2022.02.02
【介護者向け】ムース食って?その特徴や栄養素について教えます。
舌でつぶせる硬さで、口の中でまとまりやすく飲み込みやすいという特徴があります。咀嚼や嚥下の力が弱くなった人でも食べられる食事です。
ムース食とは?
介護食の1つで、やわらかく調理した食材をなめらかにすりつぶした後、ゲル化剤などで成形したものです。
舌でつぶせる硬さで、口の中でまとまりやすく飲み込みやすいという特徴があります。咀嚼や嚥下の力が弱くなった人でも食べられる食事です。
介護食の他の形態との違い
介護食には、ムース食以外にも食べる人の状態に合わせいくつかの形態があります。ここでは、ムース食以外の種類とその特徴を紹介します。
刻み食
普通の食事を細かく包丁で刻んだものです。咀嚼の機能が低下し、噛めなくなった人に適しています。咀嚼力に応じて、5mm~1cmの大きさに刻まれることが一般的です。
しかし、刻み食は口の中でまとまらずにばらけてしまいやすいため飲み込みにくく、嚥下力が弱い人には不向きな食事といえます。
ソフト食
やわらかく調理し、高齢者でも舌や歯ぐきでつぶせる硬さで作られた食事です。普通の食事では噛みにくさ、飲み込みにくさを感じる人に適しています。
介護食の中では普通の食事に最も近いため、見た目が良く抵抗感も少なく食べられます。しかし他の形態に比べると硬いため、咀嚼機能がより落ちてしまった場合は、ムース食など別の形態に変えるとよいでしょう。
ミキサー食
ミキサーでなめらかにすりつぶしたもので、噛まなくても食べられます。ただし水分が多いため口の中でまとまらず、誤嚥しやすいので注意が必要です。また形状や色合いも悪くなるため、食欲がわきにくいという難点もあります。
ムース食のメリット
見た目が良い
ムース食は刻み食やミキサー食よりも彩りがよく、形もきれいに成形されています。そのため見た目が良く、食欲を損なわないというメリットがあります。高齢者では低栄養が心配されるため、食べたいと思える形に食事を整えることは、栄養状態の維持にもつながります。
咀嚼ができなくても食べられる
ムース食は舌でつぶして食べられるほか、量が少なければ丸飲みもできます。咀嚼力が衰えた人でも噛まずに食べられる食事です。
看護者、介護者が食べさせやすい
ムース食を食べさせるときは、一口分をスプーンですくって口元に運びます。刻み食やミキサー食と異なり、こぼれたり垂れたりする心配がありません。ムース食は、食べる人だけでなく、看護や介護を行う側が食べさせやすいというメリットもあります。
ムース食のデメリット
調理に手間がかかる
ムース食作りでは食材を一度なめらかにすりつぶし、再度成形する作業が必要です。他の介護食に比べると工程が多いため、調理に手間と時間がかかります。
ムース食が適している人
介護食には、さまざまな種類があります。食べる人の噛む力や飲み込む力を確認し、それに適した形態を選びましょう。ここでは、ムース食が適応になるのはどんな状態なのかを説明します。
咀嚼や嚥下が難しい人
ムース食は、咀嚼できなくても舌でつぶすことができます。また、嚥下機能が落ちても飲み込みやすくなっています。
咀嚼力や嚥下力の低下が進み、刻み食やソフト食よりもさらにやわらかい食事が必要な場合は、ムース食が適しています。
水分量が多い食事で誤嚥しやすい人
ミキサー食もムース食と同じく、咀嚼や嚥下が難しい人に適した食事です。しかしミキサー食は水分が多くなるため、むせやすいのがデメリットです。
一方、ムース食はゲル化剤によって固められることで適度な粘度があるため、誤嚥しにくく、より安全といえます。
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管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。