胃もたれになりやすい

脳と腸は、自律神経を介して脳腸相関と呼ばれるほど密接なつながりがあります。

ストレスにより交感神経が優位になると、消化と吸収を抑制する方向に働いて消化力が落ちるため胃もたれが起きます。

反対に副交感神経が優位になりすぎると胃酸の分泌が過剰になり、胃の粘膜を荒らすことがあります。

精神的ストレスは下痢や便秘を引き起こす

不安や緊張などの精神的ストレスは腸管運動や腸管内の筋肉に影響を及ぼし、下痢や便秘を繰り返すようになります。

過敏性腸症候群などと診断された際には、炭酸飲料や冷たい飲料、香辛料、繊維質の多い食べ物を控えるといった注意が必要です。

ストレスからくるイライラや気分の落ち込みなどの心の叫び

溜めすぎたストレスでイライラ。神経の興奮に関わるミネラル

イライラする状態には、カルシウムとマグネシウムのバランスの崩れが関係しているのです。カルシウムは細胞を興奮させるのに対し、マグネシウムは興奮を鎮めます。

マグネシウムが不足してカルシウムが細胞内に流れ込みすぎると、神経の興奮を抑えられずにイライラが始まります。カルシウムとマグネシウムは、2:1が理想的なバランスです。

セロトニン不足で元気とやる気もダウン

セロトニンは、脳や神経の働きを安定させる神経伝達物質です。構成成分で必須アミノ酸であるトリプトファンは食べ物から吸収され、脳内に移動してセロトニンへ代謝されます。

睡眠のリズムを調節するメラトニンもセロトニンから合成されるため、寝つきのよさや睡眠の質に関わるのです。

アドレナリン放出で睡眠や免疫機能がピンチ

ビタミンの消費増大で風邪をひきやすくなる

ホルモン合成でビタミンCが消費され、アドレナリン分泌の影響で免疫機能が抑制されます。これにより、風邪や感染症にかかりやすくなるのです。

免疫機能の低下は、じんましんや湿しんなどのアレルギー症状を引き起こす恐れがあります。

交感神経の過剰な働きにより睡眠の質を下げることも

強いストレスにより自律神経のバランスが不安定で、交感神経が優位な状態になります。これは脳や体が活動的な状態となり、寝ようとしても寝付けないなど不眠の原因にもなるでしょう。

ストレス軽減や予防に効果的な栄養や食べ物とは?

ストレスを浴びた状態になると、体の中のさまざまな栄養素が消費されていることがわかります。ここからは、毎日のストレス予防に効果的な食べ物を紹介します。

神経やストレス緩和に有効なアミノ酸

トリプトファン

食べ物から摂取しないと体内で合成ができない必須アミノ酸で、脳や神経の安定を担うセロトニンの構成成分です。セロトニンからメラトニンへ変換されるため、快眠へとつながる重要な栄養素といえます。

含量の多い食べ物は、以下のとおりです。

  • 牛乳やチーズなどの乳製品
  • バナナ
  • 豆腐や納豆といった大豆製品
  • ごまやピーナッツなどのナッツ類

GABA(γアミノ酪酸)

抑制性神経伝達物質の1つです。ドーパミンなど興奮性の神経伝達物質の過剰な分泌を抑えることにより、神経を落ち着かせる作用が期待できます。また、血管の収縮を緩和させて血圧を下げる作用も注目されています。

GABAを含む食べ物は、以下のとおりです。

  • トマトやトマト缶詰
  • かぼちゃ
  • じゃが芋
  • ぶどう
  • メロン
  • バナナ
  • 発芽玄米
  • ぬか漬け など

最近では、菓子などの機能性表示食品も市販されています。

テアニン

お茶特有の旨み成分であり、リラックス状態の脳波であるα波を増加させることがわかっています。カフェインによる中枢神経の興奮を抑える作用や、覚醒作用から起こる睡眠障害などを改善するといわれているのです。

テアニンは、日光を遮って育てられた抹茶や玉露の茶葉に多く含まれます。

お肌の健康と抗ストレスホルモンのサポートに役立つビタミン類

ビタミンB1

脳神経のエネルギー源や疲労回復に働くビタミンB1は、イライラ予防にも効くビタミンです。

含量の多い食べ物は、以下のとおりです。

  • 豚肉
  • ぶり
  • ウナギ
  • しらす干し
  • 玄米
  • 胚芽精米
  • ひじきやワカメ
  • そら豆や大豆製品
  • えのきや舞茸

ビタミンB1は熱に弱く水に溶けやすいので加熱は短時間にし、スープとして摂取するなどで損失を防ぎましょう。また、にんにくの成分であるアリシンはビタミンB1の吸収を高めます。

ビタミンB2

髪や肌の健康維持や口内炎の予防によいとされるビタミンB2は、牛乳から発見された栄養素です。

含量の多い食べ物は、以下のとおりです。

  • プロセスチーズやヨーグルトなどの乳製品
  • レバーやウナギ
  • イワシ
  • ブリ
  • カレイ
  • ホタテ
  • 納豆 など

また、ビタミンCはビタミンB2の働きを高めるといわれているため、緑黄色野菜や芋類などと一緒に摂取しましょう。

ビタミンB6

たんぱく質の代謝や、セロトニンとドーパミンなどの神経伝達物質の合成に働くビタミンB6の含量が多い食べ物は、以下になります。

  • 牛や豚のレバー
  • 鶏ささみ
  • マグロの赤身
  • かつお
  • サケ
  • サバ
  • モロヘイヤ
  • さつま芋
  • バナナ
  • アボカド

体内での利用率を考えると、肉や魚などの動物性食品の方が効率よく補えるでしょう。

ビタミンC

抗ストレスホルモンの合成で消費量が増えるビタミンCは体に蓄積されにくいので、食べ物からの補給が必要です。緑黄色野菜や果物に多く、動物性の食べ物ではほとんど期待できません。

含量の多い食べ物は、以下のとおりです。

  • 赤ピーマン
  • キャベツ
  • ブロッコリー
  • カリフラワー
  • ゴーヤ
  • ほうれん草
  • じゃが芋
  • さつま芋
  • トマト
  • レモン
  • イチゴ
  • キウイフルーツ
  • アセロラ
  • オレンジ など

ビタミンACE

ストレスによる活動や酸素消費の増加で、細胞の老化や血管をもろくする活性酸が増加します。活性酸素除去には、上記のビタミンCにAとEを合わせた「ビタミンACE(エース)」が役立ちます。

Aを含む食べ物は、以下のとおりです。

  • レバー
  • ウナギ
  • 卵黄
  • モロヘイヤ
  • 人参
  • かぼちゃ
  • 春菊 など

Eを含む食べ物は、以下になります。

  • あゆ
  • ウナギ
  • 植物油
  • アーモンド
  • 落花生
  • かぼちゃ
  • モロヘイヤ
  • 赤ピーマン
  • ほうれん草 など

パントテン酸

パントテン酸の名前は「どこにでもある」というギリシャ語の意味からついたように、幅広い食べ物に含まれます。パントテン酸は副腎に働きかけて抗ストレスホルモンの分泌を促し、ストレスに対抗します。

含量の多い食べ物は、以下のとおりです。

  • 鶏ささみや鶏むね肉
  • 豚レバー
  • サケやエビ
  • たらこ
  • モロヘイヤ
  • カリフラワー
  • さつま芋
  • 納豆
  • 落花生
  • きのこ類

ストレスによるイライラと飲酒に有効なミネラル

マグネシウム

ストレスにより尿中の排せつ量が増えるマグネシウムは、ストレス発散のためにお酒をたくさん飲む場合にも排出されてしまいます。

含量の多い食べ物は、以下のとおりです。

  • あさりやイワシ、カキなどの魚介類や干物
  • ほうれん草
  • 切り干し大根
  • 枝豆
  • バナナやプルーン(ドライフルーツの方が多く含まれる)
  • 玄米やそば
  • アーモンド
  • 木綿豆腐
  • 油揚げ など

カルシウム

精神安定に必要なカルシウムの含量が多い食べ物は、以下のとおりです。

  • ヨーグルトや牛乳、プロセスチーズなどの乳製品
  • 干しエビ
  • ワカサギ
  • 煮干し
  • モロヘイヤ
  • 小松菜
  • 菜の花
  • ごま
  • 干しひじき
  • 生ワカメ など

魚は骨にカルシウムが多いので、圧力鍋で調理すれば骨まで柔らかい状態にして丸ごと食べられます。

カルシウムはビタミンDの協力のもとで骨に沈着されるので、セットで摂りましょう。

腸内環境の整備と酸化ストレスの対策に役立つプロバイオティクス食品やポリフェノール

プロバイオティクス食品

プロバイオティクスは生きたまま腸に届き、人体によい影響を及ぼす善玉菌のような生菌を含む食品です。

ストレスにより腸内の細菌フローラが変化するため、腸内環境を整備することは有効といえます。

食べ物では、乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌を生菌として含む食品です。

ポリフェノール

ポリフェノールは活性酸素除去や疲労物質の蓄積予防に有効ですが、水溶性ですぐに排泄されます。そのため、頻度よく食べ物で摂取して欲しい栄養素です。

含量の多い食べ物は、以下のとおりです。

  • ピーマン
  • パセリ
  • セロリ
  • トマト
  • ぶどう
  • アサイー(ヤシ科の実)
  • ブルーベリー
  • リンゴ
  • オレンジ
  • 大豆や豆乳、豆腐、納豆といった大豆製品 など

ストレス予防によい食べ物とともに意識したい対処法

ストレス対策には、食べ物と一緒に心がけたいライフスタイルがあります。ここでは、生活面での対処法を見ていきましょう。

食事は抜かずストレス軽減する食べ物を取り入れる

食事の時間をとり規則正しい食生活を心がける

夜型の生活と遅い時間の食事の繰り返しは、体内時計の遅れにつながります。その結果、仕事のパフォーマンス低下や、ストレスが連鎖するのです。

朝日を浴びるとセロトニン分泌や快眠につながり、一定の時刻に食事をとることで健康な消化器の働きを維持します。忙しくとも簡単で構いませんので、同じ時間に食事をとるようにしましょう。

ストレスを軽減する食材を取り入れる

ときには、自分の体を観察して必要な栄養を補うことも大切です。肌に症状がみられたら、ビタミンB群やCを含む食材を意識しましょう。また、気持ちが不安定だと感じたらビタミンB1やミネラル類を含む食べ物を積極的に補給してください。

食べ物だけでなく休息と充分な睡眠でリフレッシュ

休息と休養をとり睡眠時間を充実させる

睡眠時間が5時間を切ると、お酒を2,3杯飲んだ状態と同じくらい脳の機能が低下するといわれています。体のリズムを崩さないためにも寝だめは平日のプラス2時間にとどめ、寝足りないときは午後3時までに20分程度の昼寝がおすすめです。

脳を覚醒させるスマートフォンを見ない時間を作り、カフェイン抜きのドリンクで休息を確保することも重要です。

軽い運動やリラックス方法で自分なりにリフレッシュ

ウォーキングやストレッチなどで軽く体を動かすことは、精神的な充実感が得られる解消法です。

簡単なヨガのポーズは数種類の呼吸法により、気持ちを静めることやリラックス効果があります。完璧を求めず、ゆるいポージングがおすすめです。

予防につながる食べ物と対処法で日々のストレスに備えよう

ストレスに対抗して、見えない部分でさまざまな栄養素が消費されています。

だからといって「体によい栄養をとらなくてはいけない」などと気負うことも、ストレスになります。これまでに紹介した食べ物を参考に、シンプルな食事を同じような時間に食べるだけでも十分です。

朝日を浴びて朝ごはんを食べ、楽なストレッチとしっかり休むことでストレスに備えていきましょう。

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馬塲 耕造
監修株式会社ジョイント
監修馬塲 耕造

管理栄養士馬塲 耕造

1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。