2021.12.16
栄養価が豊富なブリの特徴とは?効能や含まれている成分・働きを大調査
ブリはどんな特徴の魚?
ブリにはさまざまな呼び名があることをご存知でしょうか。地域や大きさによって呼び名が変わる、興味深い魚です。ここでは、その呼び名について解説していきます。
大きさにより呼び名が変わる出世魚
関東の呼び名
ブリは成長によって名前が変わることから、出世魚と呼ばれています。
関東では20cm程度で「ワカシ」、40cm程度で「イナダ」、60cm程度で「ワラサ」、全長1mを超えて「ブリ」へ呼び名が変化します。
関西の呼び名
関西では、10から20cm程度で「ツバス」、50から60cm程度で「メジロ」と呼ばれます。
中国・九州地方は「ヤズ」、和歌山や福岡では「オオウオ」など、各地で呼び名の違いがあります。
旬は冬の回遊魚
「寒ブリ」と呼ばれるように冬場が旬で、日本海側では冬の荒れる海で鳴る雷の様子を「ブリ起こし」と表現します。またサケやタイにも匹敵するほど、お祝い事にも重宝される魚です。
ブリは小魚やイカなどを食べ、初夏に日本列島を北上し、秋から冬に南下するので、季節により群れで回遊する特性があります。
ブリに含まれる栄養の特徴や効能と健康への効果
ブリには栄養が豊富に含まれています。栄養成分や気になる健康への効果について解説していきます。
ブリの特徴的な栄養成分とその働きは?
EPAやDHAなど不飽和脂肪酸の栄養が豊富
ブリには、青魚の特徴的栄養素であるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)の不飽和脂肪酸が含まれます。
この脂肪酸の効能は血中コレステロールや中性脂肪を低下させ、動脈硬化予防につながります。ほかに、抗血栓や抗アレルギーなどの効能も注目されているのです。
また、DHAは脳神経機能に重要な栄養素であり、学習や記憶力の向上、認知症予防などへの効果につながります。
カルシウムの吸収に役立つビタミンD
丈夫な骨や歯を作るには、カルシウムだけを摂取するだけでは維持できません。リンというミネラルもまた、骨や歯を構成する栄養成分です。
そこで役に立つ栄養素が、ビタミンDです。
ビタミンDにはカルシウムやリンの吸収を促す作用があり、骨や歯へ栄養素をしっかりと沈着させることに役立ちます。
旨味成分と肝機能をサポートするタウリン
ブリには、タウリンというアミノ酸が含まれています。イカやタコなど軟体動物に含まれる栄養成分として、なじみのあるものです。
タウリンは、旨味を感じる栄養成分でもあります。肝細胞の回復を促す効果から、肝機能の維持や疲労回復などをサポートすることに役立っているのです。
特にブリの血合い部分に、タウリンが多く含まれています。
糖質や脂質とタッグを組んで働くビタミンB群
ブリには、ビタミンB1とB2などのB群の栄養が含まれています。ビタミンB1は糖質を分解してエネルギーに変換することや乳酸の蓄積を防ぐ効能など、疲れない体作りに役立つ栄養素です。
また、ビタミンB2は脂質やたんぱく質の分解時に働き、結果的に口内粘膜の保護や髪や肌の健康維持にとっても大切な栄養です。
抗酸化作用と若さの維持にビタミンE
ビタミンEは、「若返りのビタミン」ともいわれる栄養素です。
ビタミンEは酸化しやすい不飽和脂肪酸を活性酸素から守ることで、細胞の老化予防に役立ちます。さらに、この抗酸化作用は紫外線から肌を守り、シミやそばかす対策にもつながるのです。
また、毛細血管を広げて血行を促進するといった効能もあります。
ブリに足りない栄養と補い方
ブリに足りない栄養素はカルシウムとビタミンC
ブリに含まれる栄養素の中で含量が少ないのは、カルシウムとビタミンCです。
足りない栄養補給には、カルシウムが豊富な水菜をブリとのお刺身サラダとして盛りつけるのがおすすめです。
また、ビタミンCの栄養補給に、ゆずやレモンなど柑橘系のしぼり汁をオリーブオイルと混ぜたソースでサラダにかけることも有効です。
栄養価が豊富なブリで健康的な食事をしよう
ブリは不飽和脂肪酸を含む青魚ですので、その効能は生活習慣病予防に取り入れていきたい食品です。特に、DHAは脳の働きに重要な栄養素なので、子どもの学習に限らず認知症予防など幅広い年代の脳活に効果が期待されます。
また、魚料理は臭みが気になるときには、調理前に振り塩や霜降りなどの下処理方法を活用するとさらにおいしくなります。ぜひ栄養豊富なブリを、健康的においしくいただきましょう。
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管理栄養士馬塲 耕造
1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。